
起業家の悩みで多いことってどんなこと?
起業支援の現場にいると、日々さまざまな相談を受けます。
「資金が足りない」「売上が伸びない」「人が定着しない」——悩みは尽きません。
そして、この悩みは起業ステージによって変化します。
ズバリ言います——悩みの本質は「不安定さ」と「選択の多さ」にあります。
ここでは、起業家の悩みを時期別・テーマ別に整理し、解決のヒントをお伝えします。
1. 起業前〜1年目:スタートアップ期の悩み
この時期は「とにかく始める」ことが最優先ですが、同時に多くの壁にぶつかります。
(1) 資金不足
自己資金だけでは足りず、日本政策金融公庫からの創業融資や投資からの出資などを検討する必要があります。
(2) 集客の難しさ
「知ってもらう」こと自体が大きな課題。広告費をかけても即成果につながらないことも多いです。
(3) 商品・サービスの市場適合
顧客ニーズとズレていれば、どんなに頑張っても売れません。
早期にフィードバックを得て改善する必要があります。
2. 2〜3年目:成長模索期の悩み
ある程度売上は立ってきますが、まだ安定はしていません。
(1) 売上の波
繁忙期と閑散期の差が激しい、リピーターが安定しないなど、収益予測が難しい。
(2) 時間不足
経営、営業、現場作業、経理…すべてを自分で抱え込み、過労状態に。→専門家への相談や依頼がポイントに!
(3) 採用・人材育成
人を雇うかどうか、雇った場合の教育・管理に悩みます。
3. 4年目以降:拡大・安定化期の悩み
ビジネスが軌道に乗ってきても、新たな課題は出てきます。
(1) 組織づくり
社員数が増えると、役割分担や社内ルールが必要になります。
ここで管理が甘いと「放漫経営」になりかねません。
(2) 新規事業への挑戦
既存事業が安定しているうちに新しい柱を作るか、それとも一本化するかの判断。
(3) 資金調達と投資
拡大には資金が必要です。追加融資も検討しましょう。受給できる補助金・助成金はフル活用!
4. 共通して多いテーマ別の悩み
■資金繰り
黒字でもキャッシュ不足に陥る「黒字倒産」の危険。
手元キャッシュの目安や資金繰り表の作成は必須です。
■集客とマーケティング
SNS、広告、SEO、紹介営業…手段は多いですが、選び方と組み合わせ方が難しい。
■人材確保と定着
人手不足が続く中、条件だけでなく働きやすさや企業文化も重要です。
■経営判断
やるべきことが多すぎて、優先順位の判断に迷うことが多いです。
5. 悩みを軽くするための考え方
ポイント① 数字で判断する
感覚や気分ではなく、売上・利益・キャッシュフローなどの数字を見て判断する。
ポイント② 外部の力を借りる
税理士、社労士、起業コンサルタント(R)、メンターなど専門家の知恵を活用する。
ポイント③ 100点を目指さない
完璧主義では動きが遅れます。「2割8割の法則」でまずは走りながら改善。
ポイント④ 仲間を作る
同業や異業種の経営者仲間は、情報共有や精神的支えになります。
6. 実例
事例① 集客難からのV字回復
美容サロン経営者は、SNS運用を学び直し、顧客層を絞ることでリピート率を倍増。
事例② 資金繰り改善で安定化
飲食業の経営者が、支払いサイト延長と前受金制度を導入し、キャッシュ不足を解消。
まとめ
起業家の悩みは尽きませんが、その多くは「経験不足」と「仕組み不足」から来ています。
経験は時間とともに積み上がりますが、仕組みは意識すれば早期に作れます。
もし今あなたが悩んでいるなら、それは成長のサインでもあります。
大事なのは、悩みを放置せず、数字と仕組みで解決策を形にしていくことです。
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。