
起業準備中の会社員のあなたへ
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士、行政書士、FPの中野裕哲です。
「来年、起業を考えている。でも、銀行に提出する必要がある確定申告書の控えが見当たらない…」
そんな焦り、よくわかります。実は、これ、意外と多いご相談なんです。
そこで今回は、起業を予定されている会社員の方に向けて、確定申告書の控えを紛失した場合の「再発行方法」について、ポイントをしっかり押さえて、やさしく解説していきます。
確定申告書の控えって何?なぜ必要?
確定申告書の控えとは、確定申告を税務署に提出した際に、自分が提出した内容と同じ書類の「写し」です。
再発行の必要になる場面は、例えばこんな時:
- 創業融資を申し込むとき
- 住宅ローンの審査を受けるとき
- 補助金・助成金の申請で必要なとき
ズバリ言います。控えをなくしても慌てる必要はありません。
再発行手続きは、少し手間がかかりますが、ポイントさえ押さえればしっかり取得できます。
再発行の方法は3通り
1.税務署窓口で再発行(開示請求)
必要なもの
- 保有個人情報開示請求書(所定様式)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 手数料:300円(収入印紙)
手続きの流れ
- 書類を用意して税務署に持参
- 手数料を納付
- 約30日以内に開示決定通知書が届く
- 再発行された控えを受け取る(郵送も可能)
メリット・デメリット
- 【メリット】本人が直接説明できる
- 【デメリット】平日に税務署に行く必要がある
2.郵送での再発行
必要なもの
- 保有個人情報開示請求書
- 本人確認書類のコピー
- 住民票の写し(発行日から30日以内、マイナンバー記載なし)
- 手数料:300円分の収入印紙
- 返信用封筒と切手
流れ
- 上記の書類を揃えて郵送
- 約1か月後に再発行控えが届く
注意点
- 書類不備があると差し戻される
- 発送から受取まで日数がかかる
3.e-Taxで申告した人は?
e-Taxを利用して申告した人は、確定申告書のPDFや申告完了通知を印刷して使えます。
マイナポータルやe-Taxソフトから再取得することも可能です。
これも“控え”として通用する
多くの金融機関や公的機関で、電子申告の写しでも対応可能です。
ただし、念のため事前に「電子申告分でも大丈夫か?」確認するのが安心です。
【よくある質問:FAQ】
Q1:いつの分まで再発行できますか?
A:原則として5年前まで。それ以前はデータ保管がないことが多いです。
Q2:手数料300円は毎回かかるの?
A:はい。再発行1件につき必要です。
Q3:代理人でも申請できますか?
A:可能です。ただし委任状と代理人の本人確認書類が必要です。
Q4:副業の確定申告も対象ですか?
A:もちろん対象です。副業分の確定申告書も再発行可能です。
【プロのアドバイス】失くす前にできる3つの対策
- PDF形式で必ず保存しておく(USBやクラウド)
- 紙で印刷して保管(できれば2部)
- マイナポータル連携を活用(e-Taxと紐づけておく)
この3つを実践するだけで、再発行の手間がグッと減ります。
まとめ:焦らず、正しく手続きを
確定申告書の再発行は、誰にでも起こり得ることです。手続き自体はそれほど難しくありませんが、注意点も多いので、落ち着いて行動することが大切です。
そして、再発行された控えは、あなたの起業準備にとって大きな武器になります。しっかり保管して、次のステップに進んでいきましょう。
起業準備中のあなたの不安が、少しでも安心に変わるように—
引き続き、一緒に準備を進めていきましょうね!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。