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銀行員が決算書を見るポイント【損益計算書編】経営者が押さえておくべき実務の視点
はじめに
こんにちは。税理士・行政書士・中小企業診断士の中野裕哲です。
「銀行は決算書のどこを見ているのか?」
これは多くの経営者が抱く素朴な疑問です。
今回の記事では、元銀行員で数千件以上の決算書を見てきたスーパー営業マンの経験をもとに、銀行員が損益計算書をどう見ているかを整理しました。
金融機関からの融資を受けたい経営者にとって、これは極めて実務的で役立つ情報です。この記事を読めば、銀行員とやり取りするときに「ここを聞かれるな」「こう説明すれば信頼されるな」という感覚がつかめます。
銀行員はまず「損益計算書」から見る
決算書には大きく分けて「損益計算書」と「貸借対照表」がありますが、銀行員が最初に見るのは**損益計算書(P/L)**です。
理由はシンプル。
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会社の「規模感」を把握できる
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本業の収益性が一目でわかる
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融資をしても返済できるかを確認するため
この時点で「売上規模」「利益の出方」がパッと見えてしまうため、銀行員にとって損益計算書は最重要ポイントなのです。
銀行員が見る5つのポイント
1. 売上高(トップライン)
まず注目するのは「売上高」。
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この会社はどれくらいの規模なのか?
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前年対比で売上は伸びているのか?
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既存顧客との関係は安定しているのか?
銀行員は「売上の継続性と成長性」を見ています。売上が大きくブレる会社は、返済原資も不安定と見られるため、融資判断で不利になりやすいのです。
2. 営業利益(本業の稼ぐ力)
次に注目するのは営業利益。
経常利益や当期純利益よりも、銀行員が強く見るのは「本業でしっかり稼げているか」です。
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赤字が続いていないか?
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一時的な利益ではなく安定した利益か?
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本業の体質は強いか?
本業が強ければ、追加融資の可能性も広がります。
3. 費用の突出項目
銀行員は「費用の中で突出しているもの」に敏感です。
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交際費がやたら多い → 経営姿勢に疑問を持たれる
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減価償却費が異常に少ない/ゼロ → 会計処理に不自然さを感じる
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人件費や広告費が急増 → 説明を求められる
特に交際費は「社長の人柄や経営スタンス」が透けて見える部分。ここを突っ込まれることは少なくありません。
4. 役員報酬の適切性
「利益を出したいから役員報酬をゼロにしています」という会社がありますが、これは銀行員にマイナス評価をされやすいポイントです。
なぜなら、
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社長が生活できていない → 実は会社から個人的にお金を引き出しているのでは?
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個人と法人のお金が混同しているのでは?
と疑われるからです。
適正な役員報酬を取らないと、決算書がきれいに見えても、銀行からは「実態が見えない」と判断されるのです。
5. 数値の整合性と説明力
銀行員は、決算書を受け取ったときに「その場でパラパラっと見る」ことが多いです。
そこで質問されるのは、例えばこんな内容です。
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「売上が前年から急に増えていますが、理由は?」
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「利益が大きく減っていますが、要因は?」
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「交際費が増えているのはなぜ?」
ここで「税理士に聞いてください」ではなく、社長自身が説明できるかどうかが重要。最低限、自社の損益計算書については即答できるようにしておく必要があります。
銀行員が嫌う「NGパターン」
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売上規模が読めない/急変動している
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営業利益が毎年赤字
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交際費が突出している
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役員報酬を極端に削っている
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質問に答えられない経営者
これらに当てはまると、銀行員は「リスクのある会社」と判断します。
銀行から信頼される経営者とは?
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決算書を理解し、自分の言葉で説明できる
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数字の裏にある戦略や状況を語れる
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個人と会社のお金をきちんと分けている
こうした経営者は、銀行員から「この人は信頼できる」と評価され、融資の場面で有利に働きます。
まとめ
銀行員が損益計算書で見るポイントは以下の通りです。
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売上高の規模と推移
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営業利益(本業の稼ぐ力)
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費用の突出項目(交際費・減価償却費など)
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役員報酬の適切性
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数値に対する説明力
これらを経営者自身が把握し、説明できるようにしておくことが、融資を受ける第一歩です。
動画では、実際の銀行員の視点をさらに具体的に語っています。ぜひチェックして、融資に強い経営者を目指してください。
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