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コラム

訪問介護事業所の開業融資と資金調達

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訪問介護の開業資金はいくら必要?創業融資と運転資金の確保方法を解説

訪問介護事業所は、店舗の内装工事が比較的軽く、無資格でも管理者になれるケースがあるなど、介護分野のなかでは開業ハードルが低い業態です。一方で、「人員基準を満たすための人件費」と「介護報酬が入金されるまでのタイムラグ」という、この業種ならではの資金の壁があります。本記事では、これから訪問介護で起業する個人事業主・中小企業の方に向けて、開業に必要な資金の内訳と、日本政策金融公庫の創業融資を活用した資金調達の進め方を整理します。なお、制度や金利は変わりやすいため、本記事は執筆時点(2026年6月)の情報をもとにしています。

訪問介護の開業にかかる資金の内訳

訪問介護は利用者の自宅を訪問してサービスを提供するため、デイサービスや施設系と比べて大きな建物や設備投資が不要です。そのぶん初期費用は抑えやすい一方、開業前から一定の人員を確保しておく必要があるため、人件費を中心とした運転資金の準備が重要になります。主な資金項目は次のとおりです。

  • 事務所の賃貸費用(家賃・保証金など)
  • 訪問用の車両費・自転車・駐車場代
  • サービス提供責任者・訪問介護員(ヘルパー)の人件費
  • パソコン・介護記録ソフト・通信費などの備品費
  • 指定申請の準備にかかる費用
  • 開業後、介護報酬が入金されるまでの運転資金

訪問介護の指定を受けるには、原則として法人格と、常勤換算で一定数以上の訪問介護員、サービス提供責任者、管理者といった人員基準を満たす必要があります。利用者がつく前から人を雇用して待機させることになるため、開業直後はどうしても人件費が先行します。ここを自己資金だけでまかなおうとすると資金が不足しやすく、創業融資で運転資金を厚めに確保しておくことが安定経営につながります。

なぜ運転資金が重要か|介護報酬の入金タイムラグ

訪問介護の売上の大部分は、利用者負担分を除き、国民健康保険団体連合会(国保連)へ請求する介護報酬です。この介護報酬は、サービスを提供した月のおおむね2か月後に入金されます。たとえば4月に提供したサービスの報酬が手元に入るのは6月ごろ、というイメージです。

つまり、開業してすぐに利用者がついても、最初の数か月は人件費や家賃の支払いが先に発生し、売上の入金はあとから追いかけてくる構造になります。この入金までの「つなぎ」をまかなう運転資金を見込んでおかないと、黒字でも資金が回らなくなる「黒字倒産」のリスクが生じます。創業融資で開業資金とあわせて運転資金を申請する際は、少なくとも数か月分の人件費・固定費をカバーできる金額を意識しておくと安心です。

創業融資とは

創業融資とは、主に日本政策金融公庫が提供する、起業時の資金調達を目的とした融資制度のことです。政府系金融機関が提供するため、民間金融機関では対応できないような場合でも積極的に取り組むのが大きな特徴です。

無担保・無保証人での借り入れが原則として可能であり、事業の実績がなくても事業計画書と自己資金をもとに審査が行われます。融資限度額は最大7,200万円程度(制度による)です。

ただし、申し込みから融資実行まで1〜2か月程度の時間がかかります。書類の準備と面談が必要であり、事業計画書の作り込みが審査結果に影響します。「今すぐ資金が必要」という状況には、時間的に対応が難しい点が課題です。訪問介護は指定申請のスケジュールが決まっているため、逆算して早めに動き出すことが大切です。

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弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫法人営業の小峰を中心とした専門家チームが、幅広い融資を含む資金調達支援・起業支援・経営支援を行っております。「何から始めればいいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

V-Spiritsでは年間1,000件以上の融資などの資金調達支援や起業・経営支援を行っております。専門チームが伴走支援を行います。

 

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訪問介護の開業で使える主な融資制度

日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

個人事業主・中小企業の創業時の代表的な選択肢は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。2024年3月に「新創業融資制度」が廃止され、現在の主制度となりました。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)と、創業時に必要な資金規模をカバーできる設計になっています。訪問介護のように運転資金の比重が高い業態とも相性のよい制度です。

金利・据置期間(2026年3月時点)

2026年3月時点の基準利率は年3.25〜4.65%です。創業期の方が無担保で利用する場合は、原則として0.65%(雇用拡大を図る場合は0.9%)の引下げが適用される可能性があります。訪問介護は人員基準を満たすために雇用を生み出す事業なので、雇用拡大の要件に当てはまるケースもあります。元金返済の据置期間は5年以内で設定でき、据置期間中は利息のみの支払いとなるため、利用者が増えるまでのキャッシュフローに余裕を持たせることができます。

※金利・限度額・据置期間などの数字は変更される場合があります。申請時は日本政策金融公庫の公式情報で最新の内容を必ずご確認ください。

自己資金と事業計画書のポイント

創業融資は、自己資金と事業計画書の説得力が審査の中心になります。自己資金は、面談時点で口座の残高を通帳などで確認できるようにしておくのが原則です。

みなし自己資金になる支出を整理する

創業前に自費で取得した資格・設備や備品の購入・テストマーケティング費用などは、「みなし自己資金」として一定範囲で評価されることがあります。領収書を必ず保管しておきましょう。訪問介護では、開業前に取得した介護関連の資格費用や、先行して購入した記録用機器などが該当する場合があります。

事業計画書では、想定する利用者数・サービス提供回数・介護報酬単価をもとにした売上計画を、無理のない数字で組み立てることが大切です。

開業までの流れとスケジュール

訪問介護の開業は、おおまかに「法人設立 → 人員確保 → 指定申請 → 融資の申請・実行 → 事業開始」という流れで進みます。指定申請には法人格と人員基準の充足が前提となり、自治体ごとに申請の締切や審査期間が決まっているため、逆算したスケジュール管理が欠かせません。

創業融資は書類提出後おおむね3週間〜1か月で実行されますが、創業計画書や自己資金のエビデンスなどの準備期間を含めると、申請準備に1か月、審査・実行に1か月、合計2か月程度を見ておくと安全です。法人設立の登記手続きや指定申請、雇用に伴う各種手続きは専門的な分野にまたがるため、登記は司法書士、労務関連の手続きは社会保険労務士、許認可・指定申請は行政書士といった専門家に相談しながら、融資の準備と並行して進めるとスムーズです。

よくある質問

Q. 自己資金は申請時点で全額入金しておくべきですか

はい、原則として面談時点で口座に確認できる形にしておきます。自己資金が口座にあることを通帳などで説明できる状態にしておくと、審査がスムーズになります。

Q. 訪問介護は運転資金をどのくらい借りておくべきですか

事業によって異なりますが、介護報酬の入金が約2か月後になる構造を踏まえ、少なくとも数か月分の人件費・家賃などの固定費をまかなえる運転資金を見込んでおくと安心です。具体的な金額は事業計画にもとづいて検討するのがよいでしょう。

Q. 実績がなくても創業融資は受けられますか

創業融資は事業の実績がなくても、事業計画書と自己資金をもとに審査されます。「必ず借りられる」とはいえませんが、計画の説得力と準備の丁寧さが結果を左右します。

まとめ

訪問介護は初期の設備投資が軽い一方で、人員基準を満たすための人件費が先行し、介護報酬の入金が約2か月後になるため、運転資金の確保が成否を分けます。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」を活用し、開業資金とあわせて余裕のある運転資金を申請することが、安定したスタートにつながります。指定申請のスケジュールから逆算し、早めに事業計画書づくりと資金調達の準備を始めましょう。資金計画や事業計画書の作り込みに不安があれば、創業融資に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

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弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫の法人営業の小峰を中心とした所属専門家チームが一丸となって、幅広い融資を含む資金調達のご支援・起業支援・経営支援を行っております。融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業

資金繰り解決コンサルタント

V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役

大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。

日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。

クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役

同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。

支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。

日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。

長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像


この記事を監修した人

中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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