
いまさら聞けない「社労士をつけずに社員を雇うとどんなリスクがあるの?」──安心して雇用を進めるために知っておきたいこと
正社員・アルバイトを雇用するのに、社会保険労務士を導入せずに済ませようとしていませんか?社労士とは社会保険や労働保険、就業規則、労働条件などを扱う専門家です。中小企業ほど、その存在の重要性を見落としがちですが、避けられないリスクもあるのです。本記事では、どんな影響があるのか、なぜ必要なのか、わかりやすく整理しました。
① 法令の専門性がないと、知らずに違反してしまうリスク
労働法や社会保険制度は改正が頻繁で、専門的な知識なしに対応すると、残業代未払い、休暇制度の不備、社会保険未加入といった法令違反を無自覚に犯す恐れがあります。近年、労使トラブルや相談件数は高い水準で推移しており、専門知識なしに管理すると紛争に発展するケースも多く なっています。
② 手続きミスや申請ミスによる罰則・損失
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労働保険や社会保険の加入や脱退の手続き
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助成金の申請
これらの業務は法的に専門家に限定された範囲もあり、失敗するとペナルティや助成金不支給の可能性があります。専門知識がなく、制度や期限を誤ると取り返しがつかない損害につながります。
③ 労務トラブル・ハラスメント・退職手続きなどの対応力
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労使トラブル、退職時の手続き、パワハラ・セクハラへの対応など法的判断と調整力を要する場面では、社労士が即対応できる体制があると安心できます。
専門家不在では対応が後手になり、裁判や行政調査などのリスクにもつながります。
④ 就業規則・賃金規程など制度整備の不備
従業員を雇う以上、一定規模以上では就業規則や賃金規程の整備は法的に必要です。制度が曖昧だとトラブルの温床になりやすく、助成金や融資評価にもマイナス要因になります。社労士なら、会社の実態に合ったルールを整備し、未然にトラブルを防げます。
⑤ 経営資源の無駄と本業への集中妨げ
社内で手続きを自己対応すると、時間や労力を大きく割かれます。本業に集中できず、業務効率も下がります。給与計算のミスにより社員やアルバイトから不信感を持たれるリスクも抱えたままになります。社労士にアウトソースすることで、経営者は本質的な業務に集中でき、内部コストも削減できます。
⑥ 採用競争・組織整備での遅れ
現代は「人材獲得競争」の時代。適切な労務制度や休暇制度が整備されていないと、応募の時点で選ばれにくくなります。社労士は、就業環境・制度整備を通じて採用市場でも信頼を得やすくします。
⑦ 社労士をつけないと起こる具体的なリスクまとめ
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法令違反(未払い残業、有給制度不備、保険加入漏れ)
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行政指導や調査、罰金・過料リスク
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助成金・補助金の申請漏れ、機会損失
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社内トラブル時の対応力不足(退職、解雇、ハラスメント)
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制度不備による離職率アップ・採用難につながる信頼低下
- 給与計算など労務部門の時間とコストがかえって高負担になるケース
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経営者や従業員の手間と心理負担の増加
■まとめ:社労士を持つことは「合法×安心×効率」の土台づくり
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社労士は単に手続きを代行するだけでなく、法令遵守・組織整備・経営支援をトータルに担うパートナーです。
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直接リスクを避けるだけではなく、人材獲得力や会社の信頼性も向上します。
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事業成長・雇用の安定を目指すならば、社労士の力を借りられる体制を早い段階で整えておくことを強くお勧めします。
ご自身の会社や雇用形態に照らし合わせて、必要な対応をご一緒に設計することもできます。いつでもご相談くださいね。
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。