
売上が伸びても現金が無ければ行き詰る
今回のテーマは、【売上が伸びても現金が無ければ行き詰る】です。売上が減少傾向でも手元に現金があれば事業継続ができますし、新事業も検討することができます。相談の中でも多いのが、売上は増加し始めているが現金が手元にないので融資を受けたいといった声があります。
売上増加と資金繰りの現実
前向きな状況ですので、銀行としても前向きに対応してくれることが多いです。しかし、稀に複数銀行から融資を受けて「いざ!」といった時に売上が上がらず、現金が少なくなってきた時に良い案件が出てくるといったケースがあります。だだし、銀行からすると売上が伸びることが前提の「増加運転資金」として融資をしているので、いくら未来に良い話があっても足元を見られ追加融資を受けることが非常に難しくなります。
対策1:月商1ヶ月分の現預金を残す資金計画
対策としては2つあると考えています。
1つ目は、融資を受けたのであれば、常に月商1ヶ月分の現預金は手元に残るような資金計画を立てていくことです。月商1ヶ月分を残し経営していくことは創業期企業にとっては難易度が高くなりますが、経費関係の支出の見直し等を行っていき、極力手元に現金が残るような経営を心掛けたいものです。
対策2:銀行とのコミュニケーションを密に取る
2つ目は、銀行とのコミュニケーションを密に取り、自社が今どの程度融資が受けられるのか状況を把握しておくことです。もちろん融資には審査がありますので絶対はあり得ませんが、銀行担当者も過去の経験から推測しどの程度の金額なら融資ができるかは把握しています。
最悪の状態になる前に先手を打つ重要性
なぜ、このような行動が必要になるのかは、最悪の状態になってから相談をしても出てくる回答は非常に厳しいものです。常に、最悪の状態になる前に先手先手を打って行動を起こしておくことが資金不足に陥る危険性から回避することと考えます。しかしながら、業績の急速な悪化や税金滞納などの状況は土台には乗らないのでご注意下さい。その場合はリスケなどほかの方法となるでしょう。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。