
融資を受けたいなら絶対に気をつけるべきこと:代表者への貸付金とは?
はじめに:融資審査において見落とされがちな落とし穴
金融機関からの融資を検討している企業が、うっかり見逃しやすいのが「代表者への貸付金」の存在です。
これは帳簿上も重要なポイントであり、内容によっては審査にマイナスの影響を与えかねません。事業がどれだけ順調であっても、この一項目で信頼を損なうことがあるのです。
代表者への貸付金とは何か?
これは法人の資金を社長個人に一時的に貸すことを意味します。
一見、代表者が自由に資金を動かしても良さそうに思えますが、法人の資金は法人のものであり、私的な支出に使うことは原則NGです。
- 会社の口座から社長の生活費を支払う
- 個人的な借金を会社から一時的に借りる
- 会社名義のクレジットカードをプライベートで使用
なぜ金融機関が嫌がるのか?
金融機関が企業へ融資を行うのは、事業の発展を目的としています。
ところが、貸付金が存在すると「本当にこの会社に貸して大丈夫か?」と疑問を持たれてしまいます。
代表者が法人の金を私的に流用しているかもしれないという懸念から、
- 事業資金が社長個人の生活費に消える恐れ
- 返済財源が確保されないリスク
- 企業ガバナンスの不備とみなされる
結果、審査否決の要因となるのです。
代表者貸付金のリスクと事例
特に創業から数年が経過した企業でこの問題が起きやすくなります。
最初は数万円・数十万円だった金額が、気づけば数百万円〜数千万円に膨らむケースも。
返済能力を超える額になってしまうと、
- 税務署からも厳しくチェックされる
- 役員報酬への認定課税が発生
- 金融機関からの融資が一切通らなくなる
代表者からの貸付はOK
一方、代表者が会社に貸し付ける(役員借入金)はまったく問題ありません。
これはむしろ資金繰りへの協力とされ、金融機関の印象も良くなります。
法人と個人を明確に分けるための実践アドバイス
- 会社と個人の口座を完全に分離する
- 生活費や個人支出は役員報酬として処理する
- 貸付が生じた場合は速やかに返済する
- 会計ソフトで自動仕訳・残高管理を徹底する
よくある質問(FAQ)
- Q. どうしても一時的に会社からお金を借りる必要があります。
- A. 一度だけで、返済の意思が明確であれば問題視されにくいですが、習慣化はNGです。
- Q. 税務上のペナルティはありますか?
- A. 市場金利を下回る貸付の場合、役員報酬として課税される可能性があります。
- Q. 金融機関に説明すれば理解してもらえますか?
- A. 原因と対策、返済見込みを明確に説明できれば対応してもらえるケースもあります。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























