
融資の本来の目的とは?資金使途違反と正しい資金の使い方を徹底解説
融資とは何のために受けるのか?
融資は単なる資金調達手段ではありません。本来の目的は、事業を成長・発展させるために資金を活用することにあります。
売上拡大、新規設備投資、人材採用、新事業展開──それらを後押しするために、金融機関はお金を貸してくれるのです。
逆に、目的外の用途に流用してしまえば、それは信用違反となり、企業としての信頼性を損ねる原因になります。
資金使途の意味と重要性
資金使途(しきんしと)とは、「融資を受けたお金を何に使うのか」を明記したものです。金融機関は審査の際、資金使途を必ず確認します。
申込時に「設備資金として使います」としていたのに、実際は運転資金に充てた──こういったケースは資金使途違反とみなされます。
資金使途違反の代表例
① 投資信託や保険への加入
銀行員に勧められて受けた融資であっても、投資目的での使用は資金使途違反です。金融庁も厳しく指導しており、発覚すれば一発で信用失墜に繋がります。
② 融資金を定期預金にする
「歩積両建(あるきづみりょうだて)」と呼ばれる行為に該当します。融資と定期預金を同時に設定することは金融庁によって明確に禁止されています。
③ 第三者へ転貸しする
親会社・子会社・取引先など第三者に貸し付ける行為です。金融機関との契約に違反する重大な行為であり、継続融資の停止や契約解除に至ることもあります。
資金使途違反が招く影響
- 融資契約の即時解除や一括返済の要求
- 金融機関のブラックリスト入りにより今後の融資が難しくなる
- 他行に情報が共有され、信用棄損となる
- 補助金や助成金の不採択に繋がる可能性
資金使途違反は、「ばれなければ大丈夫」と軽視されがちですが、いずれ必ず発覚すると考えた方がよいでしょう。
トラブルを防ぐには?正しい使い方と対処法
- 融資契約書に記載された資金使途を確認・遵守する
- 用途を変える必要がある場合は、事前に金融機関へ相談する
- 若手銀行員の曖昧な説明を鵜呑みにせず、複数の担当者や専門家へ確認を取る
何よりも重要なのは、経営者自身が契約の意味と責任を理解しておくことです。
よくある質問(FAQ)
- Q. 銀行員にすすめられて定期預金にしたのですが大丈夫?
- A. 歩積両建の疑いがあり、基本的にはNG。早急に用途変更届や相談が必要です。
- Q. 使う予定がなく余った融資金はどうしたら?
- A. 一旦普通預金に保管し、契約用途にのみ使用。誤って運用や貸付に流用しないよう注意が必要です。
- Q. 使途を変更するにはどうすればよい?
- A. 金融機関に用途変更の相談と書面提出が必要になる場合があります。
専門家に相談するメリット
融資に関する疑問や不安は、税理士・行政書士などの専門家に相談することでリスクを最小限に抑えることができます。
V-Spiritsでは、創業・資金調達・経営改善に強い専門家が無料相談を実施しています。ぜひご活用ください。

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























