
アーリー期とは?市場に挑む起業初期フェーズの全貌を解説
前回は「シード期」について解説しました。いわば“起業前~起業直後”の準備段階でしたね。
今回は、もう一歩進んだ「アーリー期」について詳しくお伝えしていきます。
スタートアップにおける成長ステージの中でも、このアーリー期はまさに「市場に挑むとき」。
ただし、可能性と同時に多くのリスクや課題も浮き彫りになるタイミングでもあります。
アーリー期の企業とは?
「アーリー(Early)」とは、その名のとおり“早期段階”。
つまり、製品やサービスを市場に出し始めて間もないフェーズを指します。
すでにサービスの提供は始まっているけれど…
顧客のニーズに合っているかまだ手応えがない
利用者の反応を見ながら、日々改善が必要
価格設定や提供方法に試行錯誤している
マーケティングの方法を模索している
というように、いわば“市場とのキャッチボールを繰り返している時期”です。
この段階の最大の特徴は、「製品・サービスが市場に受け入れられるかどうか」を見極めるフェーズであるということです。
アーリー期に起こる変化と挑戦
では、この時期の企業にはどのような変化が訪れるのか?
いくつか具体的なポイントを見ていきましょう。
1. 雇用の開始と組織対応
アーリー期になると、1人や2人では事業が回らなくなってきます。
サービスの提供や開発に人手が必要
顧客対応や営業活動が増えてきた
経理や法務など、社内管理体制の強化が必要
このような状況になると、いよいよ「雇用」が始まります。
パート・アルバイトから始まるケースも多いですが、正社員や業務委託などを含め、少しずつ“チームとしての組織”が形成され始める段階です。
この時期は、単に「人を増やす」だけでなく、コミュニケーションやマネジメント体制の整備も重要になります。
2. 経費先行と資金繰りの重要性
このアーリー期でも、引き続き「経費先行型」のビジネスモデルになりがちです。
人件費
サーバー利用料やシステム維持費
広告・マーケティング費用
業務委託費・外注費
オフィスの家賃・光熱費 など
売上はまだ安定しておらず、むしろ初期のユーザー獲得のために無料プランや低価格での提供をしている場合も多いです。
つまり、「お金は出ていくけど、入ってくるのはまだ少ない」状態が続くわけです。
この状態で最も恐ろしいのが資金ショート。
この時期に資金調達をうまく乗り越えられるかどうかが、アーリー期を突破できるかのカギとなります。
アーリー期の資金調達手段
この時期になると、資金調達の手段が少しずつ多様化してきます。
エンジェル投資家からの出資
ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達(シリーズA前後)
補助金や助成金(IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金など)
日本政策金融公庫などの創業融資
クラウドファンディング
この中でも、VCからの出資は事業成長の可能性がしっかり評価されないと難しいため、事業の“将来性”を定量・定性的にしっかり説明できる資料が必要です。
また、補助金などは審査があるものの、返済不要であるため大きな助けになります。
「アーリー期」をうまく乗り越えるためのヒント
アーリー期は、いわばスタートアップの「第二の山」です。
最初の山(シード期)を越え、「いよいよ市場へ」と舵を切ったこの段階で、以下のようなことを意識してみてください。
顧客ニーズの変化に柔軟に対応すること
数字(売上・顧客数・継続率など)をしっかり把握し、PDCAを回すこと
チームとしての運営を意識し、役割を明確にすること
次の資金調達に向けた“ストーリーづくり”を始めること
このアーリー期で事業の方向性が固まれば、次のフェーズである「シリーズA」にもつながっていきます。
まとめ:アーリー期は“挑戦と調整”の連続
アーリー期は、シード期と比べて一歩踏み出した状態です。
製品やサービスを実際に提供しながら、現実の市場と真剣に向き合うことになります。
「本当に売れるのか?」「お客様に届くのか?」という問いと、日々格闘する日々。
けれどこの期間にしっかりと試行錯誤を重ねることで、スタートアップとしての基盤が作られていくのです。
資金調達にしても、人材確保にしても、「準備」が8割。
ぜひ、焦らず、でも一歩ずつ前に進んでいきましょう。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 融資担当営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。成績ばかりを追い、取引先を理解できず苦戦するが、企業の本質を知ることの重要性に気づく。以後、信頼関係を築き、資金繰りや融資支援に注力。経営難の企業に融資の基本を伝え、3ヶ月で1.5億円の資金調達を実現。この経験を原点に、中小企業の資金繰り支援を使命とし、日本の企業成長に全力を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























