
スポーツジムのフランチャイズ開業に使える創業融資|加盟金の扱いと審査で見られる資金計画のポイント
スポーツジムのフランチャイズ開業に創業融資を使う|資金の内訳・加盟金の扱い・審査のポイントを解説
スポーツジムをフランチャイズで開業したいけれど、まとまった開業資金をどう調達すればよいのか——加盟を検討する段階で、多くの方が最初にぶつかる悩みです。フィットネス業態は物件取得や内装・トレーニング機器の導入に費用がかかりやすく、自己資金だけで開業までまかなうのは簡単ではありません。そこで中心的な選択肢になるのが、日本政策金融公庫の創業融資です。
この記事では、スポーツジムのフランチャイズ開業で創業融資を使うときの資金の内訳、フランチャイズならではの注意点(加盟金の扱いや必要書類の誤解)、審査で見られるポイントを整理して解説します。なお、融資制度・金利は変わりやすいため、本記事は執筆時点(2026年7月)の情報にもとづきます。金利や限度額などは申請前に日本政策金融公庫の公式情報でご確認ください。
スポーツジムのフランチャイズ開業にかかる資金の目安
ひとくちにスポーツジムのフランチャイズといっても、業態によって必要資金の幅は大きく異なります。少人数向けのスモールジムであれば開業資金は1,000万円前後になるケースが多く、100坪以上の24時間型ジムでは4,000万円前後かかることもあります。主な内訳は、次のように分けて考えると計画を立てやすくなります。
- 加盟金・研修費など:フランチャイズ本部に支払う初期費用
- 物件取得費:保証金など、店舗を借りるための費用
- 内装工事費・設備費:トレーニングマシンや内装、セキュリティ設備など
- 運転資金:会員数が積み上がるまでの家賃・人件費・広告費など
フィットネスジムは、開業後すぐに会員が定員に達するわけではなく、会員数が増えて売上が安定するまでに一定の期間がかかります。開業時の設備投資だけでなく、その間の運転資金まで含めて資金計画を組んでおくことが大切です。
創業融資とは
創業融資とは、主に日本政策金融公庫が提供する、起業時の資金調達を目的とした融資制度のことです。政府系金融機関が提供するため、民間金融機関では対応できないような場合でも積極的に取り組むのが大きな特徴です。
無担保・無保証人での借り入れが原則として可能です。審査では、事業として創業した実績がなくても、事業計画書と自己資金などをもとに判断されます。融資限度額は最大7,200万円程度(制度による)です。ただし、申し込みから融資実行まで1〜2か月程度の時間がかかります。書類の準備と面談が必要であり、事業計画書の作り込みが審査結果に影響します。
主な制度:日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」
個人事業主・中小企業の創業時の代表的な選択肢は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。2024年3月に「新創業融資制度」が廃止され、現在の主制度となりました。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、スポーツジムのように設備投資が大きい業態でも対応しやすい設計になっています。
金利・据置期間・返済期間
2026年6月1日現在の基準利率は、無担保で創業期(税務申告を2期終えていない場合)に利用するとき年3.45〜5.15%です。創業期の方が無担保で利用する場合は、原則として0.65%(雇用拡大を図る場合は0.9%)の引下げが適用される可能性があります。実際の適用可否は利用する融資制度・審査・条件により異なるため、詳細は申請先でご確認ください。元金返済の据置期間は5年以内で設定でき、据置期間中は利息のみの支払いとなります。返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が原則10年以内が目安です。
フランチャイズ開業ならではの融資のポイント
フランチャイズでの開業は、独立系での開業とは異なる論点があります。とくに次の3点は、事前に理解しておくと計画がぶれにくくなります。
加盟金は融資の対象になるのか
加盟金が融資の対象になるかどうかは、その中身によって見られ方が変わります。加盟金に研修費や開業準備の費用が含まれている場合は設備資金として扱われやすい一方、ブランドの使用料としての性格が強い場合は運転資金として扱われることもあります。加盟金の内訳が契約書や見積書で説明できる状態にしておくと、資金使途を整理しやすくなります。
本部の実績があっても、審査で見られるのは本人の計画と自己資金など
フランチャイズは本部のブランドや事業モデルに実績がありますが、それだけで融資が決まるわけではありません。審査では、事業として創業した実績がなくても、事業計画書と自己資金などをもとに判断されます。本部の実績に頼りきるのではなく、加盟後にどう店舗を運営して会員を増やしていくのか、自分の言葉で事業計画に落とし込むことが大切です。
自己資金の考え方
公庫の創業融資では、制度上、自己資金の額や割合の要件は決まっていません。ただし、自己資金の額は審査の重要な判断材料であり、多いほど審査で有利になりやすいといえます。スポーツジムは設備投資が大きくなりやすいため、総事業費に対してどれだけ自己資金を用意できるかが計画の説得力に影響します。
また、創業前に自費で取得した資格や、購入した備品、テストマーケティングの費用などは、「みなし自己資金」として一定範囲で評価されることがあります。領収書を必ず保管しておきましょう。自己資金は、面談時点で口座に確認できる形にしておくことが原則です。
据置期間を活かした返済計画
フィットネスジムは、開業直後は会員数が少なく、売上が計画に届くまで時間がかかりやすい業態です。元金返済の据置期間(5年以内)を活用すると、会員が積み上がるまでの期間は利息のみの支払いにでき、開業初期のキャッシュフローに余裕を持たせやすくなります。設備資金の返済期間を長めに取れる点も含めて、無理のない返済計画を立てることが、開業後の資金繰りを安定させる鍵になります。
よくある質問(FAQ)
Q. 一度審査に落ちると、次回の審査に影響しますか?
A. 日本政策金融公庫は個人信用情報機関に加盟していますが、審査に落ちたこと自体が信用情報に記録されることはありません。一方で、公庫内には審査に落ちた記録が残ります。そのため次の審査では、落ちたことを考慮に入れた形になるため、慎重に扱われる可能性があります。
Q. 否決された直後にすぐ再申請してもよいですか?
A. 原因を潰さずに再申請しても、結果は変わりません。自己資金不足、事業計画の説得力不足、業界未経験への対策不足など、否決の理由を具体的に特定し、そこを改善したうえで再申請することが必要です。
Q. 申請から融資実行までどのくらいかかりますか?
A. 書類提出後おおむね3週間〜1か月程度が目安です。創業計画書・自己資金を確認できる資料・見積書などの準備期間を含めると、合計で約2か月を見込んでおくと安全です。開業スケジュールから逆算して早めに動き始めましょう。
まとめ
スポーツジムのフランチャイズ開業では、業態によって必要資金が1,000万円前後から4,000万円前後まで大きく変わります。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、無担保・無保証人で利用でき、据置期間や長めの返済期間を活かせるため、設備投資が大きいフィットネス業態と相性のよい制度です。
あわせて、加盟金は中身によって資金使途の見られ方が変わること、本部の実績があっても審査では本人の事業計画と自己資金などが問われること、法定開示書面は融資の必要書類ではないことなど、フランチャイズならではのポイントを押さえておくと申請がスムーズになります。資金計画や事業計画書の作り込みに不安がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























