
【保存版】日本政策金融公庫で創業融資を成功させるための事業計画書の書き方ガイド
はじめに:1年後に起業したいあなたへ
「いつかは自分のビジネスを持ちたい」──そんな夢を持ちながら会社員生活を続けている方へ。ズバリ言います、起業は夢を叶える一歩であると同時に、慎重な準備が欠かせない現実的な挑戦でもあります。中でも、資金調達において多くの起業家が利用するのが「日本政策金融公庫(以下、公庫)」の創業融資。そして、そのカギを握るのが「事業計画書」です。
この記事では、公庫の創業融資に通るための事業計画書の書き方を丁寧にお伝えします。
また、本記事では起業の現場で多くの方がぶつかる「書けない・通らない・わからない」という3つの壁をどう乗り越えるか、そのポイントも解説。特に会社員からの起業を目指す方にとって、資金面での第一関門とも言える創業融資の取得には、しっかりとした戦略が求められます。
目次
- 公庫融資とは?仕組みとメリットを知ろう
- なぜ事業計画書が重要なのか
- 書くべき内容をパートごとに解説
- 審査官に響くポイントとは?
- よくある失敗パターンとその対策
- FAQ:創業融資でよくある質問
1. 公庫融資とは?仕組みとメリットを知ろう
公庫の創業融資は、無担保・無保証で借りられる数少ない制度のひとつ。最大7,200万円までの借入が可能で、金利も民間金融機関に比べて低め。特に「これから起業します!」という段階でお金を借りられるのは、かなりありがたい仕組みです。
また、資金使途の自由度が高い点も魅力。例えば店舗の内装費やホームページ制作費、広告宣伝費など、起業に必要な支出に幅広く対応しています。会社員時代では想像しづらい「お金の使い方」も、起業準備中には実に多岐にわたるもの。そういった支出にしっかり対応できるのが、公庫融資の強みです。
とはいえ、誰でも簡単に借りられるわけではありません。「あなたの事業は本当に成功しそうか?」「その計画に信ぴょう性があるか?」──それを判断する材料が、まさに「事業計画書」なのです。
2. なぜ事業計画書が重要なのか
創業融資はズバリ「一発勝負」です。書類審査と面談審査、そこを突破するためには、綿密に練られた事業計画書が必要不可欠。事業計画書には以下の目的があります:
- 自分自身が事業の見通しを確認するため
- 審査官に対して信頼感を与えるため
- 利用者の本気度をアピールするため
言い換えるなら、「魂を込めて、想いと現実のバランスを取る」こと。それが事業計画書作成の真髄です。
実際、これまでに多くの起業家を支援してきた中で感じるのは、「この人なら融資が通る」と思える計画書には共通点があるということ。それは、熱意と現実性、数字的根拠、そして“準備の深さ”がきちんと盛り込まれているという点です。
3. 書くべき内容をパートごとに解説
① 事業の概要
- どんなサービス・商品を提供するのか
- 誰に向けて提供するのか(ターゲット)
- どんな課題を解決するのか
② 自己紹介・経験・強み
- 起業分野に関連する職歴やスキル
- 自分の「棚卸し」を行い、事業との関連性を明記
③ 市場調査・競合分析
- 顧客ニーズの確認
- ライバルとの差別化ポイント
④ 売上・利益計画
- 売上見込み、原価、人件費、家賃など
- 3か月単位で数字に落とし込む
⑤ 資金使途・自己資金の内訳
- 何にいくら使うのか(設備資金・運転資金)
- 自己資金はいくらか、出所の証明はあるか
⑥ 今後の展望・リスク管理
- 数年後の目標や、万が一の備え
4. 審査官に響くポイントとは?
◎ポイント1:経験と準備の厚み
審査官は「この人は本当にやれるのか?」という視点で見ています。経験の棚卸しと、起業分野との関連性を明確にしましょう。
◎ポイント2:数字の根拠
利益が出るかどうか、返済できるかどうか。シビアに見られるのはここです。根拠なき希望的観測はNG!
◎ポイント3:自己資金の正当性
親からもらったお金でもOKですが、「出所」を証明できることが条件。通帳の入出金履歴は必須です。
5. よくある失敗パターンとその対策
失敗例 | 対策 |
---|---|
経験不足を隠す | 素直に認めた上で、協力者の存在や学習中であることを記載 |
売上見込みが現実離れしている | 同業他社の事例や公的データを根拠に |
自己資金の出所が曖昧 | コツコツ貯金してきた経緯を通帳などで証明 |
6. FAQ:創業融資でよくある質問
Q. 起業分野の経験がまったくないのですが、融資は無理ですか? A. 不可能ではありません。ただし、関連性のある知識・資格・ネットワークを示し、学ぶ姿勢をアピールしましょう。
Q. 売上計画が不安です。どのように作れば? A. 市場調査と試算に基づく「数字の裏付け」が肝心です。専門家に相談するのもアリです。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。