
整骨院の設備更新・内装リニューアル資金|融資×リースの組み合わせ方
整骨院の設備更新・内装リニューアル資金は融資・リース・自己資金をどう組み合わせるか
開業から数年が経ち、治療機器の老朽化や患者数の増加による内装のリニューアルを検討し始めた整骨院・接骨院は少なくありません。開業時とは違い、既に事業実績があるからこそ「融資だけで賄うべきか」「リースを併用すべきか」「自己資金をどこまで投じるべきか」という組み合わせの判断が悩みどころになります。
この記事では、開業数年目で設備更新・内装リニューアルを検討している整骨院の院長を想定し、融資・リース・自己資金という3つの資金調達手段を比較し、組み合わせ方の考え方を整理します。なお金利・制度は変わりやすいため、本記事は執筆時点(2026年7月)の情報にもとづく一般的な整理です。実際の申請にあたっては必ず最新の公式情報をご確認ください。
開業数年目の整骨院で資金需要が発生しやすい場面
開業当初に導入した電気治療器や牽引装置は、数年使うと性能面で見劣りしたり、故障リスクが高まったりします。また、患者数が増えて待合スペースが手狭になった、複数施術ができるよう部屋を増やしたいといったニーズから、内装のリニューアルを検討するケースも多く見られます。開業時の設備投資に比べて金額の規模はさまざまですが、まとまった資金が必要になる点は共通しています。
資金調達手段を比較する:融資・リース・自己資金
設備更新・内装リニューアルの資金調達では、主に次の3つの選択肢を組み合わせて検討することになります。
- 融資(日本政策金融公庫など):まとまった資金を一括で調達でき、設備の所有権を得られる。審査には事業計画・返済計画の説得力が求められる。
- リース:初期費用を抑えて最新の機器を導入できる。月々の支払いは経費処理しやすい一方、 ownership権は無く、中途解約がしづらい。
- 自己資金:借入・リース料が発生しないが、手元資金が薄くなり、急な支出への備えが弱くなるリスクがある。
「どれか1つを選ぶ」のではなく、投資する設備の性質や金額規模に応じて、この3つをどう組み合わせるかを考えるのが実務的です。
融資を使う場合の金利の考え方(開業数年目のケース)
日本政策金融公庫の融資制度は、創業期(税務申告を2期終えていない事業者)向けの優遇だけでなく、既に事業実績がある事業者向けの融資制度も用意されています。2026年6月1日現在、無担保で税務申告を2期以上完了している事業者向けの基準利率は年3.50〜5.20%程度とされています(担保を設定できる場合はより低い利率区分が使える可能性があります)。開業数年目で税務申告を重ねている整骨院は、この「2期以上完了」の区分で審査されるのが基本になる点は、開業前の創業融資とは異なる前提として押さえておきたいポイントです。
金利区分は税務申告状況・担保有無・利用する融資制度によって細かく分かれており、実際に適用される利率は個別審査で決まります。「必ずこの金利になる」と断定はできないため、申請時には最新の公式情報と、金融機関・専門家への確認をおすすめします。
リースのメリット・デメリットを整理する
治療機器のリースは、初期費用を抑えながら最新機種を導入できる点が最大の利点です。月々のリース料は経費として処理しやすく、資金繰りの見通しも立てやすくなります。
一方で、リースには「連帯保証人が必要になる」「機器の所有権が持てない」「契約期間中の中途解約が難しい」「故障時の修理負担が借主側になる契約が多い」といったデメリットもあります。長期間使い続ける前提の主力機器であれば購入・融資、入れ替えサイクルが早い周辺機器であればリース、といった使い分けを検討する院長も少なくありません。
融資・リース・自己資金の組み合わせ方の考え方
実務では、次のような考え方で組み合わせを検討することが多く見られます。
- 内装工事など大きな設備投資は融資でまとめて調達し、手元の自己資金は運転資金として温存する
- 入れ替えサイクルの早い機器はリースを活用し、まとまった融資枠を他の投資に回す
- 自己資金は「頭金」として一部投じることで、融資審査における返済計画の説得力を高める
どの配分が適切かは、投資規模・手元資金・今後の売上見込みによって変わります。資金使途を整理する際は、事業に必要な支出であることが前提になる点にも注意が必要です。たとえば人件費や役員報酬は運転資金の対象になりますが、院長個人の生活費は運転資金の対象にはなりません。
まとめ:投資対象の性質で使い分ける
開業数年目の整骨院が設備更新・内装リニューアルの資金を検討するときは、融資・リース・自己資金のどれか1つに絞るのではなく、投資対象の性質(長期使用の主力機器か、入れ替えサイクルの早い周辺機器か)や手元資金の状況に応じて組み合わせることが現実的です。開業前の創業融資とは適用される金利区分が異なる点も踏まえ、判断に迷ったときは、融資と資金調達の両方に詳しい専門家へ早めに相談することをおすすめします。
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融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























