
銀行支店長の選択とは?実話から見る地域金融の本質と起業支援
先日、とある地方銀行の支店長とお話しさせていただく機会がありました。
そこでの何気ない質問とその答えに、私は深く心を打たれました。
その会話をご紹介しながら、地域金融の役割と、起業家にとっての銀行の在り方について考察していきます。
目次
- 銀行支店長への質問内容
- 常識的な選択肢:多くの人はAさんを選ぶ
- 支店長の答え:迷わずBさんを選ぶ理由
- 熱い思いに胸が熱くなった瞬間
- 合理化が進む中での熱意ある判断
- 金融マンの熱意が起業を後押しする
- よくある質問(FAQ)
銀行支店長への質問内容
私はこんな質問を支店長に投げかけました。
次の二人のうちどちらか一人にしか貸すことができないとします。どちらに貸しますか?
Aさん
- 経営者として実績あり
- 会社は黒字の優良企業
- 会社・個人ともに資産がある
- 金融資産も潤沢
Bさん
- これから起業する方
- 経営者としての実績はない
- 会社員時代に頑張った実績あり
- 個人資産は少ない/住宅なし
常識的な選択肢:多くの人はAさんを選ぶ
このような質問をすると、ほとんどの方はAさんを選びます。
金融機関出身の方も含め、私自身も「当然Aさん」と思いました。なぜなら、実績・信用・担保・安定性がそろっているからです。
支店長の答え:迷わずBさんを選ぶ理由
しかし、支店長は迷わずBさんを選びました。
驚いて理由を尋ねると、彼はこう答えました。
Aさんは金融機関に対して強気な交渉ができる。
自行がメインバンクでなければ、金利競争が激しく旨味がない。一方で、Bさんは新規取引だし、地元で起業する人を応援したい。
地域金融の役割を果たすべく、Bさんに貸したい。
この言葉に、私は「銀行にもこんな熱い人がいるんだ」と心が震えました。
熱い思いに胸が熱くなった瞬間
銀行の中にも、単なる数字や合理性ではなく、人や地域の未来を見て動いている人がいる。
それを実感した瞬間でした。
融資は単なるお金のやり取りではなく、「信頼」と「将来への投資」でもあるのです。
合理化が進む中での熱意ある判断
最近は、地方銀行の統合・再編・支店統廃合が進み、合理性や効率重視の流れが加速しています。
その中で、支店長のような考えを持つ金融マンに出会えたことは、日本の金融の未来にも希望があると感じさせてくれました。
金融マンの熱意が起業を後押しする
こうした金融マンが各地に増えていけば、創業に踏み出す人も安心してチャレンジできる社会になります。
合理性と熱意のバランスが取れた金融の姿勢が、地域経済の活性化と日本の起業文化の発展につながっていくことでしょう。
よくある質問(FAQ)
- Q. 実績がない創業者でも融資は受けられますか?
- A. はい。事業計画や起業動機、地元貢献の意思が評価されることもあります。
- Q. 地方銀行は創業者に積極的ですか?
- A. 地域密着型の地方銀行ほど、創業支援に前向きなケースが多いです。
- Q. 銀行と良い関係を築くにはどうすればいいですか?
- A. 定期的な情報共有・事業の透明性・信頼構築が大切です。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
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