
ドローンの導入費用は補助金で賄える?ものづくり補助金で機体を導入する条件と申請手順
農業の農薬散布、建設現場の測量や点検、測量業の三次元データ取得など、ドローンの活用シーンは年々広がっています。一方で、業務用ドローンや関連ソフト・解析機器までそろえると、初期投資は決して小さくありません。「この費用を補助金で抑えられないか」と考える中小企業・個人事業主の方は多いはずです。
この記事では、ドローン導入に使える代表的な補助金である「ものづくり補助金」や「省力化補助金」を中心に、農業・建設業・測量業がどんな条件なら対象になるのか、対象になりにくいケース、申請の進め方までを、起業直後の事業者にもわかりやすく整理します。
ドローンの導入に補助金は使えるのか
結論から言うと、ドローンは「単に買うだけ」では補助金の対象になりにくく、生産性向上や新しいサービスにつながる設備投資の一部として位置づけられるかどうかがポイントになります。補助金は原則として「事業の付加価値や生産性を高めるための投資」を支援する制度だからです。
たとえば、農業で人手に頼っていた農薬散布をドローンで自動化し、作業時間と人件費を大幅に削減する。建設業で足場を組んでいた高所点検をドローンに置き換え、安全性と工期を改善する。こうした「導入によって何がどれだけ良くなるか」を数字で説明できる計画であれば、補助金の対象として検討しやすくなります。
代表的な選択肢は「ものづくり補助金」
中小企業の設備投資を支援する代表的な制度が、いわゆる「ものづくり補助金」です。革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資などを支援する制度で、ドローンのような業務用機器も、事業計画の中で生産性向上の手段として明確に位置づけられれば対象になり得ます。
なお、2026年度は補助金制度の再編が進んでおり、ものづくり補助金は新事業への進出を支援する枠組みと一体的に整理される動きがあります。名称・申請枠・補助上限・補助率・賃上げ要件などは年度ごとに変わるため、申請前に必ず最新の公募要領で確認してください。本記事では制度の考え方を中心に解説します。
業種別:ドローンが補助対象になりやすいケース
農業
農薬・肥料散布ドローン、ほ場のセンシング(生育状況の可視化)に使うドローンなどが代表例です。「散布作業の時間を○割削減」「適正な施肥でコストと収量を改善」といった生産性向上の効果を計画に落とし込めると、設備投資として説明しやすくなります。
建設業
測量、出来形管理、高所・狭所の点検、土量計算などにドローンを活用するケースです。i-Constructionの流れもあり、従来は人手と足場が必要だった作業を効率化・安全化する投資として位置づけやすい分野です。解析ソフトや三次元データ処理の体制とセットで計画すると、効果が伝わりやすくなります。
測量業
写真測量・レーザー測量用のドローン、点群データを処理するソフト・PCなどが対象になり得ます。ただし汎用パソコンそのものは対象外とされることが多いため、「測量業務のどの工程を、どの機器で、どれだけ効率化するか」を具体的に示すことが重要です。
対象になりにくい・注意が必要なケース
- 趣味・撮影用の汎用ドローン:業務との関連や生産性向上の根拠が弱いと対象外になりやすいです。
- 単なる買い替え・台数追加だけ:「新しい取り組み」「生産性の向上」が説明できないと採択されにくくなります。
- 汎用パソコン・タブレット単体:原則として補助対象外とされるケースが一般的です。
- 申請前に発注・購入したもの:補助金は交付決定後の発注が原則で、フライングは対象外になります。
また、ドローンの飛行には航空法に基づく登録・許可申請が必要な場合があります。補助金の採否とは別に、運用面の法令確認も忘れないようにしましょう。
申請の進め方(大まかな流れ)
- 事業計画の整理:ドローン導入で「何を・どれだけ改善するか」を数字で具体化します。
- 公募要領の確認:対象経費・補助率・上限額・賃上げ要件・締切を最新版でチェックします。
- 必要書類の準備:事業計画書、見積書、決算書などをそろえます。
- 電子申請:多くの補助金はGビズIDを使った電子申請です。早めにID取得を進めておきます。
- 交付決定後に発注:採択・交付決定を受けてから発注・購入し、実績報告を行います。
補助金は「申請して終わり」ではなく、採択後の発注・実績報告・精算まで一連の手続きがあります。事業計画書の説得力が採否を大きく左右するため、専門家のサポートを受けながら進めると安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. ドローン本体だけでも申請できますか?
A. 機体単体の購入だけでは「生産性向上の取り組み」として弱く、対象になりにくいのが実情です。導入によって作業がどう変わるかを計画に盛り込むことが大切です。
Q. IT導入補助金は使えますか?
A. ドローン本体のようなハード(機械装置)は、ソフトウェア導入を支援する制度の主旨とは性質が異なります。設備投資としては、ものづくり補助金など設備導入を支援する制度を中心に検討するのが基本です。
Q. 中古のドローンは対象ですか?
A. 制度や年度によって中古品の扱いは異なります。対象とならない場合や条件が付く場合があるため、公募要領で必ず確認してください。
まとめ
ドローンは、農業・建設業・測量業のいずれでも「革新的なサービスの展開に向けた設備投資」や「生産性向上のための設備投資」として計画に位置づけられれば、ものづくり補助金や省力化補助金などの対象として検討できます。ポイントは、機体を買うこと自体ではなく、導入によって業務がどれだけ効率化・高度化するかを数字で示すことです。制度内容は年度ごとに変わるため、最新の公募要領を確認したうえで、事業計画の作り込みに力を入れましょう。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























