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コラム

動物病院のリハビリ機器に使える補助金は、人手が増える投資かどうかで変わります

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動物病院のリハビリ機器に使える補助金は、人手が増える投資かどうかで変わります

動物病院のリハビリ機器と補助金|3制度を投資の向きで選び分ける

水中トレッドミルやレーザー治療器といったリハビリ機器の見積を取ったあと、どの補助金に申し込めばよいのか決めきれずに止まる院長は珍しくありません。制度の一覧を眺めても、動物病院が対象になるかは書かれておらず、リハビリ機器という言葉も出てこないためです。

この記事では、機器の種類から制度を探すやり方をいったん置いて、その投資が院内の人手を減らす方向なのか、増える方向なのかという軸で3つの制度を並べ直します。リハビリは獣医師と動物看護師が付き添う診療なので、「人手が減る投資」の顔をしていません。ここを取り違えたまま計画書を書き始めると、制度の要件と自院の実態が最後まで噛み合わなくなります。なお制度の内容は2026年度(令和8年度)の公募情報にもとづきます。

リハビリ機器の制度選びが難しい理由

中小企業向けの設備投資の補助金は、大きく2つの系統に分かれます。人手不足を機械で埋める「省力化」系と、新しい製品やサービスを世に出す「新規性」系です。動物病院で語られる制度は、どちらかに属しています。

リハビリ機器がやっかいなのは、この2系統のあいだで宙に浮きやすいところにあります。水中トレッドミルを1台入れても、動物看護師が水位を合わせて動物の様子を見ながら伴走するため、かかる人時間はむしろ増えます。一方で、リハビリ自体は獣医療のなかで珍しい診療ではなくなってきました。省力化とも言い切れず、真新しさも主張しにくい領域です。だからこそ、投資の向きを自分で決めてから制度を選ぶ順番が効いてきます。

比較の軸を「機器の種類」から「投資の向き」に置き換える

人手を減らす方向なら:中小企業省力化投資補助金(一般型)

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、現場の人手不足や工程のムダを減らすための設備・システム導入を支援する制度です。補助上限は1億円で、3〜5年の事業計画のなかで労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が求められます。設備投資が必須で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れる必要があります。

ここで見落とされやすいのが、対象になるのは「オーダーメイド性のある設備」だという条件です。省力化に資する汎用設備を複数組み合わせてより高い省力化効果を生む場合、あるいは導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合であれば、汎用設備でもオーダーメイド設備とみなされます。裏を返すと、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外です。単価50万円以上という要件を満たしていても、それだけでは足りません。リハビリ機器を1台だけ買う計画は、この段階で土俵から外れます。

加えて、この制度は「既存事業の省力化・生産性向上」が主題で、賃上げ目標が要件です。未達の場合は達成率に応じて返還が発生しうる設計なので、人が張り付く診療を増やす投資を省力化の物語に乗せると、計画期間中ずっとその約束を背負うことになります。

新しい診療メニューを立ち上げるなら:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠は、自社の技術力等を活かして顧客等に新たな価値を提供する新たな製品・新サービスを開発する取組が対象です。補助下限は100万円、補助上限は従業員規模別に1〜5人750万円、6〜20人1,000万円、21〜50人1,500万円、51人以上2,500万円(大幅賃上げ特例適用時は各850万円、1,250万円、2,500万円、3,500万円)。補助率は中小企業者2分の1、小規模企業・小規模事業者は3分の2です。機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上が対象になります。

リハビリ外来という診療メニューを新しく立てるなら、こちらのほうが筋の通った説明になります。ただし「新製品・新サービスの開発」を伴わない単なる導入は対象外で、同業で既に相当程度普及している新製品・新サービス開発も対象外と定められています。周辺の動物病院がすでに同じリハビリを標榜している地域では、この2行が効いてきます。また、既存製品・サービスの生産等プロセス改善は本枠では対象外です。

基本要件は、付加価値額を年平均4.0%以上、一人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上伸ばし、事業場内最低賃金を地域別最低賃金プラス30円以上の水準にすることです。第1回公募は2026年6月29日から締切2026年9月30日18時、採択発表は2026年12月頃。交付決定前の発注・契約・購入は対象外なので、発注時期は制度側のスケジュールに合わせて決めます。

数十万円規模にとどまるなら:小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓とそれにセットで行う業務効率化を支援する制度です。補助率3分の2、補助上限は基本50万円で、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円がそれぞれ上乗せされ、両特例を満たす場合は最大250万円になります。対象となるのは商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)なら常時使用する従業員5人以下といった小規模事業者で、会社役員や個人事業主本人はカウントしません。

この制度で獣医師が気にするのが、対象外になりやすい形態の列挙です。公募要領には医師・歯科医師・助産師、および医療法人が挙げられていますが、獣医師・獣医療法人はこの列挙には登場しません。人の医療機関向けに書かれた「保険診療は対象外」という解説をそのまま自院に当てはめると、使える制度を自分で外してしまうことがあります。ただし公募回ごとに要領は改定されるため、申請前に商工会・商工会議所の窓口で確認してください。

なお販路開拓が主題の制度なので、機械装置等費だけを積むのではなく、リハビリ外来を飼い主に知らせる取組と組み合わせた計画になります。事業支援計画書(様式4)の発行を商工会・商工会議所に依頼する必要があり、受付締切以降の発行依頼はいかなる理由でも受け付けられません。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

制度を選ぶ前に自院で決めておく3つのこと

ここまでの3制度は、どれが優れているという関係ではなく、入口の条件が違うだけです。見積書を持って相談に行く前に、次の3点を自院で決めておくと話が進みます。

  1. リハビリを「新しい診療メニュー」として立てるのか、既存診療の延長に置くのか。前者なら革新的新製品・サービス枠、後者で人手が減る構成が組めるなら省力化投資補助金(一般型)が入口になります。
  2. 機器を何台、どういう構成で入れるのか。1台単体か、複数機器と院内の動線・記録の仕組みまで含めた構成かで、乗れる制度が変わります。補助下限100万円という線もここで効いてきます。
  3. 発注をいつ行うのか。交付決定前の契約・発注は対象外です。メーカーの納期と公募スケジュールのどちらを先に動かすかを決めておきます。
三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

紹介記事で目立つ3,500万円という数字は、従業員規模が最大で、なおかつ大幅賃上げ特例まで満たしたときの値です。従業員5人以下の動物病院であれば、革新的新製品・サービス枠で見るべき行は750万円のほうで、そこに補助率がかかります。制度の表は上の行から読まず、自院の人数の行から読むと、投資額との距離が最初に分かります。

よくある質問

Q. デジタル化・AI導入補助金でリハビリ機器は買えますか

A. デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)はソフトウェアやクラウドを中心とした制度で、診療機器そのものは対象になりにくい位置づけです。予約や記録の仕組みをリハビリ外来に合わせて整える部分であれば検討の余地がありますが、機器本体とは分けて考えたほうが計画は組みやすくなります。

Q. カタログ注文型のほうが手軽だと聞きました

A. 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、あらかじめカタログに登録された製品カテゴリから選ぶ設計です。リハビリ機器が該当カテゴリに載っているかどうかで可否が決まるため、まずカタログ側を確認してから、載っていなければ一般型や革新的新製品・サービス枠で組み直す流れになります。

まとめ

リハビリ機器の補助金は、機器の名前で検索しても答えが出にくい領域です。人手が減る構成に組み直せるなら中小企業省力化投資補助金(一般型)、新しい診療メニューとして立てるなら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠、数十万円規模で販路開拓と一体にするなら小規模事業者持続化補助金と、投資の向きで入口が分かれます。

どの入口に立てるかは、自院の従業員数、機器の構成、近隣病院がリハビリを標榜しているかによって変わります。判断に迷う場合は、見積書と自院の体制を手元に置いて専門家にご相談ください。ここで挙げた要件・金額・スケジュールは2026年度の公募情報にもとづくもので、公募回ごとに改定されるため、申請前に最新の公募要領で確認してください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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