
雇用調整助成金の特例措置が変更になりました【最新情報まとめ】
雇用調整助成金の特例措置について、厚生労働省から変更の詳細が発表されました。
今回は、変更点のみをまとめた「別紙1」の内容を踏まえつつ、助成金額の上限変更と申請前に必ず押さえたい注意点を、実務目線でわかりやすくお伝えします。
先日、雇用調整助成金の特例措置について詳細が発表になりました。ズバリ言いますと、今回のポイントは、「助成金額の上限が変更になった」という点です。
9月までの金額感を前提に資金繰りを考えていた経営者の方は、少し面食らう可能性もありますので、ぜひこのタイミングで一度見直しをしておきたいところです。
別紙1が公表|今回の変更概要
厚生労働省からは、「変更点のみを整理した別紙1」が公表されています。
すべての資料を読み込まずとも、今回の改正部分だけを効率よく把握できるようになっているのが特徴です。
とはいえ、下部には細かな注意点や実務上の取扱いが記載されています。
「ざっくり上限だけ見て、あとはなんとなくで申請…」となると、不支給や減額のリスクもありますので、必ず最後まで目を通しておきましょう。
今回の大きな変更点|助成金額の上限改定
今回の発表内容の中で、もっともインパクトが大きいのが、助成金額の上限が変更になったという点です。
これは、
「雇用保険の基本手当の日額上限との均衡を考慮して見直された」
とされています。
そのため、従来(とくに9月まで)の上限額を前提に資金計画を立てていた事業者にとっては、数字が変わってきます。
「思っていたよりも助成額が下がってしまった…」という事態にならないよう、早めに上限額の再確認をし、資金繰り表を修正しておくことをおすすめします。
申請前に必ず確認したい注意点
別紙1の下部には、申請実務に直結する細かな注意事項が記載されています。
助成率・対象休業などの条件整理
例えば、次のようなポイントは、要件を外すと一気に不支給・減額のリスクがあります。
- 助成率の適用条件
- 対象となる休業・休業手当の取扱い
- シフト制・短時間勤務者などの扱い
- 必要書類の範囲・提出方法
これらは見落とされがちですが、「あとから修正」では間に合わないケースもあります。
特に、初めて雇用調整助成金を申請する事業者の方は、事前に専門家に一度チェックしてもらうことを強くおすすめします。
9月までの前提で計算していた場合の見直し
すでに9月までの上限額を前提として、年間の資金繰り計画・事業計画を組んでいる場合は、次の点を改めて確認しましょう。
- 助成金収入見込みの再試算
- 必要に応じた追加融資・他の助成金・補助金の検討
- 人件費・固定費の見直し(削るべきところと守るべきところの整理)
雇用調整助成金はあくまでも「雇用維持をする事業者を支援するための制度」です。
制度に過度に依存しすぎず、自社のビジネスモデルや売上回復のシナリオとセットで考えていくことが重要です。
FAQ|よくある質問
Q1. 今回の上限額変更はいつから適用されますか?
A. 公表された別紙1に記載された適用日以降の申請分から適用されます。
制度は改定されることも多いため、具体的な日付や経過措置については、最新の厚生労働省の資料をご確認いただくか、専門家に確認されることをおすすめします。
Q2. 以前の上限額を前提に資金繰りを組んでしまっています…。どうすればいいですか?
A. まずは、新しい上限額を前提に助成金収入の見込みを再試算しましょう。
そのうえで、必要に応じて、追加融資・他の助成金・補助金の活用・固定費の見直しなどを組み合わせて、資金繰りの再構築を行うことが大切です。
Q3. 雇用調整助成金の申請は、必ず社会保険労務士に依頼しないといけませんか?
A. 自社で申請することも可能ですが、要件解釈や書類不備があると時間と労力がかかるのも事実です。
特に初めての申請、従業員数が多い会社、休業の形が複雑な会社は、社会保険労務士など専門家に相談・依頼するメリットが大きいといえるでしょう。
Q4. 雇用調整助成金以外にも、人件費や設備投資に使える制度はありますか?
A. はい、あります。
経済産業省系の補助金(ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金など)や、厚生労働省系の人材関連助成金など、状況により使える制度はさまざまです。
自社の事業内容・規模・今後の投資計画によって最適な制度が変わりますので、トータルで組み合わせて考えることが重要です。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























