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コラム

施工管理システムにIT導入補助金は使える?

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施工管理システムはIT導入補助金の対象になる?建設業が申請前に知るべき条件と落とし穴

「施工管理システムを入れたいが、補助金は使えるのか」と考える建設業の経営者は多いはずです。結論から言うと、施工管理システムはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象になり得ます。ただし、どのツールでも無条件に対象になるわけではなく、選び方や申請の仕方を間違えると「対象外」と判定されてしまうケースが少なくありません。本記事では、対象になる条件・対象外になりやすい落とし穴・他の補助金との使い分けを、中小の工務店・建設会社向けに整理します。

施工管理システムはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象になる

デジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたITツール(ソフト・クラウド等)の導入を支援する制度です。工程管理・原価管理・図面管理・会計連携といった建設現場の業務効率化を目的とするソフトウェアは、この補助金の対象範囲に含まれます。枠は目的や規模に応じて次の3つに分かれています。

  • 通常枠:補助上限450万円
  • インボイス枠:補助上限350万円
  • 複数者連携デジタル化・AI導入枠:補助上限3,000万円

対象経費は、ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)に加え、導入時の設定・研修・マニュアル作成・保守サポートなどの導入関連費も含まれます。補助率は中小企業で原則1/2、小規模事業者などでは条件により引き上げられる場合がありますが、枠・要件によって変わるため、申請時点の公募要領で必ず確認してください。

対象になるための3つの条件

施工管理システムを補助金対象にするには、次の3条件を満たす必要があります。

  • 登録IT導入支援事業者を通して申請すること:デジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたIT導入支援事業者(ベンダー等)の支援を受けて申請する仕組みです。ベンダーを介さない自己申請はできません。
  • 導入するツールが事務局に登録されていること:対象になるのは登録済みのITツールのみです。自社で開発した独自システムや、登録前のベータ版ツールは対象外になります。
  • 導入目的が「生産性向上(業務効率化・DX)」に結びついていること:単なる情報整理ではなく、業務プロセスの改善につながる説明が必要です。

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対象外になりやすい失敗パターン(申請前にチェック)

「施工管理システムだから当然対象になる」と思い込んで進めると、審査段階でつまずくことがあります。よくある失敗パターンを挙げます。

  • 自社開発・スクラッチ系システムを充てようとする:社内エンジニアや外部委託で独自に作ったシステムは、事務局登録ツールでない限り対象外です。既製の登録ツールへの乗り換えを前提に検討しましょう。
  • ハードウェア中心の投資なのにIT導入枠で申請しようとする:ICT建機・測量機器・現場カメラなど、設備そのものへの投資が主目的の場合は、IT導入補助金ではなく中小企業省力化投資補助金(一般型)の方が筋が通ることがあります。「ツール導入による業務改善」か「設備投近による省力化」かで、そもそも申請すべき制度が変わる点に注意してください。
  • 賃上げ計画の表明を見落とす:通常枠のうち補助額が大きい区分では、賃上げ計画の策定・表明が実質的な前提になっています。申請直前に気づいて慌てるケースが多いポイントです。
  • 単独導入のつもりが複数者連携要件のツールを選んでしまう:商店街や協力会社と共同で使う前提のツールは、複数者連携デジタル化・AI導入枠の対象になり、単独導入とは申請要件・上限額のレンジが異なります。

施工管理システム以外に建設業が使える補助金との比較

建設業の場合、施工管理システムのようなソフトウェア投資と、重機・測量機器などの設備投資を同時に検討することが多く、どちらの補助金を使うべきか迷いやすいテーマです。

  • デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金):施工管理システム・原価管理システム・会計ソフトなど、ソフトウェア導入が主目的の場合に適する。補助上限450万円(通常枠)〜3,000万円(複数者連携枠)。
  • 中小企業省力化投資補助金(一般型):ICT建機・測量機器・現場の省力化設備など、ハードウェア投資が主目的の場合に適する。補助上限1億円。

施工管理システムの導入と合わせて現場設備も刷新したい場合、両方を組み合わせて検討する余地がありますが、1つの投資を2つの補助金に重複して申請することはできません。投資の主目的がソフトかハードかで、まず制度を切り分けることが申請の第一歩です。

申請の流れとスケジュール感

デジタル化・AI導入補助金は、IT導入支援事業者と二人三脚で進める点が他の補助金と異なります。おおまかな流れは次の通りです。

  • IT導入支援事業者を選定し、導入したい施工管理システムを相談する
  • 事業者と共同で交付申請(GビズIDなどの事前準備が必要)
  • 交付決定後にツールを契約・導入(交付決定前の契約は原則対象外)
  • 導入後に実績報告を行い、補助金が交付される

補助金は原則として後払いのため、システム導入費用を一旦自社で立て替える資金繰りの見通しを持っておくことが重要です。

よくある質問

Q. 個人事業主(一人親方)でも申請できますか

A. 中小企業・小規模事業者であれば法人・個人事業主を問わず対象になり得ます。ただし資本金・従業員数などの規模要件があるため、公募要領で自社が対象範囲に入るか確認してください。

Q. 自社サーバーで動かしている手作りの管理表は対象になりますか

A. 事務局に登録されたITツールではないため、原則として対象外です。登録済みの施工管理システムへの乗り換えを検討する必要があります。

Q. 施工管理システムと会計ソフトを同時に導入する場合、申請は分けるべきですか

A. 同一の申請の中で複数ツールをまとめて導入することも可能です。IT導入支援事業者に相談しながら、業務プロセス全体を見て申請内容を組み立てるとよいでしょう。

まとめ

施工管理システムは、登録済みのITツールを登録IT導入支援事業者経由で導入する限り、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象になります。一方で、自社開発システムやハードウェア中心の投資は対象外になりやすく、賃上げ計画の見落としや連携要件の誤認も申請時のつまずきどころです。ソフトかハードか、単独導入か複数者連携かを整理したうえで、自社に合う制度を選ぶことが、施工管理システム導入をスムーズに進める近道です。なお、本記事の金額・要件は執筆時点の情報です。実際の申請時は必ず最新の公募要領を確認してください。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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