
「季節資金」とは?賞与・法人税など季節変動に備える資金繰りの実務知識
今回は季節資金についてです。
まずはおさらいを
(2019.6.29投稿のコラムをご参照)
季節資金 = 季節変動に合わせて必要になる資金です。納税資金や賞与資金など。
年間を通して事業を進めていると、季節による出費はつきものです。
代表的な季節資金の必要タイミング
- 夏季と冬季の売上(支出)の差が激しい
- 決算後の法人税の納付が大きい
- 夏季と冬季の従業員賞与の出費が大きい
理想と現実の資金繰り
毎月の安定した売り上げ、安定した固定費、その他の支出(税金など)も均等に分割であれば、資金繰りは理想的です。
しかし、現実としては上記のように「ラクな月」と「苦しい月」が存在します。
季節資金借入の役割
そのような、季節による安定した「不安定」を平均化するために季節資金として借入を起こすのです。
季節というからには1季節(3ヶ月)~2季節(6ヶ月)での返済が前提となります。
具体的な借入と返済のイメージ
------------------------------------------------------------------------ 夏のボーナスのために6月に借りて、11月に完済。 ↓ ↑ 今度は、冬のボーナスのために12月に借りて、5月に完済。 ------------------------------------------------------------------------
これを繰り返すイメージです。
こうすることで、一括で支払う必要のある「従業員ボーナス」を、事実上分割にしているのです。
このような方法で理想的な資金繰りに近づけることができます。
法人税などにも応用可能
決算後の法人税の支払いも同じようなスキームで借りることができます。
但し、消費税や源泉所得税などの「一時的に預かっているだけ」という性格のものは借りることは出来ないので、注意しましょう。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。