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コラム

創業後の資金調達の難しさ

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創業後の資金調達はなぜ難しい?創業3〜6ヶ月で直面する3つの壁と対策

今回は、【創業後の資金調達の難しさ】について詳しく解説します。実際、弊社にご相談いただく案件の中でも3番目に多いテーマがこの「創業後の融資問題」です。

創業してから3〜6ヶ月が経過すると、当初の自己資金や創業資金が底をつき、運転資金が不足してくるケースが多発します。このタイミングで「そろそろ融資を受けよう」と思って銀行に相談しても、思ったように融資が通らないことが多いのが現実です。

なぜなら、金融機関は「創業時」と「創業後」で見るポイントが全く異なるからです。創業前や直後の融資は「将来性」や「事業計画の妥当性」を重視しますが、数ヶ月経過すると「実績」と「数字」を見られるようになります。そのため、思うように結果が出ていないと、融資が難しくなるのです。

では、創業後の資金調達がなぜこれほど難しいのか?今回は、その原因を3つの壁として整理し、具体的な対策を含めて詳しくご紹介します。

① 足元の売上を見られてしまう

創業後3〜6ヶ月で資金調達を検討する経営者の多くは、「売上が想定より上がっていない」「資金が足りなくなってきた」という状況に直面しています。実際、弊社へのご相談のうち約7割はこのようなケースです。

創業直後は、自己資金やオープン資金、親族からの支援でスタートする方が多く、最初は何とかやり繰りできます。しかし、事業を継続していくうちに次第に次のような現実が見えてきます:

  • 想定していたほどの売上が立たない
  • 固定費(家賃・人件費など)が重くのしかかる
  • 広告費・仕入れ・在庫などで支出が膨らむ
  • キャッシュフローが悪化し、運転資金が不足してくる

このような状態で「融資を受けて立て直したい」と銀行に相談しても、金融機関が注目するのは「直近の売上と利益」です。創業から半年も経てば、計画ではなく実際の業績で評価されます。

つまり、現時点での数字が弱ければ、融資判断は厳しくなるということです。銀行は「今の状態で本当に返済できるのか?」「融資しても業績は改善するのか?」という点をシビアに見ています。

ここで重要なのは、ただ「お金が欲しい」と言うのではなく、「融資を受けたことでどのように売上を改善するか」を明確に示すことです。

具体的には次のような説明ができるよう準備しましょう:

  • 広告投資で月○件の問い合わせが増え、売上が○万円増加する見込み
  • 新しい設備を導入して生産効率が○%改善し、原価が○%削減される
  • 新しい販路を開拓するための費用であり、既に取引先候補がある

このように、融資後の資金使途と売上への影響を数字で説明できれば、銀行の信頼を得やすくなります。

② 資金計画を疑われてしまう

創業から半年以内に資金ショートを起こすということは、創業時の資金計画が甘かったと見られてしまうのが銀行の見方です。

銀行担当者は、次のような疑問を持ちます:

  • なぜ当初の資金計画どおりにいかなかったのか?
  • 支出の管理や予算の設定に問題はなかったか?
  • 今回融資しても、またすぐ資金が足りなくなるのではないか?

こうした疑念を払拭するためには、まず現状の資金繰りの可視化が不可欠です。資金繰り表を用意し、毎月どれくらいの収入・支出があるのか、どこに問題があるのかを正確に示しましょう。

さらに、資金ショートの原因を客観的に分析し、再発防止策を提示することが重要です。例えば:

  • 仕入れサイクルと入金サイクルのズレを改善する
  • 販管費を見直し、不要な経費を削減する
  • キャッシュフロー重視の経営体制を構築する

また、融資後の資金使途についても明確に説明できるようにします。「今回の資金は○○費用として使用し、これにより○○の改善を図る」といった具体的なプランがなければ、信頼を得ることはできません。

創業後の融資審査では、「数字に基づいた計画」と「経営者の資金管理能力」が問われます。金融機関は、計画倒れを防ぐために経営者の姿勢を重視します。数字をしっかり把握し、改善行動を取っている姿勢を示すことが融資成功のカギです。

③ 事業計画書が現実離れしてしまう

創業後に融資を申し込む際、事業計画書は必須ですが、このタイミングの計画書は「都合の良い数字」になりがちです。

よくあるのが、「広告費がなかったから売上が上がらなかった。融資を受ければ必ず売上が上がる」という主張です。しかし、これは金融機関から見ると根拠が弱く、説得力に欠けます。

融資審査では、「これまでの行動」と「現状の実績」が重視されます。つまり、資金がなかった中でもどのような工夫をしてきたのか、どんな成果を出してきたのかがポイントになります。

事業計画書では以下の点を明確にしましょう:

  • これまで実施してきた取り組み(SNS集客、口コミ活用、コスト削減など)
  • 現状の売上や客数の推移とその改善傾向
  • 今回の融資によってどのように事業が成長するのかの具体策

また、売上アップの要因を「資金注入」だけに頼らず、経営者自身の努力・改善策を盛り込むことが大切です。

金融機関は、「資金が足りない」ではなく「資金をどう活かすのか」を見ています。現実的で再現性の高い計画こそが、融資審査に通るカギとなります。

まとめ:創業後の融資はハードルが高い。だからこそ「創業時の準備」が重要

以上のように、創業から3〜6ヶ月後の資金調達には、次の3つの壁が立ちはだかります:

  1. 足元の売上・利益の実績がシビアに見られる
  2. 資金計画の妥当性や管理体制を疑われる
  3. 事業計画書が現実離れしていないかを精査される

これらの壁を突破するためには、現状の数字を正確に把握し、根拠ある改善計画を立てることが欠かせません。

しかし、最も効果的な方法は、「創業時点で余裕を持った融資を受けておく」ことです。創業直後に資金を確保しておけば、運転資金や販促費に柔軟に対応でき、立ち上がり期の不安を軽減できます。

「資金が尽きてから借りる」のではなく、「余裕のあるうちに備える」。これが賢い資金調達の基本です。

専門家のサポートで、創業時から戦略的な資金計画を

弊社では、起業家・経営者の皆さまを支援するため、数多くの金融機関と連携しています。銀行の選び方から融資申請の戦略立案、事業計画書の作成、面談対策まで、ワンストップでサポート可能です。

また、V-Spiritsグループには、税理士・社労士・司法書士など各分野の専門家が在籍しており、創業・経理・労務・法務・補助金申請など、経営に必要なサポートを包括的に提供します。

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弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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