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コラム

【設備資金の使い方】融資前に必ず確認すべき見積書と支払いのルール

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設備資金の融資申請で失敗しないために|見積書と支払時期の注意点

目次

運転資金と設備資金の違いとは?

まずは基本的な知識として、運転資金と設備資金の違いを整理しておきましょう。

運転資金とは、仕入れ、人件費、家賃、広告費など、日々の経営を回すために必要な流動的な支出をカバーする資金です。

一方、設備資金は、長期的な資産に対する支出(店舗の内装・機械設備・車両など)に使うお金であり、金額が大きく、融資審査でも使途の明確化が強く求められます。

この設備資金は「あとで何か買いたくなったら使う」というものではありません。あくまでも“事前に購入設備が決まっており、見積書などで客観的に確認できる状態”でなければ融資は通りません。

設備資金に必要な「見積書」の意味と役割

設備資金の申込み時に必要不可欠なのが、見積書の添付です。

なぜ見積書が必要なのか?

設備資金は「目的型融資」のため、融資実行前に購入予定の内容と金額が明確になっている必要があります。

たとえば、

  • 厨房機器の導入(見積額 350万円)
  • POSレジと決済端末一式(見積額 80万円)
  • 内装工事一式(見積額 420万円)

といった具合に、導入予定の機器やサービスが「いつ・どこから・いくらで導入されるか」を、第三者(=販売業者等)が発行した書面で確認できることが条件です。

この見積書がなければ、金融機関も信用保証協会も「本当に設備投資するのか?」「資金を他に流用されないか?」という判断ができず、融資を進めることができません。

支払いタイミングの重要性とルール

設備資金融資でよくあるトラブルが、支払いのタイミングを誤ってしまうことです。

原則:融資実行日以降に支払いを行う

基本ルールとしては、融資金が口座に入金された当日、もしくはその後に支払うことが原則です。先に自己資金で支払ってしまうと、「すでに購入済=融資対象外」と判断されることもあります。

資金流用の懸念を防ぐため

このルールは、特に民間金融機関+信用保証協会の制度融資で厳格に運用されています。

なぜなら、融資資金の使途が本当に設備投資に使われたかどうかを確実にするためであり、これが守られないと保証協会の補償対象外になることもあるためです。

加えて、支払い後には、振込明細書(通帳コピー)、領収書、納品書などの証拠資料の提出が求められることもあります。

金融機関ごとの違い|信用保証協会・公庫の対応

1. 信用保証協会付き融資(民間金融機関)

支払いは原則当日。遅くとも翌営業日までに対象設備への支払いを済ませる必要があります。

2. 日本政策金融公庫(政府系金融機関)

少し柔軟で、1~2週間以内の支払いが目安。自己資金で一部先払いすることも可能ですが、事前に相談が必要です。

いずれの場合も、口頭で「支払いました」では済まされません。必ず証憑(エビデンス)を保管しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 設備資金をもらってから機器を探しても良いですか?

A. 原則NGです。見積書で導入予定の機器が明確になっていないと申請できません。

Q. 先に設備費を支払ってもあとで融資を受けられますか?

A. 基本的に認められません。事前支払い=対象外と判断されるケースがあります。

Q. 分割払いで設備を購入する場合も対象になりますか?

A. 支払いスケジュールや所有権移転条件によって異なるため、事前に金融機関に相談しましょう。

Q. 見積書の有効期限はありますか?

A. 通常1〜3ヶ月以内の発行日が望ましいです。古すぎる見積書は再提出を求められることがあります。

Q. 領収書が発行されない場合は?

A. 銀行の振込控えや仕入先の請求書+納品書などをセットで提出できれば代替可能なケースもあります。

まとめ|準備と実行を一体で考える

設備資金の融資は、金額が大きく、融資側のチェックも厳しくなりがちです。そのため、事前準備(見積書・設備選定)→融資申請→実行→支払→証拠提出という流れをしっかり把握しておくことが重要です。

見積書がないまま申請する、融資決定前に自己資金で購入する、支払い後に書類を紛失する……こうしたミスがあると、融資対象外になる恐れもあります。

「設備資金は計画的に」—これが鉄則です。金融機関や専門家としっかり相談しながら、設備投資を着実に進めていきましょう。

 

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago 元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役 同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。 支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。 日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。 長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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