銀行からお金を借りれない人の共通点とは？起業前に備えるべき資金調達力
こんにちは！起業コンサルタント（R）・税理士・行政書士・FPの中野裕哲です。今回も起業実務に即したお話をお届けします。
起業を考えている方の多くが、「銀行からお金を借りたい」と思うことでしょう。ところが、現実には“借りられない人”も少なくありません。
ズバリ言います。銀行融資が通らない人には、いくつかの「共通する特徴」があります。そして、それらは改善できます！
この記事では、起業を1年後に控える会社員のあなたが、「銀行に断られない人」になるために必要な準備や考え方を、やさしく丁寧に解説していきます。
1. なぜ銀行はお金を貸してくれないのか？
銀行の仕事は「お金を貸すこと」ですが、それ以上に大切なのは「確実に返してもらうこと」。そのため、銀行はリスク回避を最優先に考えます。
つまり、銀行にとってあなたが「安全に返済してくれる人かどうか」が最大の判断基準になるのです。
2. 銀行からお金を借りれない人の5つの特徴
（1）自己資金が少なすぎる
全くのゼロ、あるいは必要資金の1割未満というケースは、まずNG。最低でも3割以上の自己資金を求められることが多いです。
（2）収支計画が甘すぎる
「何となく儲かるはず」という曖昧な計画では通りません。数字に裏付けされた現実的な計画が求められます。
（3）過去に信用トラブルがある
クレジットカードの支払い遅延、携帯代の滞納などもチェック対象。信用情報は事前に自分で確認しましょう。
（4）目的が不明確、資金使途があいまい
「とりあえず借りておきたい」「多めに借りたい」はNGワード。資金の使い道が明確であることが大前提です。
（5）返済能力を説明できない
「どうやって返すのか？」に対する明確な答えがなければ、どんなに良いアイデアでも融資は難しいのです。
3. 銀行融資を受けるための5つのステップ
ステップ1：信用情報をチェックする
CICやJICCで自分の信用情報を確認。異常があれば事前に対処しておきましょう。
ステップ2：自己資金を貯める
半年〜1年で100万円以上を目安に、定期的な貯金実績を通帳に残しておきましょう。
ステップ3：現実的な事業計画書を作成する
市場調査・収支計画・資金使途を数字と根拠で語れるようにしましょう。プロのサポートを受けるのも有効です。
ステップ4：使い道を明確にする
設備資金・運転資金・人件費など、細かく明示して、銀行が安心できる資料を整えましょう。
ステップ5：メインバンクとの関係構築を始める
口座開設、取引履歴、挨拶など、少しずつ信頼関係を積み上げていくのがポイントです。
4. 銀行に断られたときの巻き返し術
- 原因を聞く（正直に教えてもらえることも）
- 改善点を明確にし、再度チャレンジ
- 日本政策金融公庫などの公的融資制度を活用
- クラウドファンディングや補助金などの代替手段を検討
よくある質問（FAQ）
Q1：起業前に銀行融資は受けられますか？ →基本的には難しいですが、事業計画や自己資金がしっかりしていれば、例外的に通る場合もあります。
Q2：銀行と信用金庫、どっちがいいですか？ →信用金庫の方が地域密着で柔軟に対応してくれることもあります。両方を比較してみましょう。
Q3：返済が不安なのですが、どうしたら？ →無理のない返済計画を作り、それを銀行に提示することが重要です。また、家計管理の見直しも大切です。
Q4：保証人がいないと借りられませんか？ →保証協会付き融資を利用すれば、第三者保証人なしでも借りられる可能性があります。
まとめ：銀行は「敵」ではなく「パートナー」
銀行からお金を借りれない理由には、必ず“改善可能な要因”があります。準備不足や情報不足でチャンスを逃すのは本当にもったいない！
銀行は「貸さないところ」ではなく、「しっかり準備した人に貸すところ」。あなたの起業が安心してスタートできるよう、今日からできることを一歩ずつ進めていきましょう。
さあ、未来の社長さん。一緒に、信頼される起業家への第一歩を踏み出しましょう！
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この記事を書いた人
中野裕哲／Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授（起業論、ゼミ等）
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援！「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル（事業計画＋融資＋補助金＋会社設立支援）＋起業後の総合サポート（経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関）など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫／Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫（旧国民金融公庫）に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
