
整骨院の創業融資で用意する必要書類一覧と準備の進め方
整骨院を開業したばかりの方、またはこれから開業する柔道整復師の方から「創業融資の申し込みに何を用意すればいいのか分からない」というご相談を多くいただきます。書類の抜け漏れは審査の遅れに直結するため、早い段階で全体像を把握しておくことが重要です。この記事では、日本政策金融公庫の創業融資を念頭に、整骨院の開業で必要になる書類を種類ごとに整理し、準備の進め方を解説します。
必要書類の全体像
創業融資の必要書類は、大きく分けて「本人確認・資格関連」「事業計画関連」「物件・設備関連」「自己資金関連」の4つに分類できます。整骨院の場合は、柔道整復師としての資格を証明する書類が加わる点が、一般的な創業融資と異なる特徴です。まずは全体像を押さえ、後述するそれぞれの書類を順番にそろえていきましょう。
本人確認・資格関連書類
- 運転免許証・マイナンバーカードなど本人確認書類
- 柔道整復師免許証
- 実務経験を証明できる書類(勤務先の在籍証明・経歴書など)
整骨院の施術管理者となるためには柔道整復師の資格が必要であり、免許証の写しは審査担当者が事業の実現可能性を確認するうえでも重要な書類です。前職での勤務年数や指名患者の状況なども、経歴書に具体的に書き添えておくと事業計画の説得力が高まります。
事業計画関連の書類
- 創業計画書(日本政策金融公庫所定の様式)
- 売上・収支の見通しが分かる資料(客単価×想定来院数の根拠メモなど)
- 開業する地域の競合状況や商圏データ
創業計画書は所定の様式に沿って作成しますが、様式の欄だけでは書ききれない売上根拠や競合分析は、別紙で補足すると審査担当者に伝わりやすくなります。整骨院は保険診療と自費施術を組み合わせるケースが多いため、それぞれの想定比率も整理しておくとよいでしょう。
物件・設備関連の書類
- 物件の不動産契約書(写し、または申込書・重要事項説明書)
- 内装工事の見積書
- 施術ベッドや電気治療器などの設備見積書
物件はまだ正式契約前でも、申込書や重要事項説明書の段階で審査を進められる場合があります。ただし、正式な契約を融資確定前に結んでしまうと、万一の際にリスクが大きくなるため、契約のタイミングは慎重に進める必要があります。設備については、複数社から見積もりを取り、金額の妥当性を示せるようにしておくと安心です。
自己資金を証明する書類
- 預金通帳の写し(自己資金の入出金履歴が分かるもの)
- 資格取得費用や開業準備費用の領収書
制度上、自己資金の額や割合について決まった要件はありませんが、審査の重要な判断材料であることに変わりはありません。面談時点で口座に確認できる状態にしておくことが基本です。開業前に自費で購入した施術機器や、取得済みの関連資格の費用などは「みなし自己資金」として一定範囲で評価されることがあるため、領収書は必ず保管しておきましょう。
提出後の流れと追加で求められやすい書類
書類一式を提出したあとは、日本政策金融公庫の担当者との面談が行われます。面談では、提出書類の内容について詳しく質問されるほか、状況に応じて追加資料(患者候補の見込みが分かる資料、既存の勤務先との関係を示す書類など)の提出を求められることがあります。申請から融資実行までは、書類提出後おおむね3週間〜1か月が目安ですが、準備段階も含めると合計で2か月程度を見ておくと安心です。
整骨院ならではの書類準備でつまずきやすい点
整骨院の開業では、施術管理者としての柔道整復師資格の証明に加えて、保健所への開設届など、行政手続きに関わる書類も別途必要になります。これらは創業融資の提出書類そのものではありませんが、開業スケジュール全体に関わるため、融資の申請準備と並行して進めておくとスムーズです。また、フランチャイズに加盟して開業する場合は、加盟契約書や本部が提供する事業モデルの資料も、事業計画の裏づけとして提出を求められることがあります。
よくある質問
Q. 物件が正式契約前でも創業融資は申し込めますか?
A. 物件の申込書や重要事項説明書など、契約に準ずる資料があれば申し込みを進められる場合があります。正式契約のタイミングは、融資の確定状況を踏まえて慎重に判断することをおすすめします。
Q. 前職の勤務先に開業の意向を知られたくない場合、経歴書はどう書けばよいですか?
A. 経歴書には在籍期間や実務内容を記載しますが、在籍証明の取得方法や連絡の要否については、申請先の窓口に個別に相談することができます。
まとめ
整骨院の創業融資では、本人確認・資格関連、事業計画関連、物件・設備関連、自己資金関連の4分野の書類を計画的にそろえることが、スムーズな審査につながります。特に柔道整復師免許証の写しや実務経験を示す資料は、整骨院ならではの必須書類です。書類の抜け漏れや準備の遅れを防ぐために、早い段階でチェックリスト化し、余裕を持ったスケジュールで進めていきましょう。(本文の金利・制度内容は2026年6月1日時点の情報です。最新の条件は日本政策金融公庫等の公式情報でご確認ください。)
【無料相談のご案内】
融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























