
日本政策金融公庫の審査に通る個人事業主とは?
〜一年後に起業するあなたに伝えたい、通る人・落ちる人の違い〜
目次
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はじめに:審査って、そんなに厳しいの?
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日本政策金融公庫が見る「審査の本質」
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個人事業主として通るための7つの審査ポイント
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公庫面談でよく聞かれる質問と対策
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審査に落ちるNG例と改善方法
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実録:審査通過の成功エピソード
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よくある質問(FAQ)
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まとめ:信用は「準備」から始まる
はじめに:審査って、そんなに厳しいの?
こんにちは、中野裕哲です!
起業・融資支援の現場で18年、3000件以上の相談を受けてきました。
さて、あなたが起業を目指す会社員なら、きっと気になるのが、
「公庫の審査って厳しいの?落ちたらどうしよう…」
って話ですよね。結論から言うと——
💡厳しくはない。でも、甘くもない。
しっかりと準備すれば、個人事業主でも普通に通るんです!
日本政策金融公庫が見る「審査の本質」
公庫の審査は、民間銀行のような「担保・保証」ではなく、人間性・計画性・実現性を重視します。
つまり、
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この人はちゃんと返してくれそうか?
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このビジネスは利益が出るのか?
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自己資金を含め、準備してきたか?
これが3本柱です。
だからこそ、「個人事業主=信用がない」は都市伝説!
むしろ、個人事業主こそ“準備力”で勝てる世界なんです。
個人事業主として通るための7つの審査ポイント
ここからは、実際の審査で見られている項目を、わかりやすく7つに整理してお伝えします。
1. 事業計画の実現性
空想ではなく、「誰に」「何を」「いくらで」「どう売るか」。
再現性のあるシナリオが求められます。
✅売上=客単価 × 客数 × 回数
この「分解」ができていれば、信頼されます。
2. 自己資金の比率と蓄積過程
「貯金が少ない=計画性がない」と思われがち。
でもね、月々コツコツ積み上げた事実が見えると強いんです。
✅目安は開業資金の20〜30%以上
3. 生活費と事業資金の分離
起業直後は収入ゼロも珍しくありません。
だからこそ、家計簿の提出や生活費の説明が大事。
✅6ヶ月程度の生活費ストックがあると安心材料に。
4. これまでの経歴・経験
前職での職種・副業実績・資格など、**「このビジネスをやる必然性」**を説明できるかがカギ。
✅実績がない場合は、学習や実務体験の有無を明記。
5. 借入状況と信用情報
スマホ分割・カードリボ・延滞履歴など、**「小さなブラック」**が影響することも。
✅CIC・JICCで信用情報の自己開示をしておこう。
6. 面談での受け答え
「計画書と本人が一致しているか」が見られます。
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熱意と整合性
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数字の根拠を自分の言葉で説明できるか
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不明点に対する柔軟な返答
7. 家族の理解・協力体制
意外と大事なのが、配偶者や親族の同意。
家族トラブルがあると、生活破綻のリスクを見られるケースも。
公庫面談でよく聞かれる質問と対策
実際の面談では、こんなことを聞かれます。
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なぜこの事業をやるのですか?
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売上の見込みはどう立てましたか?
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他の収入源や家計の状況は?
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万が一売上が立たなかったらどうしますか?
ポイントは「台本の暗記」ではなく、自分の言葉で語れること。
熱意も、数字も、準備すれば自然に伝わるんです。
審査に落ちるNG例と改善方法
よくある「落ちるパターン」を紹介します。
NG例 | 改善策 |
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自己資金がゼロ | 月1万円でも貯金実績をつける |
計画書がふわっとしてる | 売上計画を数字で説明 |
クレカ延滞歴あり | 早めに完済し、履歴回復を待つ |
開業動機が曖昧 | 社会的背景と自分の経験をセットに |
すべて「なんとかなる」思考 | 「根拠のある自信」に変える |
実録:審査通過の成功エピソード
👤30代男性/副業EC経験者/開業予定:雑貨ネットショップ
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売上ゼロでも副業での実績を数値化
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自己資金は50万円(3年間コツコツ貯金)
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家計収支と生活防衛資金も明示
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競合分析と販売戦略をExcelで図解
結果:満額300万円を一発で融資決定!
「副業の延長」というストーリーが公庫担当者に刺さりました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 個人事業主でも法人じゃなくても通りますか?
通ります!
むしろ「個人事業主」向け制度も整備されており、法人設立前の方も多数利用しています。
Q2. 面談は怖いですか?
全然怖くありません!
普通の会話形式で行われ、圧迫面接のようなものではありません。
Q3. 融資は満額出ますか?
事業計画と自己資金、そして現実的な数字があれば、満額も可能です。
ただし、「欲しい金額=妥当な金額」と思ってもらえる計画書が必要。
Q4. 家族の同意が必要ですか?
明文化されていませんが、生活の安定性という観点から、配偶者の理解があるかどうかはよく見られます。
Q5. 何ヶ月前から準備すれば良いですか?
理想は起業の1年前から貯金・計画・信用情報整理を開始。
半年以上かけて準備できると、審査通過率はぐんと上がります。
まとめ:信用は「準備」から始まる
「審査に通るか不安…」と悩むのは、誰だって同じ。
でもね、審査に通る人は、“通るための準備”をしてきた人なんです。
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自己資金は“信用の証明”
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計画書は“信頼のプレゼン”
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面談は“人柄と計画の融合”
個人事業主であることは、ハンデじゃありません。
むしろ、自由な計画が立てられる強みです。
さあ、今日からはじめましょう。
1年後に“通るあなた”でいられるように!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。