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事業承継資金【小規模企業者枠】の徹底解説|新しい経営へのバトンタッチを支援

事業承継は、単なる「引き継ぎ」ではなく、会社の未来を左右する大きな転機です。
特に小規模企業者にとっては、後継者へのスムーズなバトンタッチとともに、資金面での支援が必要不可欠です。

そこで注目されているのが、「事業承継資金(小規模企業者枠)」です。
この制度は、小規模事業者が安心して経営を引き継ぐための資金調達を支援する公的融資制度であり、実務的にも非常に使い勝手のよい制度です。

本記事では、その概要、利用要件、融資条件、注意点までを、わかりやすく・丁寧に解説します。

目次

制度の概要と目的

「事業承継資金(小規模企業者枠)」は、小規模企業者が経営を承継する際に必要となる資金を、より有利な条件で調達できるように設計された公的融資制度です。

小規模企業では、後継者が資金面で不安を抱えているケースが多く、株式の取得、設備改修、運転資金などを含めた承継全体に対する資金調達が課題となりがちです。

この制度を活用することで、金融機関・保証協会・地域支援機関の三者連携により、承継に伴う資金調達をスムーズに進めることができ、経営の継続性と発展性を高めることが可能になります。

融資対象者と条件

対象となるのは、次のような要件を満たす小規模企業者です。

  • 小規模企業者であること(従業員数など業種別基準を満たすこと)
  • 商工会議所・商工会・取扱金融機関の支援を受け、事業承継計画を策定していること
  • その承継計画に基づき、事業を譲り受けた方、またはこれから譲り受けようとする方

つまり、計画性のある承継であり、かつ地域の支援機関等と連携していることが重要です。
事前に「事業承継計画」を専門家とともに策定しておくことで、融資審査時にもスムーズに対応できます。

融資限度額・期間・利率

融資限度額:最大2,000万円

この制度では、2,000万円までの融資が可能です。
ただし、すでに信用保証協会の保証がついている債務がある場合には、その既保証債務の残高と合算で2,000万円以内に収める必要があります(根保証の場合は融資枠合計)。

資金用途としては、株式取得資金、債務引継ぎ、運転資金、設備投資資金などに充てることができ、柔軟な運用が可能です。

融資期間:最長10年(据置1年)

返済期間は10年と比較的長めに設定されており、承継直後の資金繰りが不安な時期でも安心です。
また、据置期間として1年間を設定でき、その期間中は元金返済が不要となり、利息のみの支払いでOKです。

融資利率:固定金利1.575% または金融機関所定

  • 固定金利:1.575%(安定志向の方におすすめ)
  • 変動型:金融機関所定の金利(市況に応じた柔軟な運用が可能)

固定金利を選択すれば、返済計画が立てやすくなり、事業計画との整合性も取りやすくなります。

保証料と注意事項

保証料率:0.23〜1.59%

この制度を利用する場合、保証協会の保証を受ける必要があります。
その際に発生する保証料は、年0.23%〜1.59%の範囲で設定されており、信用状況や取扱内容に応じて異なります。

※保証料は借入金額と返済期間に応じて一括前払い、または分割支払いとなります。

注意点

  • 融資額は既保証債務と合算して2,000万円まで
  • 借換目的での利用はできません(新規の承継に限る)
  • 必ず事業承継計画が必要であり、自己策定では不可

つまり、「承継する意思がある」だけでは不十分で、第三者(商工会や支援機関)と連携し、計画性のある承継であることが求められます。

よくある質問(FAQ)

Q. 小規模企業の定義は?

A. 一般に「製造業・建設業」で従業員20人以下、「商業・サービス業」で5人以下の企業が該当します。詳細は業種によって異なるため、支援機関へ確認を。

Q. 事業承継計画はどうやって作るの?

A. 商工会・商工会議所、または認定支援機関(税理士・行政書士等)のサポートを受けて作成します。無料で相談可能な場合もあるので、まずは最寄りの支援窓口へ。

Q. 設備資金にも使えますか?

A. はい。株式取得や債務引継ぎに限らず、承継後の業務に必要な設備やシステム投資にも利用できます。

Q. すでに融資を受けているが、追加で申し込める?

A. 既保証債務がある場合でも、合計で2,000万円以内であれば申請可能です。ただし、借換は対象外なので注意。

Q. 保証料が高くなることは?

A. 信用状況や条件によって料率が上下します。一般的には支援機関の関与や担保提供などで低減できるケースもあります。

まとめ|小規模企業でも安心して承継できる資金制度

「事業承継資金【小規模企業者枠】」は、後継者不足や資金難といった悩みを抱える小規模企業にとって、非常に心強い制度です。

承継は一世一代の大きな決断ですが、こうした制度を活用することで、次世代へのスムーズな橋渡しが可能となります。
まずは、事業承継計画を立てるところから始めてみませんか?専門家との連携が、承継成功の第一歩です。

 

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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