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ビジネスローンと創業融資はどちらが先?専門家が正しい順番を解説

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ビジネスローンと創業融資はどちらが先か【専門家が解説】

起業直後、手元の資金が想定より早く減ってきた。そんな状況で「すぐに借りられる」という言葉に引かれて、ビジネスローンを検討する方がいます。確かに、ビジネスローンは審査が早く、最短即日で資金を調達できる場合もあります。しかし、創業直後の段階でビジネスローンを先に使うと、後々思わぬ影響が出てしまうことがあります。

この記事では、ビジネスローンと創業融資(日本政策金融公庫等)の違いを整理し、どちらを先に利用すべきか、また緊急の資金需要にはどう対処するかについて、実務的な観点から解説します。

ビジネスローンとは

ビジネスローンとは、民間の金融機関(主に消費者金融系・信販系の会社)が提供する事業者向けのローン商品です。銀行のビジネスローンもありますが、ここでは主に即日〜数日での融資が可能な、いわゆるノンバンク系のビジネスローンを指します。

ビジネスローンの特徴は、審査のスピードにあります。通常の銀行融資や日本政策金融公庫の融資が1〜2ヶ月程度かかるのに対し、ビジネスローンは最短即日〜数日で資金を受け取れるケースがあります。また、書類の提出も比較的少なく、オンラインで申し込みが完結することも多いです。

法人・個人事業主ともに申し込め、事業の実績がなくても融資を受けられる場合があります。これが、資金に困った創業者の目を引く理由のひとつです。

創業融資とは

創業融資とは、主に日本政策金融公庫が提供する、起業時の資金調達を目的とした融資制度のことです。政府系金融機関が提供するため、民間記入機関では対応できないような場合でも積極的に取り組むのが大きな特徴です。

無担保・無保証人での借り入れが原則として可能であり、事業の実績がなくても事業計画書と自己資金をもとに審査が行われます。融資限度額は最大7,200万円程度(制度による)で、固定金利は年2〜3%台が目安です。

ただし、申し込みから融資実行まで1〜2ヶ月程度の時間がかかります。書類の準備と面談が必要であり、事業計画書の作り込みが審査結果に影響します。「今すぐ資金が必要」という状況には、時間的に対応が難しい点が課題です。

ビジネスローンのメリット・デメリット

メリット

  • ビジネスローンの最大のメリットはスピードです。審査が早く、最短即日で資金を受け取れる場合があります。急な支払いや、予期しない出費への対応として機能する面はあります。
  • また、書類が少なく申し込みが簡便なため、忙しい経営者でも手続きを進めやすいという点も挙げられます。

デメリット

  • ビジネスローンの最大のデメリットは金利の高さです。年利10〜18%程度になることも珍しくなく、日本政策金融公庫の創業融資(年2〜3%台)と比べると大幅に高水準です。借入額が大きくなると、利息の負担だけで資金繰りを圧迫することがあります。
  • また、借入限度額は数百万円程度にとどまるケースが多く、大きな資金需要には対応しきれないこともあります。
  • さらに、見落とされがちなのが信用情報への影響です。ビジネスローンの利用は信用情報機関に記録されます。この点については次の章で詳しく説明します。

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創業融資を先に申請すべき理由

結論として、創業融資(日本政策金融公庫)を先に申し込むことを強くおすすめします。理由は三つあります。

  • 金利が大幅に低い
  • 借入額が大きい
  • 信用の蓄積になる

日本政策金融公庫の創業融資の金利は年2〜3%台程度が目安です。一方、ビジネスローンは年10〜18%前後になることもあります。仮に500万円を借り入れた場合、金利が年3%なら年間の利息は約15万円ですが、年15%なら約75万円にもなります。創業期の資金繰りが厳しい時期に、この差は経営に直接影響します。

日本政策金融公庫では、条件によっては数百万〜数千万円規模の融資が可能です。ビジネスローンの多くは数百万円程度が上限のため、創業資金として必要な金額をカバーしきれないことがあります。

日本政策金融公庫での返済実績は、その後の金融機関との取引において「信頼の証」として評価されます。政府系金融機関での取引実績があることは、民間の銀行や信用金庫が融資を検討する際のプラス材料になります。

ビジネスローンを先に使うと何が起きるか

ビジネスローンを先に利用すると、信用情報機関にその借入情報が登録されます。日本政策金融公庫や銀行は、融資審査の際に信用情報を参照します。

問題になるのは、すでに高金利のビジネスローンを抱えている状態で創業融資を申し込んだ場合です。「高利率の借金がある状態で申し込んでいる」ことは、審査担当者から見ると「資金繰りがすでに苦しいのでは」というシグナルに受け取られることがあります。

また、ビジネスローンの返済が月々発生している状態では、新たな融資の返済も加わると月々の支出が膨らみます。審査担当者は返済能力を厳しく見るため、既存の借入額が多いほど不利になる傾向があります。

ビジネスローンを先に使った場合でも、創業融資の審査が通らないとは限りません。しかし、選択肢を狭める可能性があることは知っておくべきです。

緊急資金が必要な場合の対処法

「創業融資の審査に1〜2ヶ月かかるのはわかった。でも今すぐ資金が必要な場合はどうすればいいのか」という疑問は当然です。いくつかの対処法を紹介します。

  • 日本政策金融公庫への申し込みを急ぐ
  • 制度融資(自治体の融資制度)を並行して検討する
  • 家族・知人からの借り入れ
  • クレジットカードの活用

書類の準備を素早く整え、できる限り早く申し込みを開始することが第一歩です。面談の予約も早めに入れ、必要書類を一度で揃えることで、審査期間を短縮できる場合があります。

都道府県や市区町村が提供する制度融資では、日本政策金融公庫より審査期間が長くなる場合もありますが、自治体によっては比較的迅速に対応できるものもあります。

金融機関からの借り入れではなく、家族や知人から一時的に資金を借りることも選択肢のひとつです。ただし、後のトラブルを防ぐために、借用書を作成し、利息や返済期限を明確にしておくことが大切です。

事業用クレジットカードを利用して支払いを一時的に先送りにする方法もあります。ただし、翌月の引き落としに備えた資金計画を立てておく必要があります。

まとめ

ビジネスローンと創業融資の使い分けについて、重要なポイントをまとめます。

  • 創業融資(日本政策金融公庫)を先に申し込む:低金利、大きな借入額、信用実績の蓄積という三つのメリットがある。
  • ビジネスローンを先に使うリスク:高金利による資金繰りの圧迫、信用情報への影響、その後の審査が不利になる可能性。
  • 緊急時の対処法:日本政策金融公庫の申し込みを急ぐ、制度融資を併用する、家族・知人からの一時的な借り入れを検討する。

「急いで資金を調達したい」という気持ちは理解できます。しかし、短期的な解決策が長期的な資金調達の選択肢を狭めることがあります。焦らずに、まず日本政策金融公庫への申し込み準備を進めることが、創業期の資金調達において最も賢明な判断です。不安な点は、早い段階で専門家に相談することをおすすめします。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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