
いまさら聞けない「CEO」ってなに?──企業の“舵取り”を担う最高責任者についてわかりやすく解説
最近ニュースや書籍で「CEO(シーイーオー)」という言葉をよく見かけます。でも、「社長との違いは?」「具体的に何をしているのか?」といった疑問を抱える方も多いものです。特に起業や会社設立を検討している方にとって、経営の中心に立つ役割を理解することはとても重要です。ここでは、CEOが何をする存在なのか、どんな資質が必要なのか、そして自分がいつその立場を担うべきか──を、わかりやすく整理しました。
① CEOの正式名称と意味
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CEO=Chief Executive Officer
文字通り「最高経営責任者」のこと。 -
役割は「企業全体の経営判断を行い、未来を設計し、実行を促す」こと。
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一般的な日本企業でいう“社長”と同じ立場で、経営トップとして対外的な顔も務めます。
② CEOに期待される主な役割と仕事
A. ビジョン・戦略の策定
「自社はどこへ向かうか」を定め、その実現のための道筋を描くのがCEOの責任。長期的な視点と事業全体の方向性が求められます。
B. 経営判断と意思決定
大きな予算配分、人材採用や組織体制の変更、新市場参入など、会社の運命を左右する意思決定を担う存在です。
C. 組織の舵取り・文化づくり
社員や関係者と信頼を築き、企業文化や働き方の価値観をつくる人でもあります。コミュニケーション力や信頼構築が不可欠です。
D. 対外的な顔・交渉役
投資家・取引先・メディアなどと交渉し、企業の顔として関係性を育てる存在です。説明力・説得力が重要となります。
③ CEOと社長・COO・CFOとの違い
役職 | 主な役割 |
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CEO | 企業の経営全体に責任を持ち、ビジョンを掲げて実行する最高責任者 |
社長 | 日本企業ではCEOと社長が兼務されるケースが多いですが、社長は業務執行の責任者 |
COO | Chief Operating Officer:日々の事業や業務運営を統括する責任者 |
CFO | Chief Financial Officer:財務・経理・資金調達の責任者 |
スタートアップや実務慣習によっては、これらを兼任している場合もありますが、組織成熟とともに役割を分化していくのが一般的です。
④ 起業家がCEOを担うときの課題
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ビジョンと実務の両立の難しさ
考える力と現場を回す力の両方が必要になり、優先順位の見極めが難しくなります。 -
外部との調整力が求められる
投資家・顧客・メディア・行政など、多様な関係者との関係調整力が問われます。 -
精神的な孤独と重責
責任者としての孤独感やプレッシャーは大きく、メンタルマネジメントの力も必要です。
⑤ CEOに向いている資質と鍛え方
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長期視点と共感的リーダーシップ
自らの言葉で使命を語り、社員に共感されながら実行へと導く力。 -
環境変化への柔軟な判断力
トレンド変化や外部環境の変化に応じ、戦略を再構築できる思考。 -
対話力と交渉力
ステークホルダーと自社の立場を調整し、納得を得られる力。 -
セルフマネジメント
自らの体調・気力を整えながら責任ある立場を果たす力も見逃せません。
⑥ CEOになる前に準備しておくとよいこと
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経営計画・組織運営を学ぶ
スタートアップ向けアクセラレーター、起業セミナーで全体戦略を学ぶ。 -
ビジネス経験と業務経験を積む
営業・商品企画・資金調達など、しっかり現場を知ることが意思決定の精度を高めます。 -
メンターや仲間を持つ
CEO経験者・経営者と対話できる伴走者を作っておくと、孤独な意思決定の際も支えになります。 -
セルフリーダーシップを磨く
スケジュール管理・自分の感情や体力のメンテナンスも、CEOとしての資質の一部と心得ることが重要です。
■まとめ:CEOは「船長として企業を港へ導く存在」
CEOとは、会社のビジョンを描き、組織全体を動かし、対外的に舵取りを担う最高責任者です。起業家がこの立場を担うとき、期待されるのは「どこへ進むのか」を語る力、そして「どう進むのか」を実現できる意思決定力です。重責である一方、事業を自分で舵取りしていくことの醍醐味と自己成長を伴う役割でもあります。
「CEOとしての最初の一歩をどう進めばいいか」「自分の強みを経営に活かすにはどう考えればいいか」など、ご興味があればぜひお気軽にご相談ください。あなたの未来を描くお手伝いを、心を込めて支援いたします。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。