
定期預金解約後の残高増加は見せ金と疑われる?創業融資の注意点
定期預金の解約で残高が急に増えた場合、創業融資で見せ金と疑われるか
💬 開業を急ぐ会社員の方からのご相談
開業を急ぐことになり、申込みの1か月前に定期預金を解約して普通預金にまとめました。急に残高が増えたように見えますが、これは「見せ金」だと疑われてしまうのでしょうか?

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
監修者の元日本政策金融公庫の支店長の多胡からの回答
結論からお伝えすると、定期預金を解約して普通預金にまとめたという経緯であれば、それ自体で見せ金と疑われるものではありません。見せ金として警戒されるのは、お金の出どころの説明がつかない入金です。今回のケースは、もともとご自身が保有していた定期預金が原資であり、出どころがはっきりしています。
「見せ金」とは何を指すのか
見せ金というのは、審査の場面だけ自己資金が多く見えるように、他人から一時的にお金を借りて口座に入れ、面談が終われば返してしまうような資金を指します。この場合、申込者自身が継続して保有していたお金ではないため、実質的な自己資金とは言えません。今回のご相談のように、もともと自分名義の定期預金として保有していたお金を、同じ自分の口座の中で移動させただけであれば、見せ金とは性質が異なります。
残高の増え方より「説明できるかどうか」
通帳だけを見ると、普通預金の残高が急に増えたように映ります。ここで大切なのは、残高の動きそのものより、その動きに説明がつくかどうかです。定期預金を解約して普通預金にまとめたのであれば、解約の事実を示す資料をそろえておくことで、残高の増加に明確な理由がつきます。急に貯めたお金ではなく、もともと保有していた資産を形を変えて移しただけだと分かれば、審査する側としても特別に身構える動きではありません。
説明できる資料をそろえておく
定期預金の解約時に発行される解約計算書や、解約前の定期預金の通帳・証書があれば、それらを面談に持参できるよう準備しておいてください。解約日と、普通預金への入金日が近いことも、お金の流れの裏づけになります。資料をそろえておけば、面談でその経緯を聞かれても、落ち着いて説明できます。
開業を急ぐ事情も含めて説明する
開業を急いでいる事情があるのであれば、そのこと自体も含めて、担当者に率直に伝えてください。なぜこのタイミングで定期預金を解約したのか、その背景まで説明できれば、単に「残高が急に増えた」という表面的な見え方だけで判断されることはありません。
同じ考え方が当てはまる他のケース
定期預金の解約だけでなく、保険の解約返戻金を受け取った場合や、他の金融機関の口座から資金を移した場合なども、考え方は同じです。急にまとまった金額が入金されていても、その原資がもともと自分名義の資産であり、資料でそれを示せるのであれば、見せ金のように扱われることはありません。逆に、原資を示す資料が無いまま「昔から貯めていたお金です」とだけ説明しても、裏づけが無ければ納得してもらいにくくなります。
面談ではどう伝えればよいか
面談では、聞かれてから答えるのではなく、「定期預金を解約し、開業資金として普通預金にまとめました」と、ご自身から経緯を先に伝えるとスムーズです。あわせて解約を示す資料を提示できれば、担当者側も残高の動きを短時間で理解でき、余計な確認のやり取りを減らすことにもつながります。
まとめ
定期預金を解約して普通預金にまとめた資金は、出どころがはっきりしている以上、見せ金として扱われるものではありません。ただし、通帳の残高だけを見ればお金の経緯は伝わらないため、解約を示す資料をそろえておくこと、開業を急ぐ事情も含めて説明できるようにしておくことが大切です。急いでいること自体を隠す必要はなく、むしろ事情を先に共有したほうが、話がスムーズに進みます。
資料の整え方や説明の仕方に不安がある場合は、申込み前の書類チェックとして、専門家に一度確認してもらうと安心です。ご自身では「このくらいの資料で足りるだろうか」と判断しにくい部分もあるため、第三者の目で見てもらうことで、面談当日に慌てる事態を避けやすくなります。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

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多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


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中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。
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