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コラム

中小企業の味方!協調融資で実現する安定経営とは?

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協調融資とは?起業準備中のあなたに贈る、資金調達の賢い選択肢

こんにちは、起業アドバイザーの中野裕哲です。

「起業資金をどうやって調達すればいいのか…」
「金融機関との付き合い方がよくわからない…」

そんな悩みを持つ方、いらっしゃいませんか?

ズバリ言います。もしあなたが、まとまった創業資金を必要としているなら、選択肢の一つとして「協調融資」を知っておいて損はありません。今回は、創業期の会社員が知っておきたい「協調融資」について、わかりやすく・実務的に解説していきます。


そもそも「協調融資」とは?

協調融資とは、複数の金融機関が連携して、1つの企業に対して融資を行うことをいいます。

簡単にいえば、「一つの銀行では融資額が足りない」「リスクを分散したい」といった理由で、2行以上の銀行や信用金庫などがタッグを組んで、お金を貸してくれる仕組みです。

たとえば、こんなイメージです:

  • あなたが必要としている創業資金が3,000万円

  • メインバンクが「2,000万円までは出せるけど、それ以上は厳しい」

  • そこで、別の金融機関が1,000万円を協調して融資

こうすることで、金融機関側のリスクも分散され、あなたも希望額の資金を調達できるという、まさに「Win-Win」の関係が築けるわけです。


なぜ今、協調融資が注目されているのか?

実は、協調融資は大企業だけのものではありません。近年では、中小企業や創業まもない事業者にも広がりを見せています。

理由は主に以下のとおりです。

  • 創業融資のニーズが多様化している

  • 公庫(日本政策金融公庫)単独では難しいケースがある

  • 金融機関同士の連携が進んでいる(中小企業庁の推奨もあり)

特に、日本政策金融公庫+民間金融機関(銀行、信用金庫など)の組み合わせが注目されています。これにより、自己資金が少ない方でも柔軟に資金調達が可能となります。


協調融資のメリット

1. 融資額を柔軟に調整できる

単独の金融機関では限度がある融資も、複数行の連携で希望額に近づけます。

2. 金利条件が緩和されるケースも

メインバンクの信用力を活かし、金利交渉がしやすくなることも。

3. 資金調達の選択肢が広がる

将来の追加融資や事業拡大の際に、複数行との関係が有利に働くことがあります。


協調融資のデメリット・注意点

ただし、メリットばかりではありません。注意点もありますので、事前に知っておきましょう。

1. 手間と時間がかかる

複数の金融機関に説明・審査を受けるため、通常より調整が必要です。

2. 事業計画書の完成度が求められる

各行に納得してもらうため、より詳細で実現可能性の高い事業計画書が必要になります。

3. コミュニケーションが複雑に

どの金融機関が主幹事(リーダー)になるのか、情報共有の方法などにも配慮が必要です。


どんな人が協調融資に向いている?

協調融資は、以下のような方におすすめです:

  • 起業時に1,500万円以上の資金を必要としている方

  • 日本政策金融公庫だけでは資金が足りない方

  • 複数の金融機関と信頼関係を築いていきたい方

  • 高度な設備投資や人件費が想定されているビジネスモデルの方


協調融資を成功させる3つのコツ

ズバリ言います。成功のカギはこの3つです。

1. 「主幹事金融機関」を決めておく

協調融資では、誰がリーダーになるかが重要です。メインバンクや公庫がリーダーとなり、他の金融機関との調整役を担います。

2. 事業計画書は「ビジュアル」で見せる

数字の根拠、将来の見通し、競合との差別化。これらをグラフや図解で示すことで、説得力が一気に増します。

3. 自己資金のアピールも忘れずに

自己資金が少ない方でも、「貯金がんばりました」「副業で積み立てています」といった姿勢は必ず伝えましょう。融資担当者の心に響きます。


協調融資はどこに相談すればいい?

まずはメインで付き合いたい金融機関(地方銀行、信用金庫など)に相談を持ちかけましょう。その際に「日本政策金融公庫との協調融資を考えている」と伝えると、スムーズに連携が進みます。

また、各地の「よろず支援拠点」や「中小企業支援センター」などの公的機関でも協調融資についてアドバイスが受けられます。


よくある質問(FAQ)

Q1:公庫と銀行の両方から借りるのは難しいですか?

A:難しくありません。公庫は創業者向けの支援機関として、銀行との連携にも前向きです。むしろ連携実績がある金融機関の方が話がスムーズに進むことが多いです。

Q2:協調融資では保証人が必要ですか?

A:ケースバイケースですが、公庫では保証人不要の制度もあります。銀行側の方針次第では、担保・保証人が必要になることもあるため、事前に確認しましょう。

Q3:審査にはどれくらい時間がかかりますか?

A:通常の融資よりもやや時間がかかる傾向があります。目安として、1〜2カ月程度を見ておくと安心です。

Q4:協調融資で断られることもありますか?

A:もちろんあります。だからこそ、事業計画書の作成、自己資金の準備、プレゼン力の強化が重要です。私もよく「書類より人柄がモノを言う」とお話ししています。


まとめ:協調融資は“信頼”でつなぐ資金調達法

協調融資は、一言でいえば「金融機関との信頼関係によって成り立つ」資金調達の方法です。

起業という大きな挑戦の中で、一人では乗り越えられない壁も、協力してくれる存在があれば前に進めます。協調融資はその象徴的な仕組みの一つです。

起業まであと1年。今からできることは山ほどあります。自己資金の準備、事業計画書の作成、金融機関との接点づくり…。一歩一歩進めていけば、協調融資という選択肢も現実のものになりますよ。

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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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