
経営者が資金繰りを担うべき理由
目次
はじめに
資金繰りの状況は毎日変化します。売上を上げるために従業員は日々奔走していますが、資金繰りにまで手が回ることは現実的ではありません。したがって、資金繰りは専任者を置くか、経営者自身が責任をもって行う必要があります。
本記事では、経営者自身が資金繰りを担うべき理由について解説します。
資金繰りの基本と重要性
資金繰りとは、文字通り「資金をやり繰りすること」です。会社の目的は利益を上げることですが、同時に資金を切らさないように管理することも非常に重要です。
売上や利益は社員全体で目指すものですが、資金繰りは経営者にしか担えません。つまり、資金繰りができなければ経営者として失格とも言えるのです。
たとえ利益が出ていても資金繰りが破綻すれば会社は倒産します。逆に、赤字でも資金繰りがうまくいっていれば、会社は存続できます。会社の継続可否は、資金繰りにかかっているのです。
資金繰りを怠った失敗事例
ある企業では、経営者が資金繰りに全く関与せず、従業員任せで経営を続けていました。業績が右肩上がりのときは問題が表面化しませんでしたが、業績が下降し始めても資金繰りに目を向けず、ついには赤字へ転落。現預金残高も月商1か月分にまで減少していました。
経営者は慌てて銀行に融資を依頼しましたが、業績悪化の理由を説明できず、資金繰りも把握していない状態では簡単に融資は受けられません。結果として、事業規模の縮小を余儀なくされました。
最大の問題は、経営者が資金繰りを把握しておらず、自社の経営状況を正しく認識できていなかったことです。
安定経営のために資金繰りの把握を
売上や利益は数値として分かりやすい一方、資金繰りは仕組みが複雑で、見落とされがちです。しかし、資金繰りを日常的に把握しておくことこそが、経営の安定につながります。
経営者自身が資金繰りを正確に把握し、計画的に対応することで、突発的な資金ショートや信用不安を未然に防ぐことができます。
資金繰りの可視化と継続的な管理は、企業経営の基盤となる重要な要素です。