起業準備で必須！確定申告書控えの保存・提出・活用完全ガイド
こんにちは。起業コンサルタント（R）、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナーの中野裕哲です。
起業準備中の会社員の皆さん、こんな悩みはありませんか？
「確定申告書控えってそもそも何？必要なの？」 「会社員だけど、これって関係あるの？」
ズバリ言います。起業準備中だからこそ、「確定申告書控え」は大切な存在になるのです。
今回は、起業準備中の会社員が確定申告書控えをどのように理解し、保管し、活用すべきかを徹底的に解説してまいります。
確定申告書控えとは何か？
まず基本から確認しましょう。
「確定申告書控え」とは、税務署に提出した確定申告書のコピーに収受印（受付印）を押されたもののことをいいます。
この「収受印付き控え」が、金融機関や自治体、補助金申請など、さまざまな場面で「証明書類」として求められます。
起業時には「自己資金の証明」「過去の所得証明」「納税実績の証明」などの目的で、頻繁に使われます。
特に日本政策金融公庫の創業融資の審査時には、確定申告書控えの提出が必須書類となるケースが多いのです。
実際の現場では、「控えを出せないことで融資が遅れる」「補助金申請が間に合わない」といった事例もあり、軽視できない存在です。
なぜ会社員でも関係あるのか？
「自分は今、会社員だから関係ない」と思った方、実はそれは危険です！
副業をしていたり、退職して起業する準備をしている方にとっては、この控えが今後の資金調達や信用の源になるからです。
また、いざ独立しようとしたとき、前年分の確定申告書がないと、様々な証明ができず、手続きに支障が出ることもあります。
たとえば、退職直後に融資を申し込もうとしても、会社員時代の所得を証明できなければ、収入の裏付けが取れず、審査に時間がかかってしまいます。
今は副業していなくても、来年は副業を始めるかもしれません。そうなれば、確定申告書控えの重要性は一気に高まります。
どうやって手に入れる？保管方法は？
確定申告書控えを入手するには？
- 紙で提出した場合： 提出時にコピーを取っておき、「控えに受付印をお願いします」と税務署窓口で依頼します。
- e-Taxで提出した場合： 「送信票兼受信通知」と「申告書控え（PDF）」をプリントアウト。これが控えになります。
※重要なのは、「収受印付き」または「受付済み電子ファイル」のどちらかがあることです。
保管方法のポイント
- 原本はクリアファイル等で大切に保管
- PDFデータはクラウドやUSBにもバックアップ
- 補助金や融資申請時に備えて、すぐ出せる体制にしておきましょう
ちなみに、起業後は毎年、確定申告をすることになります。そのときも控えをしっかり保管していれば、過去の実績を証明する資料として活用できます。
活用場面はこんなにある！
- 創業融資の申請時 → 過去の所得証明、自己資金の証明として必要
- 事業計画書の裏付け資料として → 事業の実績や収入の安定性を示す資料に
- 補助金・助成金の申請時 → 事業開始前の準備状況を証明するため
- 住宅ローン・各種審査 → 起業後の信用を得るためにも有効
- 会計士・税理士との連携に → 過年度の資料として業務の精度が上がります
- ビジネスパートナーへの信頼材料に → 経営者としての透明性を示す資料になります
よくある質問（FAQ）
Q1. 「収受印付きの控え」をもらい忘れました！どうすればいい？
A. 原則、後からはもらえません。税務署で「開示請求」する方法もありますが、時間がかかるので注意が必要です。
Q2. 会社員で副業していないのに関係ありますか？
A. 副業がない場合は不要ですが、今後副業や起業を検討しているなら準備の一環として知っておくと良いです。
Q3. e-Taxの場合の「控え」はどう扱えばいい？
A. 「受信通知」と「申告書PDF」を印刷し、セットで保管すればOK。これで証明書類として使えます。
Q4. 控えが提出できないと、創業融資は通らないの？
A. 他の資料で代用できるケースもありますが、基本的にはあった方が圧倒的に有利です。
Q5. 過去の控えが見当たりません。どうすればいい？
A. 税務署に「開示請求」して入手できます。ただし、2週間〜1ヶ月程度かかるため、時間に余裕を持って申請しましょう。
まとめ：今からでも遅くない！しっかり備えましょう
確定申告書控えは、起業を目指す方にとって「信用」と「準備力」を証明する大切な書類です。
今はまだ会社員でも、1年後にスムーズな起業を実現するためには、今から知識を持ち、できる準備をしておくことが重要です。
そして一番大事なことは、「書類は人を助けてくれる」ということ。困ったとき、信頼されたいとき、書類はあなたの代わりに語ってくれます。
「備えあれば憂いなし」。書類ひとつで未来が変わることもあるのです。
分からないことがあれば、専門家に相談して、確実に準備を進めていきましょう。
お気軽にご相談くださいね！
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起業の手続きって何から始めればいいの？といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております！
この記事を書いた人
中野裕哲／Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授（起業論、ゼミ等）
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援！「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル（事業計画＋融資＋補助金＋会社設立支援）＋起業後の総合サポート（経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関）など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫／Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫（旧国民金融公庫）に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
