
いまさら聞けない「シュノブ効果(スノッブ効果)」ってなに?──“人と違う”が生む購買心理
「みんなが持っているモノはちょっと…」「『限定』と聞くと気になる」――その裏に潜む心理を示すのが シュノブ効果(スノッブ効果) です。人と同じよりも「人とは違う特別」を求める心理。消費行動に深く関わり、マーケティングにも応用される重要な概念です。今回は、わかりやすく解説します。
① シュノブ効果とは?
シュノブ効果とは、「他の人が多く持っているものは欲しくない」「希少性や限定感があるほど価値を感じる」という心理現象です。
つまり「みんなが選ぶもの」には興味がなく、「自分だけしか持てない価値」に魅力を感じる傾向を指します。
② 歴史的背景と定義
この言葉は1950年、経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインが、バンドワゴン効果やヴェブレン効果と並ぶ消費者心理として論じたものです。
語源は「スノッブ(snob)」という言葉で、上流階級を気取りたい人を指す表現から来ています。
③ なぜ人々はスノッブ効果に惹かれるのか?
A. 差別化欲求が働くから
人は“他人と違う自分”を意識することで優越感や特別感を得ようとします。
B. 希少性や限定性に価値を感じるから
流通量が少ないほど、見せびらかす価値=“顕示的消費”を高める要素になります。
C. 自分らしさを証明したいから
「人とは違う」が自分のアイデンティティであり、他者との差を示す記号にもなります。
④ 他の心理効果との違いは?
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バンドワゴン効果:多くの人が持つから「自分も欲しくなる」。
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ヴェブレン効果:高価格であること自体に価値を感じさせ、「見せびらかし」に結びつく消費。
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スノッブ効果:他人と違うものを選びたい心理。そのため需給が逆になるケースがある消費現象です。
⑤ マーケティングでの活用例
① 限定モデルや数量制限
「100個限定」「会員限定」など希少性を演出すれば、スノッブ効果が働きます。
② 上位向けグレード設定
「スタンダード/プレミアム」のグレード差は、“違い”を選ぶ根拠になります。
③ コレクターズアイテム展開
コレクター向けに制作数量を絞れば、希少性を価値に転換できます。
⑥ 注意点:使いすぎると逆効果に
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普及しすぎれば魅力が薄れる:限定でなくなれば興味の対象外になります。
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ターゲットを狭めすぎてしまうリスク:選ばれる理由は強まりますが、潜在顧客、見込み客が限られてしまう可能性もあります。
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価格とのバランスも重要:高価格によって価値が損なわれない設計が必要です。
⑦ 実務での活用のコツ
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ペルソナを明確に:どんな人に「違う価値」を届けたいか設定する
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限定感の設計:「数量」「時間」「会員層」などで差別化条件を設ける
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ストーリーテリングを添える:「なぜ限定?」「背景ストーリー」を共感へ
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他効果との組み合わせ:「限定×SNS拡散=バンドワゴンも誘発」モデルが効果的
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効果検証を忘れずに:発売数・反響・価格反応を数値化して戦略を練る
✅まとめ:スノッブ効果は“違う価値”をうまく使う心理の武器
スノッブ効果は、「人と違うこと」に価値を見いだす心理トリガーです。限定性・希少性を設計することで、「ただの物」ではない“選ばれる理由”をブランドに与えられます。
一方で乱用は価値感の希薄化や顧客層の限定につながるため、ターゲット×演出のバランスが鍵です。
「自社サービスに希少価値を持たせたい」「マーケティングで“違い”を演出したい」といったご相談も大歓迎です。戦略設計やキャッチコピー立案など、一緒にご支援できますので、お気軽にお問い合わせください!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。