
競合分析表とは?起業準備中に押さえておきたい経営の土台となる分析手法
はじめに
「自分のビジネスアイデアは面白いと思う。でも、似たような会社がすでにあるかも…?」
そんな不安、ありますよね?
起業を目指す方にとって、「競合分析」は避けて通れない重要な作業です。そして、その分析結果を“見える化”して整理できるツールこそが「競合分析表」なんです。
ズバリ言いますと──競合分析表は、あなたのビジネスが「戦える場所」を見つけるための羅針盤なんです。
この記事では、競合分析表の役割や作成方法、実際の使い方まで、起業準備中の会社員にとってわかりやすく解説します。
競合分析とは?なぜ必要なのか
「競合を知ること」は、起業の基本戦略
ビジネスは「自分との戦い」であると同時に、「他社とのポジショニングの勝負」でもあります。
たとえば、ラーメン店を開業するとして、同じ通りにすでに有名店が2軒あったら?
「うちの方が美味しいはず!」だけでは、なかなか勝てませんよね。
競合を知ることで、
- 自分が目指すべき“ポジション”が見える
- 他社と差別化できる“強み”が明確になる
- 顧客が“なぜ選んでくれるか”がわかる
こうした土台が整うことで、ビジネスの成功確率がグンと高まります。
競合分析表とは?その役割と目的
競合分析表とは、複数の競合他社を「条件ごと」に比較し、自社との違いや優位性・劣位性を“見える化”するための表です。
競合分析表の主な目的
- 自社の強み・弱みを客観的に把握する
- 顧客視点での選ばれる理由を明確にする
- 戦略的な商品設計や価格設定の基礎をつくる
競合分析表の作り方(5ステップ)
STEP1:競合企業をリストアップ
まずは競合となりそうな事業者を3~5社ピックアップしましょう。
- 同業種で近隣地域にある
- 類似商品・サービスを展開している
- ターゲット層が重なる
例:カフェ開業予定 → 近所のカフェチェーン、個人経営店、コンビニ併設カフェなど
STEP2:比較項目を決める
下記はよく使われる比較項目です:
- 商品・サービス内容
- 品質や独自性
- 価格帯
- 立地・アクセス
- 営業時間
- 顧客層
- ブランドイメージ
- サービス・接客
- 集客方法(SNS、チラシ、口コミなど)
自分のビジネスにあった項目を選びましょう。
STEP3:表にまとめる
Excelや手書き、オンラインツールなどで以下のような表を作成します:
会社名 | 商品内容 | 価格帯 | 品質 | 接客 | 立地 | 集客手法 | 強み | 弱み |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A社 | 本格コーヒー | 高め | ◎ | ◯ | ◯ | 味、ブランド力 | 価格が高い | |
B社 | ランチ重視 | 中 | ◯ | ◎ | ◎ | チラシ、常連 | コスパ | 独自性が薄い |
自社 | 健康志向カフェ | 中 | ◎ | ◎ | ◯ | LINE・ブログ | 健康×くつろぎ | 認知度がない |
STEP4:自社との比較・分析
- 自社は何で勝てるのか?(価格?品質?雰囲気?)
- 他社にない価値を提供できるか?
- 逆に負けている部分は、どう補う?
ここを徹底的に掘り下げて、差別化戦略を構築していきます。
STEP5:戦略につなげる
- ターゲットをどう絞るか?
- 売れる価格は?
- SNSや口コミ戦略はどう設計する?
分析結果を「事業計画書」「資金調達資料」「マーケティング戦略」に反映させましょう。
よくある失敗と注意点
「競合を調べすぎて自信を失う」
→ ポイントは“違い”を見ること。他社と同じことをする必要はありません。
「なんとなく分析して終わり」
→ 表を作っただけでは意味がありません。“どう活かすか”が大切です。
「主観で比較してしまう」
→ 実際に現地に行く・サービスを使う・口コミを見るなど、客観的データで判断しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 競合が多すぎて選べません。どうすれば?
A. すべてを見る必要はありません。地域・価格帯・ターゲットが近い3〜5社に絞るのがコツです。
Q. 競合分析表は毎回作るべき?
A. 事業計画の初期、価格改定、集客改善時など、節目ごとに更新すると良いです。
Q. 分析に時間がかかりすぎて前に進めません…
A. 完璧を目指さず、まずは“仮”で作ってみること。実践しながらアップデートすればOKです。
まとめ:競合を知ることは、自分を知ること
競合分析表は、他社を研究するためのツールであると同時に、「自社の強み」を再確認するツールでもあります。
競合を見ることで、あなたの事業の“勝てる場所”が見えてくる!
起業の第一歩として、事業アイデアを「現実の市場」に落とし込むために、競合分析表を活用してみましょう。
わからないことがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。あなたの起業が安心して前進できるよう、全力でサポートいたします!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。