
はじめに:「営利」と聞いてドキッとしたあなたへ
こんにちは、中野です。
ズバリ言います。「営利性=悪」ではありません。「営利」は、決してお金だけの話ではなく、あなたの想いや理念を“持続可能”にするための仕組みでもあるんです。
今回は、特に「起業したいけど、営利ってどういうこと?」「社会貢献とビジネスは両立できるの?」と悩む方のために、営利性の意味と活かし方を、やさしく解説していきますね。
第1章 そもそも「営利性」とは何か?
営利性とは、「利益を得ることを目的とする活動の性質」のことを言います。株式会社や合同会社などの企業は、この営利性を前提に設計されています。
要するに、「商品やサービスを提供して利益を生み出す」こと。それが営利活動の基本です。
ただし、ここで誤解しがちなのが「利益=自分だけが得をすること」と捉えてしまうこと。利益とは、お客様に価値を提供した“対価”であり、社会的信用を積み重ねた“結果”です。
第2章 非営利との違いを明確にしよう
営利性を理解するうえで、よく比較されるのが「非営利組織(NPOなど)」です。
観点 | 営利組織(例:株式会社) | 非営利組織(例:NPO法人) |
---|---|---|
主な目的 | 利益の追求と分配 | 社会貢献や公益活動 |
収益の扱い | 配当や再投資に使える | 組織の活動に限定して使う |
設立・運営の自由度 | 比較的自由 | 所轄庁の認可が必要な場合も |
営利か非営利かを選ぶときには、「利益をどのように使いたいのか」「どのくらいの自由度が必要なのか」が重要なポイントです。
第3章 営利性があることのメリットとデメリット
●メリット
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事業を自立的に運営できる(寄付や助成金に依存しない)
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利益を成長投資に回せる
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社員や協力者に報酬を支払いやすい
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「社会に必要とされる価値」が結果的に利益につながる
●デメリット
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短期的利益の圧力を感じやすい
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「金儲け主義」と誤解されることもある
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税制上の優遇措置は限定的
とはいえ、営利性そのものが悪なのではなく、それを“どう使うか”がカギなんです。
第4章 営利性と社会貢献は両立できるのか?
結論から言えば——できます!
実際、近年では「ソーシャルビジネス」や「B Corp(社会的企業認証)」など、営利を軸にしつつ社会的使命を掲げる企業が増えています。
例えば、障がい者雇用に積極的なカフェ、エコ素材で製品をつくるアパレル企業、子育て支援サービスなどがその例です。
「利益=お客様や社会からの感謝」と捉えると、営利性はむしろ“善”になるんですね。
第5章 法人選びに悩む方へ:営利性で見る違い
起業を考えるとき、「NPO法人にすべき?」「やっぱり株式会社?」と悩む方は多いもの。
そこで、営利性という観点で比較してみましょう。
-
株式会社:利益を出して投資を回収するモデル。融資や出資も受けやすい。
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合同会社:柔軟な運営ができ、少人数で始めるのに最適。
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NPO法人:営利を目的とせず、社会課題に取り組むのが主眼。助成金や寄付の対象になりやすい。
「事業を通じて何を成し遂げたいか」「お金をどう使いたいか」で決めるのが正解です。
第6章 営利性に抵抗がある人への処方箋
「でも、やっぱり“お金を稼ぐこと”に抵抗があるんです…」
そんな声も、よく聞きます。そんなときは、こう考えてみてください。
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あなたの商品やサービスで、誰かの悩みや課題が解決される
-
その“ありがとう”の証として、お金を受け取る
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それを元に、また次のサービスや支援ができる
この循環こそが、健全な営利のかたち。そして、それが続くことで、社会全体に良い影響を与えるのです。
FAQ:よくある質問
Q1. 営利と社会貢献って本当に両立できますか?
A. はい、可能です。むしろ今の時代は「利益も社会課題も同時に解決するビジネス」が注目されています。
Q2. NPO法人では営利活動はできないのですか?
A. 活動は可能ですが、得た利益は配当できず、事業に使う必要があります。
Q3. 税制面でお得なのはどちら?
A. NPO法人には一部優遇制度がありますが、株式会社も経費計上や節税の工夫次第で大きな差はありません。
おわりに:営利性は「仕組み」の話
営利性は、単に「お金を儲けるため」だけの話ではありません。
あなたの“想い”や“社会への貢献”を、長く続けるための「仕組み」なんです。
だからこそ、必要以上に構えず、「どうすれば自分の価値を届け続けられるか」という視点で、営利か非営利かを選んでみてください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。