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コラム

業務用食洗機導入で使える飲食店向け補助金

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業務用食洗機の導入に使える補助金と対象になる条件をやさしく解説

「人手が足りず、洗い場が回らない」「手洗いの時間を調理や接客にあてたい」。そんな悩みから業務用食洗機の導入を検討する飲食店は増えています。一方で、本体価格に設置工事を加えると数十万円から百万円規模になることも多く、できれば補助金を活用したいところです。ただ、補助金は「食洗機を買えば誰でももらえる」ものではなく、制度ごとに使える条件や対象外になるケースが決まっています。この記事では、小規模な飲食店・厨房設備の更新を考える事業者の方に向けて、業務用食洗機に使える補助金の基礎と、つまずきやすい落とし穴を整理します。

業務用食洗機は「省力化設備」として補助金の対象になりやすい

業務用食洗機は、洗浄という手作業を機械に置き換え、人手不足を補いながら生産性を高める設備です。この「省力化・生産性向上」という性格が、補助金との相性を考えるうえでの出発点になります。飲食店が食洗機の導入で検討しやすい制度は、おおむね次の3つに整理できます。

  • 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)(上限1,500万円規模)…あらかじめ登録された製品カタログから選んで導入するタイプ。食器洗浄機のような定番設備の本命です。
  • 中小企業省力化投資補助金(一般型)(上限1億円規模)…複数の機器を組み合わせた、オーダーメイド性の高い省力化に向くタイプ。
  • 小規模事業者持続化補助金(上限250万円規模)…販路開拓の取り組みに伴う設備として、要件を満たせば対象になり得ます。

このほか、生産性向上や新しいサービス提供に踏み込む大きな投資であれば、新事業進出・ものづくり補助金などの制度に触れる余地もありますが、後述のとおり「単なる買い替え」では対象になりにくい点に注意が必要です。なお補助金の名称・枠・上限額は年度や公募回ごとに見直されるため、金額や要件は必ず公式の最新公募要領で確認してください。

本命は「省力化投資補助金」だが、カタログ登録が大前提

食洗機のような汎用設備の導入で多くの飲食店が向き合うのが、中小企業省力化投資補助金の「カタログ注文型」です。これは、事務局が登録した製品カタログの中から型番を選んで導入する仕組みで、業務用の食器洗浄機もカタログに掲載されている対象カテゴリの一つとされています。

ここで最初の関門になるのが「カタログ登録の有無」です。名前や見た目が似ていても、カタログに型番が登録されていない製品や、登録された販売事業者以外から購入した場合は補助対象になりません。気になる機種があるなら、まず公式のカタログ検索でその型番が載っているかを確認するのが、検討の第一歩になります。

もう一つの特徴は申請のしやすさです。カタログ注文型は、従来の補助金のように決まった締切ごとに競うのではなく、一定期間内であれば随時申請できる運用が取られてきました。受付の期限は制度の節目で変わり得るため、検討を始めた段階で受付状況を確認しておくと安心です。

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多くの解説記事が触れない「対象外になりやすい」落とし穴

「カタログに載っている食洗機なら大丈夫」と紹介する記事は多いものの、実務でつまずきやすいのはむしろその先です。ここを押さえておくと、申請してから「対象外でした」となる事態を避けられます。

1. 単なる置き換え・買い替えは対象外になりやすい

省力化投資補助金は、あくまで「省力化の効果」を生む投資を支援するものです。すでに持っている食洗機を、同等品にそのまま入れ替えるだけで省力化効果が生まれない場合は、原則として対象外と整理されています。一方で、手洗い中心の状態から自動化する、あるいは高機能化によって明確に作業時間が減るなど、省力化効果を数値で説明できる導入であれば、たとえ置き換えであっても申請の余地があります。「古くなったから買い替える」ではなく「どれだけ人手と時間が減るのか」を語れるかが分かれ目です。

2. 一般型は「オーダーメイド性・組み合わせ」が問われる

単体の汎用機をそのまま導入するだけの計画は、一般型ではなじみにくい場面があります。一般型は、複数の機器やシステムを組み合わせて自社の工程に合わせた省力化を図る、オーダーメイド性の高い投資が想定されているためです。食洗機単体ならカタログ注文型、厨房全体の動線を見直す大きな投資なら一般型、といった使い分けの視点を持っておくとよいでしょう。

3. 持続化補助金は「通常業務の機械」では通らない

小規模事業者持続化補助金は販路開拓を支援する制度で、機械装置の購入には条件があります。日常の営業でふつうに使う設備の購入は対象外とされ、新メニュー開発や提供体制の見直しといった販路開拓の取り組みに不可欠な設備である、という位置づけが必要です。食洗機を「人手不足対策」とだけ説明すると弱く、「どんな販路開拓につながる投資なのか」を計画に織り込めるかがポイントになります。

申請前に知っておきたい実務の注意点

制度選び以外にも、見落とすと痛いポイントがあります。

  • 事前着手は厳禁。交付決定の前に発注・契約・購入をしてしまうと、理由を問わず対象外になるのが原則です。「決まりそうだから先に発注」は最も多い失敗パターンです。
  • 補助金は基本「後払い」。多くは事業完了後に精算して受け取る仕組みのため、いったんは全額を自己資金や融資で立て替える必要があります。資金繰りの計画も合わせて立てておきましょう。
  • 賃上げや生産性の数値が評価につながる。省力化系の制度では、労働生産性の向上や賃上げの取り組みが要件や加点に関わることがあります。「導入で何時間減り、その人手をどこに回すのか」を具体的に示す準備をしておくと有利です。
  • 補助金の会計・税務上の扱いには注意が必要です。受け取った補助金の処理には専門的な判断が伴うため、断定的な自己判断は避け、詳細は税理士へご相談ください。

まとめ:制度の「狙い」に合わせて言葉を選ぶ

業務用食洗機の導入で中心になるのは、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)です。まずは導入したい機種がカタログに登録されているかを確認し、「手洗いからの自動化でどれだけ人手と時間が減るか」を数字で語れるよう準備しましょう。厨房全体を見直す大きな投資なら一般型、販路開拓に絡めるなら小規模事業者持続化補助金と、制度の狙いに合わせて計画の言葉を選ぶことが採択への近道です。単なる買い替えでは通りにくいこと、事前着手は禁物であること、後払いで資金手当てが要ることを押さえたうえで、制度名や金額・要件は必ず公式の最新公募要領で確認しながら進めてください。自店に合う制度選びや事業計画の組み立てに迷ったときは、専門家への相談も検討してみてください。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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