
自宅開業と事業用物件の選び方、3つの判断基準
自宅で開業か事業用物件か?選び方と考え方
💬 個人で開業を予定している方からのご相談
個人事業として開業する予定ですが、自宅で始めるか、事業用の物件を借りるかで迷っています。開業の手続きのタイミングとも合わせて、物件はどう選べばいいものでしょうか?

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。
執筆者の小峰からの回答
自宅開業と事業用物件のどちらが良いかは、事業内容・来客の有無・固定費の負担という3つの観点から考えると判断しやすくなります。なお、賃貸物件やマンションで自宅開業する場合、契約上その使用が認められているかどうかは、管理会社や専門家に確認しておく必要があります。
事業内容で考える
パソコン一台で完結する業務や、お客様先に出向く形のサービスであれば、自宅でも十分に開業できます。一方、在庫を多く抱える業種や、作業スペースがある程度必要な業種では、自宅の限られたスペースでは対応しきれない場合もあります。まずは自分の事業がどの程度の作業スペースや設備を必要とするかを確認してみてください。
在庫の保管場所や作業スペースが足りない場合でも、必ずしも事業用物件を借りる必要はなく、トランクルームなど一部の機能だけを外部に委ねる選択肢もあります。すべてを自宅か事業用物件かの二択で考えず、必要な機能を分けて検討してみるとよいでしょう。
来客の有無で考える
お客様が自宅に訪れる機会があるかどうかも、重要な判断材料です。来客が多い業種であれば、自宅の住所や生活空間を知られることに抵抗を感じる場合もあり、事業用の物件を借りたほうが安心して対応できることがあります。来客がほとんど無い業種であれば、自宅開業でも支障は少ないでしょう。
来客の頻度が少ない場合でも、打ち合わせの場所をどうするかは考えておく必要があります。自宅に招くことに抵抗がある場合は、貸会議室やカフェなど、必要な時だけ使える場所を確保しておく方法もあります。
固定費の負担で考える
事業用物件を借りると、毎月の家賃という固定費が発生します。開業直後で売上が安定していない時期にこの固定費が重荷になることもあるため、まずは自宅で始めて、売上が上がってから物件を借りる移転を検討するという進め方も現実的です。固定費をかけることで得られるメリット(信用面、作業環境の改善など)と、負担のバランスを考えてみてください。
固定費を抑えて自宅で始める場合も、将来的に事業用物件への移転を検討するタイミングの目安(売上がいくらに達したら、など)を事前に決めておくと、感覚だけで判断せずに移転の時期を見極めやすくなります。
開業の手続きとの関係
個人事業の開業手続き自体は、自宅開業でも事業用物件でも進め方は変わりません。ただし、事業用物件を契約するタイミングによって、開業の時期が前後することがあります。物件探しに時間がかかる場合は、開業予定日に間に合うよう、できるだけ早めに動き出しておくことをおすすめします。
物件の契約から実際に使える状態になるまでには、内装工事や設備の搬入など、一定の準備期間がかかることもあります。開業したい日から逆算して、いつまでに物件を決める必要があるかを見積もっておくと、スケジュールの見通しが立てやすくなります。
判断に迷ったときの考え方
事業内容・来客の有無・固定費の負担のうち、どれを最も重視するかによって判断が変わります。来客が多く対外的な信用も重視したい場合は事業用物件、固定費を抑えてまず事業を軌道に乗せたい場合は自宅開業、というように優先順位をつけて考えると、判断がしやすくなります。
どちらか一方に決め切れない場合は、まずは自宅で始めてみて、事業の実態に合わせて後から見直していくという進め方も選択肢の一つです。最初の選択を絶対的なものと捉えず、状況に応じて見直していく前提で考えておくと、気持ちの負担も軽くなります。
まとめ
自宅開業と事業用物件の選択は、事業内容・来客の有無・固定費の負担という3つの観点から判断すると、整理しやすくなります。賃貸での自宅開業を考える場合は、契約上の可否を必ず事前に確認してください。
物件選びや固定費の計画、開業スケジュールの組み立て方で迷う場合は、専門家に相談しながら一つずつ整理していくと安心です。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























