
従業員なしの個人事業主は中小企業省力化投資補助金(一般型)の対象になるのか|公募要領で確かめたい従業員の要件
起業したばかりで、まだ従業員がいない個人事業主の方から、中小企業省力化投資補助金(一般型)は自分でも対象になるのか、という疑問が出やすいテーマです。ただ、この疑問への答えは「従業員がいるかどうか」だけで決まるものではありません。ここでは、従業員の有無が要件にどう関わるのかを、公募要領を読む立場から整理します。読み終えたときに、何を確認すればよいかが分かる状態を目指しています。
結論:従業員が0名の場合は対象外となることがあります
公募要領には、応募の時点で従業員数が0名の場合は応募の対象外になるという趣旨の記載があります。さらに、従業員が在籍していても、要件上対象となる従業員が0名になる場合には、同じく対象外となることがあると記載されています。つまり、従業員が0人だから必ず使えない、と読むのも、従業員がいないから必ず使える、と読むのも早計です。まずは公募要領の該当箇所を確認してください。
ここで押さえたいのは、従業員数という一つの数字だけで判断しないことです。事業の形態や、従業員に関する状況の全体が要件に照らして見られます。そのため、知人から聞いた話や、ネット上の概要記事の一文だけで結論を決めると、判断を誤るおそれがあります。
※制度は改定されることがあるため、申請前に最新の公募要領や事務局(Jグランツ・各制度の事務局サイト)で必ず確認してください。
従業員の有無が要件に関わる場面
従業員の有無が問われるのは、主に次のような場面です。
- 応募の時点で、従業員が在籍しているかどうか
- 従業員が在籍している場合に、その人が要件上の対象として扱われるかどうか
個人事業主の場合は、従業員の数だけでなく、事業の実態や事業計画の全体が見られる点も公募要領の要件として書かれています。従業員がいないことを理由に諦める前に、どの記載が自分の状況にあてはまるのかを確かめてください。逆に、従業員がいるから大丈夫だと思い込むのも避けたいところです。
公募要領の該当箇所の探し方
公募要領は分量が多いため、最初から最後まで通読するより、目的の記載を探す方が効率的です。次の順で確認してみてください。
- 目次から、応募の要件や対象となる事業者を扱う章を探す。
- 「対象外」「注意事項」「応募できない場合」といった語を含む見出しを探す。
- 見出しの中に、従業員数や給与の支給に触れた箇所がないかを確認する。
見つけた箇所は、そのまま読んでも意味がつかみにくいことがあります。その場合は、用語の説明がある箇所や、Q&Aの形式で書かれた資料も併せて読むと理解が進みます。確認した内容は、日付と出典をメモに残しておくと、後から見返すときに役立ちます。
申請前に確認したい項目の整理
準備を始める前に、次の項目を一つずつ書き出してみると、公募要領との照合がしやすくなります。
- 応募の時点での従業員数と、従業員の雇用形態
- 従業員がいる場合に、その人が要件上どのように扱われるか
- 事業の形態(個人事業主か法人か)と、申請の名義
- 導入を考えている設備やシステムが、省力化につながる投資として説明できるか
- 汎用的なパソコンや機器だけで済む内容になっていないか
- 公募要領に載っている対象経費に、導入予定の費用が当たるか
- 問い合わせ先となる事務局の窓口と、最新の公募要領の公開状況
この整理は、申請するかどうかを決める前の段階でも使えます。項目のどれかが埋まらない場合は、その時点で公募要領か専門家に確認すべきサインと考えてください。
従業員を雇うかどうかは、補助金の有無だけで決めるものではなく、事業全体の計画で判断する経営判断です。補助金の情報は、その判断材料の一つにとどまります。公募要領の記載と、後述する専門家への相談結果をあわせて検討してください。
💬 執筆者の三浦から一言
従業員がいるかどうかで対象かどうかが変わる場合があります。そのため、申請の準備に入る前に、公募要領の要件を一つずつ照らし合わせて確認するのが先です。自分の思い込みで話を進めると、あとから書類や計画の組み直しが必要になりかねません。
専門家に相談すべき場面
次のような場面では、公募要領だけで判断せず、専門家に相談することをおすすめします。
- 従業員がいない状態で、要件を満たすかどうかの判断がつかないとき
- 従業員を雇う予定があり、補助金との関係を整理したいとき
- 公募要領の記載を読んでも、自分の事業の状況にあてはまるかが分からないとき
相談先としては、事業の状況を踏まえて判断できる専門家(例:税理士、中小企業診断士)や、公募要領の問い合わせ窓口となる事務局が考えられます。相談するときは、事業の形態、従業員の状況、導入を考えている内容を整理して持参すると、話がスムーズに進みます。
制度ごとの違いについて
制度ごとに要件が異なるため、カタログ注文型と一般型の違いは公募要領で比べる。
よくある質問
Q.従業員が0人でも、要件を満たす可能性はありますか。
A.要件の判断は事業者の状況によるため、ここで断定することはできません。公募要領の該当箇所を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。
Q.まだ従業員がいない個人事業主は、何から確認すればよいですか。
A.公募要領の応募要件と、対象外となる事業者の記載を確認するところから始めてください。そのうえで、申請前に確認したい項目を書き出すと整理しやすくなります。
Q.従業員を雇えば、必ず対象になりますか。
A.従業員がいることだけで対象となるわけではありません。要件は公募要領で確認し、雇用の判断は事業計画全体で行ってください。
※制度は改定されることがあるため、申請前に最新の公募要領や事務局(Jグランツ・各制度の事務局サイト)で必ず確認してください。
まとめ
従業員が0名の場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)の対象外となることがあります。ただし、従業員の有無は事業者ごとの状況で判断されるため、自己判断で結論を出さず、公募要領の該当箇所を確認してください。確認しきれないときや、従業員を雇う判断を含めて迷うときは、専門家に相談することをおすすめします。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























