
広告宣伝費に使える補助金はある?小規模事業者が確認したい考え方
集客のために広告やチラシにお金をかけたいが、手元の予算には限りがあるという小規模事業者の方から、こんなご相談をいただくことがあります。
「広告宣伝にお金をかけたいのですが、使える補助金はあるのでしょうか?」

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
中小企業診断士として、また以前は補助金の審査にも関わってきた立場から、広告宣伝にかけるお金を補助金でどう考えればいいか、順番にお話しします。
まず結論からお伝えすると、広告宣伝や販路開拓のための経費を対象にした代表的な制度として、「小規模事業者持続化補助金」があります。これは小規模事業者が自社で立てた経営計画に基づいて行う販路開拓の取り組みを後押しする制度で、広告やウェブサイトに関する経費も対象になり得る設計になっています。チラシや看板、ネット広告といった「お客さまに知ってもらうための活動」と相性がよい補助金だと考えていただいて差し支えありません。新しいお客さまの層を取りに行きたい、既存のお客さまにもっと知ってもらいたいという動機であれば、まず検討の土台に置きやすい制度だと思います。
ただし、どんな広告費でも無条件に対象になるわけではない点には注意が必要です。対象経費は「広報費」「ウェブサイト関連費」といった区分に分かれており、広報費であればチラシの作成や広告の掲載、看板、デジタルサイネージ広告、DM発送などが該当し、ウェブサイト関連費であればウェブサイトやECサイトの制作・更新、ネット広告の出稿、バナーやPR配信、ECモールの利用料、商品画像・動画の制作などが該当します。紙のチラシだけでなく、ウェブ広告やサイトのリニューアルも対象に含められる可能性があるという点は、広告予算の使い道を考えるうえで知っておいていただきたいところです。
そしてこの2つの経費区分には、それぞれ交付申請額の上限が決まった金額まで設けられています。さらに「広報費だけ」「ウェブ関連費だけ」という申請はできない仕組みになっており、広告宣伝の経費だけを単独で補助してもらうことは想定されていません。つまり、広告宣伝だけを切り出して補助金をあてにするのではなく、店舗の備品整備や展示会出展、新商品の試作といった販路開拓の計画全体の中に、広告費を一つの要素として組み込む発想が必要になります。この経費区分の上限額や扱いは、申請する回の公募要領によって変わることもあるため、実際に申請を検討する段階で最新の公募要領を確認しながら、どの経費をどの区分にどこまで割り振るかを計画として組み立てていくことになります。
もう一つ、広告宣伝に補助金を使いたいと考える方が特につまずきやすいのが、経費を使うタイミングです。補助金は「採択されたら使ってよい」ものではなく、「交付決定を受けた後に発注・契約・支払をした経費」だけが対象になります。採択の通知が来たからといって、その前にチラシの印刷を発注したり、広告代理店やウェブ制作会社と契約してしまったりすると、その経費は補助の対象外になってしまいます。広告を早く出したい、キャンペーンの時期に合わせたいというお気持ちは十分に分かりますが、補助金を使うつもりであれば、交付決定が出るまでは発注や契約には進まないという順番を守ることが欠かせません。この順番を誤ると、せっかく採択されても肝心の広告費が対象外になってしまうため、広告を打つ時期とスケジュールの組み方には特に気をつけていただきたいところです。
加えて、この制度は商工会・商工会議所の伴走支援を受けながら経営計画を作ることが前提になっている設計のため、広告宣伝の計画だけを単独で思いつきで考えるのではなく、販路開拓全体の計画の中でどう位置づけるかという視点が求められます。どの経費区分にどこまで広告費を割り振れるか、スケジュール上いつから発注してよいかといった判断は、お店や会社の状況、今回の広告宣伝で何を実現したいかによっても変わってくる部分です。
たとえば、新しいメニューや商品を売り出すタイミングで広告を考えている場合、チラシの印刷だけで終わらせるのではなく、ウェブサイトの該当ページを整えたり、ネット広告で告知の範囲を広げたりすることまで含めて計画にしておくと、広報費とウェブサイト関連費の両方をバランスよく使う形になりやすくなります。逆に、ウェブ広告の出稿だけに予算を集中させたい場合でも、先ほどお伝えしたとおりウェブ関連費だけの単独申請はできない仕組みのため、店舗の案内看板を整えるなど、別の経費と組み合わせて計画を組む必要が出てきます。こうした経費の組み合わせ方は、どの販路を広げたいかという目的から逆算して考えると整理しやすくなります。
また、交付決定前の発注・契約が対象外になるという点は、広告の世界ではとくに見落としやすい落とし穴だと感じています。広告代理店やウェブ制作会社との打ち合わせを進める中で、見積りを取った流れのまま契約や発注に進んでしまうケースは珍しくありません。補助金の活用を考えているのであれば、見積りの取得と実際の発注・契約は別の工程だと意識して、交付決定の通知が届くまでは契約書への署名や支払いに進まないよう、社内のスケジュール表に明記しておくことをお勧めします。
広告宣伝にかけたい予算をどう補助金で補えるか、またどの制度が自社の状況に合っているかは、経費の切り分けやスケジュールの組み方まで含めて早めに整理しておくと、その後の申請準備がスムーズになります。弊社でも、どの補助金が合うかという選定のご相談を承っておりますので、広告宣伝費の使い方で迷った際にはお気軽にご相談ください。
広告宣伝にお金をかけたいという気持ちは、販路を広げたいという前向きな動機の表れです。補助金という後押しをうまく使いながら、無理のない形で集客の打ち手を増やしていただければと思います。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























