
会社を辞めてから起業準備をすると資金調達や会社設立に影響が出る理由
退職して起業の準備を始めるべきか、それとも今の仕事を続けながら準備を進めるべきか悩む会社員の方は少なくありません。今回は、次のようなご質問をいただきました。
「今の会社を辞めてから起業の準備をしようか迷っています。先に辞めてしまうと、資金調達や会社設立でどんなデメリットがありますか?」

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
日本政策金融公庫で支店長をしていた経験から申し上げると、先に退職してから起業の準備を始めることには、資金調達の面でいくつか気をつけておきたい点があります。退職そのものがいけないわけではありませんが、在職中にできる準備を先に進めておくかどうかで、その後の進めやすさが変わってきます。収入が途絶えた状態で準備を始めると、計画を練る時間にも制約がかかりやすくなります。
まず、事業計画の骨子は在職中に作っておくことをお勧めします。審査では、同じ業種での勤務経験、自己資金、事業計画の具体性、資金使途と調達額の整合、信用情報などをもとに判断されますが、このうち事業計画の具体性は、売上・原価・人件費をどのような根拠で見積もるか、返済の原資をどこから確保するかまで詰める作業です。これまでの仕事で積んできた同じ業種での勤務経験をどう活かすかも含めて、収入がある間のほうが落ち着いて整理しやすいものです。退職してから初めて計画を作り始めると、計画を詰める作業と手元資金が減っていく時間が同時に進むため、気持ちの余裕を持ちにくくなります。
自己資金の積み立ても、在職中からの継続が力になります。自己資金の額や割合に決まった要件はありませんが、審査では重要な判断材料になりますし、どのように貯めてきたかという形成過程も見られます。給与から継続的に積み立ててきた実績は、その説明に使える材料になります。また、創業前に自費で取得した資格や、業務に使う設備・備品の購入、テストマーケティングにかかった費用などは、一定範囲で自己資金とみなされることがありますので、領収書は在職中の分も含めて保管しておくとよいでしょう。自己資金は面談の時点で口座に確認できる形にしておく必要がありますので、積み立ての期間が長いほど準備しやすくなります。
業界の情報収集や、取引先・同業者とのつながりを維持しておくことも、在職中だからこそ無理なく続けられる準備です。退職してしまうと、こうしたつながりを新たに作り直すところから始めることになりがちですし、情報収集に充てられる時間も限られてきます。
資金が尽きるまでの間に時間をかけたくないというお気持ちはよくわかりますが、日本政策金融公庫の創業融資で対象となる「創業期の方」は、新たに事業を始める方、または事業を始めた後に税務申告を2期終えていない方を指しており、開業の前後にわたる時期を想定した制度になっています。つまり、退職した直後に慌てて申し込む必要はなく、在職中に準備を整えてから、開業の前後で申し込むという流れでも対象から外れるわけではありません。実際の可否は個別の審査によりますので、ここでは断定はできませんが、焦って退職を先行させる理由にはならないと考えています。
会社設立の具体的な手続きについては、司法書士など専門家に相談しながら進める部分も出てきます。資金計画とあわせて、退職前の段階で一度整理しておくと、設立のタイミングと資金調達のタイミングを合わせやすくなり、その後の準備がスムーズになります。
在職中に事業計画・自己資金・情報収集を進めておくことが、退職後の資金計画を立てやすくする土台になります。退職のタイミングに迷う場合は、退職前の段階で資金計画を整理しておくことをお勧めします。
【無料相談のご案内】
融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























