
過去に給付金を受けたら融資審査で不利?金融機関の見方
💬 コロナ禍に支援金を受けた事業者の方からのご相談
以前、売上が落ちたときに国の給付金や支援金を受け取ったことがあります。今回あらためて金融機関に融資を申し込もうと思っていますが、過去に給付金をもらったことが、今回の審査でマイナスにならないか気になります。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
監修者の元日本政策金融公庫の支店長の多胡からの回答
結論からお伝えすると、給付金や支援金を受け取ったこと自体が、審査でマイナスの評価につながるわけではありません。見られているのは、その後の業績がどう回復してきたか、そして現在の返済余力がどの程度あるかという点です。過去の経緯を気にするより、今の状況をどう伝えるかに力を向けることをおすすめします。
給付金を受け取った経緯自体は特別な問題にならない
コロナ禍のような社会情勢の変化で売上が落ち込み、国の給付金や支援金を受け取ることは、多くの事業者にとって珍しいことではありませんでした。その状況下で支援を受けたこと自体は、審査する側から見ても特別にマイナス視される事情ではありません。むしろ、困難な時期をどう乗り越えてきたかという文脈の一部として受け止められます。
当時、同じように支援を受けた事業者は業種を問わず数多く存在しており、金融機関側も社会情勢全体を踏まえて状況を見ています。支援を受けたという事実だけを切り離して、それだけを理由に不利に扱われることは、通常考えにくいといえます。
見られているのは「その後の業績回復」
重要なのは、支援を受けた時期から現在までの間に、業績がどのように回復してきたかという推移です。売上が落ち込んだ時期と比較して、どの程度まで戻ってきているのか、あるいはそれ以上に成長しているのかを、数字で具体的に示せるようにしておくことをおすすめします。回復の軌跡が見えることで、今後の事業の継続性についても、より判断がしやすくなります。
決算書を数期分並べて、売上や利益がどのように変化してきたかを時系列で示せると、回復の過程が一目で伝わりやすくなります。口頭での説明だけに頼らず、資料としてきちんと形にしておくことが大切です。一時的な落ち込みから着実に立て直してきたことが分かる資料は、説明の大きな助けになります。
現在の返済余力も重要な判断材料
過去の経緯よりも重視されるのが、今現在、どの程度の返済余力があるかという点です。現在の売上や利益の状況から、新たに借入をしても無理なく返済を続けていけるかどうかを、資金繰り表などで具体的に示せるようにしておくと、審査する側も判断しやすくなります。
すでに他の借入がある場合は、その返済状況も含めて、全体としての返済負担がどの程度になるかを整理しておく必要があります。新たな借入を加えたときに、月々の返済がどの程度の割合を占めるかを事前に計算しておくと、無理のない計画になっているかどうかを自分でも落ち着いて確認できます。
説明の仕方で気をつけたいこと
過去に給付金を受けたことを隠そうとする必要はありません。受け取った経緯と、その後どのように業績を立て直してきたかを、事実に基づいて率直に説明することが、むしろ信頼につながります。業績の回復を裏付ける資料(決算書、売上の推移表など)を準備しておくと、説明に具体性が増します。
面談の場で聞かれたときに、支援を受けた背景を曖昧にせず、当時の社会情勢と自社の状況を具体的に説明できるようにしておくと、不意のどんな質問にも落ち着いて答えられます。隠すよりも、正確に経緯を伝える姿勢のほうが、結果として相手に与える印象を良くします。
まとめ
過去に給付金や支援金を受け取ったこと自体は、融資審査でのマイナス要因にはなりません。重要なのは、その後の業績回復の推移と、現在の返済余力をどう説明できるかです。当時の事情を正確に伝え、そこからの立て直しを数字で示すことが、審査を進めるうえでの一番の近道になります。
業績回復の見せ方や資金計画の立て方、面談での説明の整理で迷う場合は、専門家に相談しながら一つずつ進めていくと安心です。
【無料相談のご案内】
融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























