
起業して経営者になる前に時間管理術をマスターしておこう!
「起業したら自由に時間が使える」…そう思っていませんか?
実際には、経営者になった瞬間から、時間は自分のものではなくなると言っても過言ではありません。
顧客対応、営業、商品開発、経理、採用、トラブル処理…。気づけば一日があっという間に終わります。
だからこそ、起業前から時間管理術を身につけておくことが、経営を長く続けるための必須スキルなのです。
1. 起業後に時間が足りなくなる理由
ズバリ言います。
経営者は「やるべきこと」と「やりたいこと」の両方が雪だるま式に増えます。しかも、ほとんどが期限付きで、基本的には誰も代わってくれません。
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業務の多様化:経営・営業・現場・事務処理など、役割が多岐にわたる
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突発対応の多さ:顧客や取引先からの急な依頼やトラブル
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優先順位の混乱:重要だけど緊急ではない業務が後回しになりやすい
結果、常に時間に追われ、戦略的な思考や成長のための活動ができなくなります。
2. 起業前に時間管理術をマスターすべき理由
起業後は、新しい習慣を作る余裕がほとんどありません。
今のうちから時間管理術を身につけておけば、
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仕事の優先順位を即座に判断できる
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無駄な業務を減らせる
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プライベートと仕事のバランスを保てる
といった効果が期待できます。
3. 時間管理の基本原則
私が経営者志望の方に伝えているのは、次の3原則です。
① 優先順位を明確にする
「緊急×重要」のマトリックス(アイゼンハワーマトリクス)を使って、タスクを分類します。
経営者にとって重要なのは、緊急ではないが重要な業務(例:長期戦略、関係構築、自己研鑽)です。
② タイムブロッキング
カレンダーに作業時間をあらかじめ確保し、会議や電話に侵食されないようにする。
③ バッファ時間の確保
予定通りに進むことは稀です。1日のうち1〜2時間は予備時間として空けておきます。
4. 起業前に身につけたい具体的スキル
① タスク整理術
ToDoリストだけでなく、「やらないことリスト」も作成。
時間を奪う低優先業務は思い切って削除します。
② 集中力のコントロール
ポモドーロ・テクニック(25分集中+5分休憩)や環境整備で集中度を高めます。
③ デジタルツール活用
Googleカレンダーやタスク管理アプリ(Trello、Notion、Asanaなど)を使い、情報を一元化。
④ 委任(デリゲーション)
外注やスタッフへの任せ方を練習。最初から全部自分で抱え込まない習慣を作る。
5. 成功する経営者の時間の使い方
成功している経営者は、次のような共通点があります。
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毎朝、今日の3つの最重要タスクを決める
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会議や面談は短く目的を明確に
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スマホ通知やSNSを必要最低限に制限
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健康管理の時間(運動・睡眠)を最優先に確保
- 外部の専門家に依頼できるものは依頼する
6. よくある失敗パターン
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スケジュールを詰め込みすぎる:予定通りに進まずストレスが増える
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緊急対応ばかりに追われる:重要業務が後回しになり、成長が止まる
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「自分がやったほうが早い」思考:委任できずに時間が足りなくなる→外注できるものは外注。経理などは税理士などの専門家を頼る!
7. 成功事例
Aさん(40代、Web制作業)は、起業前に時間管理術を学び、Googleカレンダーで全業務を可視化。開業後も顧客対応と制作業務を両立でき、納期遅延ゼロを実現しました。
Bさん(30代、飲食業)は、開業準備段階から週単位で計画を立て、優先順位を徹底。オープン後も仕入れ・仕込み・接客をスムーズにこなし、スタッフの離職も防げました。
8. 今日からできる実務チェックリスト
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明日の最重要タスクを寝る前に3つ書き出す
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朝一番の時間は重要業務に使う
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1日3回だけメールやチャットをチェック
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週末に翌週の時間割を作る
- 依頼できる外部の専門家を探す
まとめ
起業後は、時間は「限られた資産」から「最も重要な経営資源」に変わります。
時間管理術を起業前からマスターすれば、経営のスタートダッシュだけでなく、その後の成長も加速します。
経営者として成功するために必要なのは、お金の管理以上に時間の管理です。
今日から、小さな時間の使い方を見直すことが、未来の大きな成果につながります。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。