
上場企業でも使える?中小企業成長加速化補助金を「勘違いしやすいポイント」からわかりやすく解説
【結論】上場していても「中小企業要件」を満たせば活用できる
結論からお伝えします。
中小企業成長加速化補助金は、
上場企業であっても「中小企業者」に該当すれば申請可能です。
「上場しているから対象外」ということは一切ありません。
実際に本補助金の対象可否を分けるのは、
上場・未上場ではなく、以下の3点です。
-
中小企業者の定義を満たしているか
-
売上高が10億円以上100億円未満か
-
みなし大企業に該当しないか
この点を正しく理解していないと、
本来使えるはずの補助金を自ら除外してしまうことになります。
中小企業成長加速化補助金とは?
本補助金は、将来 売上高100億円規模を目指す中小企業 による、
大胆な成長投資を後押しすることを目的とした制度です。
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地域経済への波及効果が大きい企業の創出
-
設備投資・DX・研究開発による生産性向上
-
持続的な賃上げの実現
といった点が重視されています
特徴的なのは、補助金額の規模が非常に大きい点です。
補助金額・補助率【最大5億円】
-
補助率:1/2
-
補助上限額:5億円
-
最低投資額:1億円以上(税抜)
つまり、
数億〜10億円規模の設備投資・事業投資を前提にした補助金です。
この規模感からも、
「小規模事業者向けの補助金ではない」
ということが分かります。
上場企業でも使える理由
公募要領では、「上場しているかどうか」についての制限は
一切記載されていません
判断基準となるのは、あくまで以下です。
中小企業者の定義(例:製造業)
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資本金3億円以下
-
従業員300人以下
これを満たしていれば、
株式上場の有無に関係なく中小企業者です。
実務上も、
-
地方市場・スタンダード市場に上場している企業
-
上場後も資本金・従業員規模が中小企業水準の企業
は、補助金活用の対象になり得ます。
本当に注意すべきなのは「みなし大企業」
一方で、上場・未上場に関係なく
対象外になる最大の落とし穴が「みなし大企業」です。
みなし大企業に該当する例
-
大企業が議決権の1/2以上を保有
-
役員の過半数が大企業からの出向者
-
実質的に大企業が経営支配している
この場合、
たとえ資本金・従業員数が中小企業規模でも対象外になります
👉 上場企業かどうかより、
👉 「誰が支配しているか」 の方が圧倒的に重要です。
対象となる投資内容は?
補助対象となるのは、成長に直結する投資です。
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建物費(生産施設・研究施設など)
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機械装置費
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ソフトウェア費
-
外注費(一部)
-
専門家経費(上限あり)
一方で、
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単なる更新投資
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汎用PCや事務機器
-
交付決定前に発注した経費
は明確に対象外とされています
活用事例(モデルケース)
事例①:地方製造業(上場・従業員約250名/売上高約40億円)
海外需要の拡大を背景に、生産能力不足と人手不足が経営課題となっていた。自社単独での大型設備投資には財務リスクがあったため、成長加速化補助金を活用し、生産ラインの自動化設備と新工場の一部増設を実施。中長期の売上拡大と賃上げを同時に実現する成長投資として踏み切った。
事例②:IT・ソフトウェア企業(未上場・従業員約120名/売上高約25億円)
既存サービスの成長に限界を感じ、新規事業として業界特化型SaaSの開発を計画。開発投資とインフラ構築に多額の初期費用が必要だったため、返済不要の資金調達手段として本補助金を活用。将来的な100億円企業を見据えた基盤投資として申請を決断した。
賃上げ要件は必ず理解すべき
本補助金は「賃上げ」が必須要件です。
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補助事業終了後3年間
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従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率
-
全国最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上
未達成の場合、
補助金の返還を求められる可能性がある点は要注意です
上場・中堅企業こそ、事前整理が重要
この補助金は、
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金額が大きい
-
審査が厳しい(書面+プレゼン)
-
要件未達=返還リスクあり
という特徴があります。
特に上場企業・中堅企業の場合、
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グループ構成
-
株主構成
-
役員体制
によって 「使える/使えない」が紙一重になるケースが少なくありません。
まずは「使えるかどうか」を整理することが第一歩
中小企業成長加速化補助金は、
❌ 書き始めてから考える
❌ とりあえず申請する
という進め方が 最も危険な補助金です。
-
自社は中小企業要件を満たすのか
-
みなし大企業に該当しないか
-
この投資計画は補助対象になるのか
これらを事前に整理することが、採択とリスク回避の分かれ道になります。
まとめ
中小企業成長加速化補助金は、上場・未上場を問わず、中小企業要件を満たす企業にとって非常にインパクトの大きい制度です。一方で、みなし大企業判定や投資内容、賃上げ要件など、事前に整理すべき論点も多く、「自社が本当に対象になるのか」「今検討すべき制度なのか」を見誤ると、時間やコストだけが無駄になるリスクもあります。補助金は申請すること自体が目的ではなく、あくまで経営判断の一手段です。だからこそ、まずは制度を正しく理解し、自社にとっての適合性を冷静に整理することが重要です。
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この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
V-Spirits総合研究所株式会社 代表取締役
行政書士法人V-Spirits 補助者
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員、行政書士法人v-spirits 補助者
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。



























