
以下は動画の概要を記事風に説明したものです。詳細は是非動画をご覧ください。
値付けの基本5つの視点|価格戦略を成功に導く実践フィルター
はじめに
値付け――これは、経営の中でも特に神経を使う作業です。
私の経験上、「商品やサービスの価値をどう伝えるか」は、ほぼこの値付けで決まるといっても過言ではありません。
新築マンションでも、高すぎれば売れないし、安すぎれば即日完売…でも利益を逃すという事態が起こります。
つまり、「高すぎても安すぎても失敗する」のが値付けの怖いところです。
今回は、値付けを行う上で通すべき5つのフィルターを、中野裕哲がわかりやすく解説します。
値付けを左右する5つのフィルター
値付けを決めるとき、必ずしも「この順番でやらなければいけない」わけではありません。
しかし、次の5つの視点を順にフィルターにかけることで、よりバランスの取れた価格戦略を立てられます。
1. 自社コストの把握
まずは最低ラインを知ること。
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固定費・変動費を含めた原価構造を理解
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損益分岐点分析で「赤字にならない価格」を見極める
💡 注意点
簿記の知識だけでは足りません。経営全体の視点でコストを把握する必要があります。
2. 顧客の相場観(顧客重要性)
お客様が「納得できる」価格帯を探ることが重要です。
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同業他社や代替品の価格を調査
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「この価格なら妥当」と感じてもらえる基準を見つける
💡 ポイント
ライバルが多ければ多いほど、この視点の重要性は増します。
3. 競合戦略の確認
競合他社の価格戦略を徹底的に分析しましょう。
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Web検索で上位表示される企業は極端に安い場合が多い
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無理に価格で勝負する必要があるのか、それとも別の価値で差別化するかを判断
💡 注意点
「競合が安いからうちも安くしよう」という短絡的な発想は危険です。
4. ブランディングの視点
価格はブランドイメージと直結します。
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高価格帯に設定し、品質やステータス感を演出
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「コストリーダーシップ戦略」か「差別化戦略」かを明確化
💡 実践例
意図的に値上げし、「高品質ブランド」としてポジションを確立する方法もあります。
5. 提供価値との適合
価格は、顧客が得られる機能的価値と情緒的価値の総和で決まります。
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機能的価値:安全性、性能、耐久性など(例:ベンツの安全性能)
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情緒的価値:満足感、ステータス、自慢できる要素(例:Sクラスに乗る誇り)
💡 まとめ
価格と提供価値が一致し、かつ納得感があることが重要です。
よくある値付けの落とし穴
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コストだけを基準に価格を決める
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競合の安値だけを見て対抗する
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提供価値を価格に反映しない
こうしたやり方では、価格競争に巻き込まれ、利益を確保できません。
値付けを戦略に変える
今回の5つのフィルターは、単なる価格設定のためだけでなく、経営戦略全体に応用できます。
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新しい価格帯の商品を作る
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既存商品の上位モデルを開発
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価格改定と同時にブランディングを強化
まとめ
値付けは「実印を押す」くらい慎重に。
価格はお客様の心を動かし、利益を生む重要な経営判断です。
自社コスト・顧客の相場観・競合戦略・ブランディング・提供価値――この5つを意識して、戦略的に価格を決めていきましょう。
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