
信用保証協会の審査を理解して起業融資を成功させる方法
こんにちは!起業コンサルタント(R)、税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナーの中野裕哲です。
「起業に向けて資金を調達したい。でも信用保証協会ってなに?審査って厳しいの?」
そんな不安を抱えている会社員の方、多いと思います。
ズバリ言います。信用保証協会の審査は“ポイントさえ押さえれば”決して怖いものではありません!
今回は、信用保証協会の役割と審査の流れ、そして起業準備中のあなたが今からできる対策について、実務的な視点でわかりやすく解説します。
信用保証協会とは何か?
信用保証協会とは、中小企業や個人事業主が金融機関から融資を受ける際に、その返済を保証してくれる公的機関です。
わかりやすく言えば、「あなたが借りたお金を、万が一返せなくなったときに、代わりに返済してくれる人」。
そのかわり、審査はしっかり行われます。つまり、保証人になってくれる代わりに、あなたの事業計画や信用をよく見られるということですね。
信用保証協会は全国各地にあり、都道府県単位で管轄が異なります。地域密着型の支援を行っており、事業者が地域経済にどう貢献するかも評価の一部になります。地元密着型のビジネスであれば、その強みをしっかりアピールすることが重要です。
信用保証協会付き融資の仕組み
- 金融機関に融資を申し込む
- 信用保証協会に保証を依頼する(同時進行)
- 金融機関と信用保証協会がそれぞれ審査を行う
- 審査通過後、金融機関から融資が実行される
- 毎月の返済は金融機関へ。信用保証協会は保証人として控えに
このように、金融機関と信用保証協会の“ダブル審査”があるのが特徴です。
審査は非対面で行われる場合も多く、書類の内容や整合性、数字の妥当性がとても重要です。審査担当者に直接会うことはないかもしれませんが、「書類があなたの代弁者」となると意識して、丁寧に準備を進めてくださいね。
審査で見られる主なポイント
信用保証協会の審査で重視されるのは以下の5点です:
- 事業の実現可能性
- 事業計画が具体的か?現実的か?
- 商品・サービスの強みや競争優位性が明確か?
- 自己資金の有無と割合
- 自分のお金をどれだけ用意しているか
- 資金調達の履歴や通帳記録が明確か?
- 代表者の人物像と経験
- 本人の職歴、性格、やる気など
- 業界経験や関連スキルがあるか?
- 信用情報の状態
- クレジット履歴、借入の有無、延滞など
- 過去のローン返済実績も影響します
- 返済能力
- 事業からの収益見込みや他の収入源
- 最悪のケースも見越して収支が組まれているか
創業初年度は赤字になるケースも少なくありません。そのリスクをどのようにカバーするかも大切な判断材料となります。
起業準備中にできる審査対策
1. 信頼される事業計画書を作る
- 市場分析や競合調査がしっかりしている
- 売上と経費が現実的な数字で構成されている
- 開業後の販路や顧客ターゲットが明確
「夢を語る」だけでは通りません。「どうやって稼ぐか」が大事なんです。
また、収支計画には「最悪のシナリオ」も盛り込むと現実味が増します。売上が予定より少なかった場合でも、固定費をどう削減するか、資金繰りをどう回すかといった計画を記しておくと、審査員の信頼度がぐんと高まりますよ。
2. 自己資金を確保する
- 目安は総資金の3割
- 毎月少しずつ貯めて記録を残す
通帳で「コツコツ積み上げてきた履歴」があると強い信頼材料になります。
家計簿や収支表など、自分なりの方法で構いませんので、お金をどのように管理しているかを説明できるように準備しておきましょう。
3. クレジット情報を整えておく
- 延滞歴や借入状況は要チェック
- JICC、CIC、KSCで事前に確認可能
信用情報に問題があると、いくら事業計画が立派でも審査落ちすることがあります。遅くとも半年前からはカード利用の延滞や不要な借入を避けるようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 信用保証協会の審査は厳しいですか?
A. 創業期は特に「人物評価」と「準備の度合い」が重視されます。誠実に準備していれば通過も十分可能です。
Q2. 自己資金ゼロでも融資は受けられますか?
A. 原則難しいです。ただし、補助金との併用や、親族支援を加味した形で対応できる場合もあります。
Q3. どれくらいの期間で結果が出ますか?
A. 通常2〜4週間程度。ただし、書類不備や確認事項があると遅れることも。
Q4. 保証料って何ですか?
A. 信用保証協会に支払う手数料です。金額は融資額や契約期間によって異なりますが、補助制度で軽減されることもあります。
Q5. 審査に落ちたらもうダメですか?
A. 再チャレンジは可能です。改善点を明確にして再提出すれば、通過するケースも多いですよ。
まとめ:審査は「準備」と「誠実さ」で突破できる!
信用保証協会の審査は、「準備の量」と「本人の真剣度」を見られる場です。
派手なビジョンよりも、着実な数字。立派な言葉よりも、丁寧な資金準備。
あなたが「本気で起業したい」と思っているなら、それは必ず審査官にも伝わります。
そして何より大切なのは、「自分の計画を信じて実行する力」です。
一歩一歩準備を重ねて、着実に夢を形にしていきましょう。
困ったときは、どうぞお気軽にご相談くださいね!
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無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。