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コラム

創業計画書 記入例 ジムの書き方|公庫書式テンプレート&ポイント解説

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創業計画書 記入例 ジムの書き方|公庫書式テンプレート&ポイント解説

パーソナルジムや24時間ジムなど、フィットネス業界での独立を考える方が増えています。日本政策金融公庫(以下、公庫)から創業融資を受ける際に必須となるのが「創業計画書」ですが、ジム業態は初期投資が大きく、収益モデルも会員制という特殊な構造のため、計画書の書き方にコツがあります。

本記事では、公庫書式の創業計画書をジム開業向けに記入する場合の具体例と、押さえておくべきポイントを項目別に解説します。トレーナー経験者・スポーツインストラクター経験者で独立を検討している方の参考になれば幸いです。

ジム業態と公庫創業計画書の関係

ジムは、店舗型ビジネスの中でも初期投資のばらつきが大きい業態です。パーソナルジム1店舗なら数百万円〜1,000万円程度、24時間型のセルフジムだと2,000万円以上かかることもあり、開業前にしっかりした資金計画書が必要になります。

公庫の創業計画書は、こうした初期費用の妥当性と、会員数推移に基づく毎月の収支見通しを論理的に説明する書類です。フィットネス業界の前提を知らない融資担当者にも、事業の収益構造が伝わるかどうかが審査の分かれ目になります。

ジム業態特有の注意点

  • 会員制ビジネスのため、月の売上は「会員数×月会費」で積み上がる構造
  • 初月から満員にはならない前提(会員獲得は段階的)で計画する
  • 退会率(解約率)も加味して、純増ベースで会員数を見積もる
  • マシン・内装・物件取得など固定費が重く、損益分岐点が高い

創業計画書(公庫書式)の9つの記入項目

  1. 創業の動機
  2. 経営者の略歴等
  3. 取扱商品・サービスの内容
  4. 取引先・取引関係等
  5. 従業員
  6. お借入の状況
  7. 必要な資金と調達方法
  8. 事業の見通し(月平均)
  9. 自由記述欄

各項目をジム開業向けにどう書くか、以下で具体例とともに整理します。

【ジム開業向け】創業計画書の記入例とポイント

1. 創業の動機

記入例(パーソナルジムの場合):

「大手フィットネスクラブで7年間トレーナーを務め、累計500名以上の指導経験があります。大型ジムでは入会者の継続率が低く、結果を出せずに退会する方を多く見てきました。マンツーマン指導と食事サポートを組み合わせ、3か月で目標体型を達成できる仕組みを提供したいと考え、地元◯◯駅近くでパーソナルジムを開業することを決めました。」

ポイント:業界経験・課題認識・解決策の3点セットで書きます。「健康に貢献したい」だけの動機は説得力が弱いので避けます。

2. 経営者の略歴等

勤務先・在籍期間・指導実績・保有資格を時系列で書きます。NSCA-CPT、NESTA-PFT、健康運動指導士などのトレーナー資格、栄養関連資格、過去の指導実績(指導した会員数、ボディメイクコンテスト入賞歴等)を具体的に記載します。

3. 取扱商品・サービスの内容

記入例(パーソナルジム):

  • パーソナル指導(60分)月8回コース:88,000円/月 — 売上構成比:60%
  • 月4回コース:48,000円/月 — 売上構成比:25%
  • 食事指導オプション:11,000円/月 — 売上構成比:10%
  • プロテイン・サプリ販売 — 売上構成比:5%

セールスポイント:「完全個室・予約制」「食事画像へのフィードバック付き」「LINE質問サポート」「3か月コミット型プラン」など、他のジムとの差別化を具体的に書きます。

4. 取引先・取引関係等

販売先は「一般個人」、回収条件は「現金・クレジットカード・口座振替(前払いまたは月初引き落とし)」が一般的です。仕入先はマシンメーカー、サプリ・プロテイン卸、清掃用品卸などを記載します。

5. 従業員

パーソナルジムの場合、代表のみで運営し、軌道に乗ったらトレーナーを採用するパターンが多いです。「初年度:代表1名/2年目以降:トレーナー1名追加予定」など、段階的な拡大計画を書くと、長期視点の事業計画になります。

6. お借入の状況

住宅ローン・車のローン・カードローン・奨学金など、個人としての借入をすべて記載します。隠さず正直に書くことが鉄則です。

7. 必要な資金と調達方法

記入例(必要な資金):

  • 設備資金:900万円
    • 物件取得費(保証金・礼金等):200万円
    • 内装工事費:350万円
    • トレーニングマシン:250万円
    • 什器・備品:100万円
  • 運転資金:300万円(家賃・広告宣伝費・人件費の6か月分目安)
  • 合計:1,200万円

記入例(調達方法):

  • 自己資金:300万円
  • 日本政策金融公庫からの借入希望:900万円

ポイント:設備資金は見積書ベースで根拠を示します。マシン購入かリースか、中古か新品かで金額が大きく変わるため、複数業者から相見積もりを取って妥当性を担保します。

8. 事業の見通し(月平均)

記入例(軌道に乗った後の月平均):

  • 売上高:220万円(会員30名×月会費平均73,000円)
  • 売上原価:15万円(プロテイン・サプリ仕入等)
  • 経費:家賃30万円/光熱費5万円/広告宣伝費15万円/人件費(自分)50万円/その他10万円
  • 利益:95万円

会員数の積み上げ根拠(必須):

  • 1か月あたりの新規入会:5〜6名(広告経由3名+紹介2〜3名)
  • 退会率:月2〜3%
  • 軌道達成までの期間:開業後6〜8か月

会員数の積み上げ根拠を月別シミュレーションで示せると、計画の現実味が一段増します。

9. 自由記述欄

強み・差別化・将来構想を補足します。「2年目以降の2号店出店構想」「オンライン指導サービスの展開」「企業向け健康経営サポートへの横展開」など、事業拡大の可能性を簡潔に書きます。

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ジムの創業計画書でよくある5つの落とし穴

  1. 会員数の積み上げ根拠が甘い:「半年で50名」だけでは説得力が弱い。月別の入会・退会シミュレーションを示す
  2. 初期投資が大きすぎ運転資金が薄い:マシンや内装にお金を使い切ってしまうと、軌道に乗る前に資金ショートする
  3. 立地の説明が不十分:商圏人口・最寄駅利用者数・近隣ジムの状況を分析していない計画書は審査で不利
  4. 退会率を考慮していない:新規入会だけで会員数が積み上がる前提は非現実的
  5. 資格・実績の根拠が薄い:「トレーナー経験あり」だけではなく、指導人数・実績数字を入れる

採択されやすい創業計画書のコツ

  • 会員数推移を月別で見える化:1か月目〜12か月目までの会員数推移を表で示す
  • 損益分岐点を明示:「会員数◯名で月の固定費をカバーできる」と数字で示す
  • 自己資金の準備期間を説明:2〜3年かけてコツコツ貯めたことが分かると評価が上がる
  • 競合との差別化を具体化:価格・サービス・コンセプト・立地のどこで勝負するかを明確に
  • 業界経験者からのチェックを受ける:第三者目線で読んで矛盾がないかを確認してもらう

まとめ

ジム開業時の創業計画書は、初期投資の妥当性と、会員数推移に基づく収支見通しの説明が肝になります。月別の入会・退会シミュレーションと損益分岐点を数字で示すことで、融資担当者にも「この計画なら返済できる」と判断してもらいやすくなります。

制度や公庫書式は変更されることがあるため、必ず最新の公式情報を確認したうえで作成してください。書類のブラッシュアップや面談対策に不安があれば、融資支援に強い専門家への相談も有効な選択肢です。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

    • 起業支援・経営支援の豊富な実績
    • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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