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コラム

創業計画書 記入例 サロンの書き方|公庫書式テンプレート&ポイント解説

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創業計画書 記入例 サロンの書き方|公庫書式テンプレート&ポイント解説

ネイルサロン、まつげエクステサロン、リラクゼーションサロン、ヘッドスパサロンなど、「サロン」と総称される業種で独立を考える方は年々増えています。日本政策金融公庫(以下、公庫)から創業融資を受ける場合、必ず提出する必要があるのが「創業計画書」です。

サロン業態は店舗型ビジネスの中でも比較的少ない初期投資で始められる一方、立地や集客モデルによって採算性が大きく分かれるのが特徴です。本記事では、公庫書式の創業計画書をサロン開業向けに書く場合の具体例と、押さえておくべきポイントを項目別に整理して解説します。

サロン業態と公庫創業計画書の関係

サロン業態は、エステサロンと近い構造ですが、より小規模で始めやすいぶん、競合が多く差別化が難しいビジネスでもあります。マンションの一室を借りた「自宅サロン」型、商店街の路面店型、ショッピングモール内出店型など、出店形態によって資金計画も大きく変わります。

公庫の創業計画書では、こうしたサロン特有の出店形態・集客モデル・客単価・リピート率を具体的な数字で示し、「この計画なら無理なく返済できる」と融資担当者に納得してもらう必要があります。

サロン業態の典型的な収益構造

  • 売上:客数×客単価×リピート率で積み上げる
  • 主な経費:家賃・人件費・広告宣伝費・材料費・光熱費
  • 初期投資:物件取得費・内装工事・施術機器・什器
  • 回収条件:現金・キャッシュレス決済(即時回収)が一般的

創業計画書(公庫書式)の9つの記入項目

  1. 創業の動機
  2. 経営者の略歴等
  3. 取扱商品・サービスの内容
  4. 取引先・取引関係等
  5. 従業員
  6. お借入の状況
  7. 必要な資金と調達方法
  8. 事業の見通し(月平均)
  9. 自由記述欄

【サロン開業向け】創業計画書の記入例とポイント

1. 創業の動機

記入例(ネイルサロンの場合):

「都内大手ネイルサロンで5年間勤務し、JNECネイリスト技能検定1級を取得しました。前職では指名客200名以上を担当し、月間売上トップ3を継続的に獲得していました。大型サロンでは画一的なメニューが中心で、お客様一人ひとりのデザイン要望に応えきれないことに歯がゆさを感じ、地元◯◯エリアで完全予約制・少人数対応のプライベートネイルサロンを開業することを決意しました。」

ポイント:業界経験+実績数字+差別化コンセプトの3点をセットで書きます。

2. 経営者の略歴等

勤務先・在籍期間・担当業務・指名客数・売上実績・保有資格を時系列で書きます。サロン業界では資格と実績が重要なので、JNECネイリスト技能検定、JNAジェルネイル技能検定、まつげエクステ技能講習、リフレクソロジー認定、保健所許可関連など、業種に応じた資格を必ず記載します。

3. 取扱商品・サービスの内容

記入例(ネイルサロン):

  • ジェルネイル(カラー・デザイン込み):8,800円 — 売上構成比:60%
  • フットジェル:9,900円 — 売上構成比:20%
  • 付替えオフ込みコース:11,000円 — 売上構成比:15%
  • 物販(ホームケア用品):1,000〜5,000円 — 売上構成比:5%

セールスポイント:「完全予約制マンツーマン」「アートサンプル200種以上」「持ち込みデザイン対応」「LINE予約・カウンセリング無料」など、競合との違いを具体的に書きます。

4. 取引先・取引関係等

販売先は「一般個人」、回収条件は「現金・キャッシュレス決済(即時回収)」と書きます。仕入先はネイル材料卸・ジェルメーカー・物販商品卸などを記載します。

5. 従業員

多くのサロンは代表1名でスタートし、軌道に乗ったらスタッフを採用する流れです。「初年度:代表1名/2年目:施術スタッフ1名採用予定」のように、将来の拡大計画を含めて書くと事業の継続性が伝わります。

6. お借入の状況

個人としての借入を漏れなく書きます。住宅ローン・自動車ローン・カードローン・奨学金など、隠さず記載することが鉄則です。

7. 必要な資金と調達方法

記入例(必要な資金):

  • 設備資金:280万円
    • 物件取得費(保証金・礼金等):80万円
    • 内装工事費:100万円
    • ネイルテーブル・チェア・収納什器:50万円
    • 施術用機器(集塵機・UVライト等)・初期備品:30万円
    • 看板・装飾:20万円
  • 運転資金:120万円(家賃・広告宣伝費・材料費・光熱費の3〜6か月分)
  • 合計:400万円

記入例(調達方法):

  • 自己資金:100万円
  • 日本政策金融公庫からの借入希望:300万円

ポイント:サロン業態は比較的少額で開業できるぶん、自己資金の準備期間と出所が重視されます。コツコツ貯めた経緯を説明できるとプラス評価になります。

8. 事業の見通し(月平均)

記入例(軌道に乗った後の月平均):

  • 売上高:90万円(客単価9,000円×100施術)
  • 売上原価:5万円(ジェル・パーツ・消耗品)
  • 経費:家賃10万円/光熱費2万円/広告宣伝費5万円/人件費(自分)35万円/その他3万円
  • 利益:30万円

客数の積み上げ根拠(必須):

  • 営業日数:月22日
  • 1日あたり予約枠:5施術
  • 稼働率:90%
  • 新規・リピート比率:開業3か月目以降、リピート60%・新規40%を想定

9. 自由記述欄

強み・差別化・将来構想を補足する欄です。「2年目以降のスタッフ採用」「物販強化による単価アップ」「美容スクール併設構想」など、事業拡大の可能性を簡潔に書きます。

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サロンの創業計画書でよくある5つの落とし穴

  1. 客単価・客数の根拠が抽象的:「がんばって集客する」では不十分。営業日数×予約枠×稼働率で計算根拠を示す
  2. 競合分析が不足:商圏内の競合サロンの数・価格帯・コンセプトを調査せずに計画を立てると後で苦しくなる
  3. 自宅サロンか店舗サロンかが曖昧:出店形態によって資金計画が大きく変わるため、明確に決めてから書く
  4. 広告宣伝費を軽視:SNS運用・ホットペッパー掲載などにある程度の費用を見込まないと、開業直後の集客が苦しくなる
  5. リピート率を考慮していない:サロン業態は新規だけでは経営が安定しない。リピート率を含めた売上モデルを示す

採択されやすい創業計画書のコツ

  • 商圏分析を行う:商圏内の人口・年齢層・競合サロン数・客単価相場を調査
  • 客数推移を月別で示す:開業1か月目〜12か月目までの新規・リピート客数推移を表で見える化
  • SNS・予約サイトの活用計画:Instagram・ホットペッパー等の集客チャネル別の運用計画を明示
  • 客単価アップ施策:物販・オプションメニュー・回数券などで単価を上げる施策を盛り込む
  • 長期的な構想:2〜3年後のスタッフ採用・2店舗目展開・物販強化など、将来構想を簡潔に書く

まとめ

サロン開業時の創業計画書は、客単価×客数×リピート率の積み上げ根拠と、出店形態に応じた資金計画の妥当性が問われます。商圏分析・競合分析・集客チャネル別の運用計画を具体的な数字とセットで書くことで、融資担当者に「この計画は実現可能だ」と評価してもらいやすくなります。

制度や公庫書式は変更されるため、必ず申込時点の最新情報を公式サイトで確認してください。サロン業界特有の論点まで踏み込んだ書類のブラッシュアップが必要な場合は、融資支援に強い専門家への相談を検討すると良いでしょう。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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