
創業融資は法人設立直後に申し込める?注意点を解説します
ズバリ結論からお伝えすると、法人設立後すぐに創業融資の申込みはできません。起業直後によくあるご質問のひとつですが、重要なポイントですので丁寧に解説していきます。
法人設立後すぐに融資申請はできるのか?
たとえば、4月1日に法人登記を済ませたとしても、その当日には融資申請や銀行口座の開設はできません。
なぜなら、登記申請を行ったあと、法務局側での登記情報の登録作業が完了するまでに時間がかかるからです。
創業融資申請に必要な登記書類とは
登記作業が完了してはじめて、以下の公的書類を取得できるようになります。
- 登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)
- 法人の印鑑証明書
これらは、創業融資申請時に必ず必要となる書類です。
なぜ登記簿謄本の取得まで時間がかかるのか
通常、登記完了までには法務局での処理期間として1〜2週間程度かかります。
この処理が終わらないと、登記簿謄本や印鑑証明書の発行ができません。したがって、創業融資を申し込むにはこの待機期間が必要になるのです。
融資申請までに準備しておきたいこと
登記書類が取得可能になったら、スムーズに融資申請に移行できるよう、事前に以下の準備をしておきましょう。
- 登記簿謄本・印鑑証明書は各3通ほど用意(他にも銀行口座開設などで使用)
- 事業計画書の作成(できれば専門家のチェックを)
- 自己資金の通帳コピーなど資金の出所証明
よくある質問(FAQ)
Q1. 登記完了まで何日かかりますか?
A. 通常は3〜10営業日ですが、繁忙期などでは2週間以上かかることもあります。
Q2. 書類はオンラインで取得できますか?
A. 登記事項証明書は、法務局のオンラインサービス(登記ねっと)を利用すれば取得可能です。ただし、初期登録が必要です。
Q3. 印鑑証明書はどこで取得しますか?
A. 登記した会社の管轄法務局で取得できます。法務省のWebサイトから最寄りの窓口を確認しましょう。
Q4. 登記完了前にできることは?
A. 事業計画の精査、自己資金の整備、提出書類の準備など、融資の事前準備は十分可能です。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago 元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役 同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。 支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。 日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。 長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。