コラム

【金融機関と締結する契約書(銀行取引約定書)】 有本毅

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

どうもV-Spiritsの有本です。

 

先週から当コラムでは「金融機関と締結する契約書」についてお話していますが、今回からは各契約書の役割や内容・要点などを詳しく解説していきたいと思います。

 

金融機関から借入をするにあたり、最初に締結する契約書、それは「銀行取引約定書」になります。

信用金庫であれば「信用金庫取引約定書」、信用組合であれば「信用組合取引約定書」となります。

これは、商業上の「基本契約書」にあたるもので、金融機関と取引するにあたり最も基本的なルールが記載してあります。

 

サッカーで言えば「ゴールキーパー以外は手を使ってはいけない」「ゴールに入れば1点」といったどの大会でも変わらないルールをお互いに確認するといった感覚です。

 

では、その中身はどのような内容になっているのでしょうか?

各金融機関によって若干の違いはありますが、概ね以下のような内容になっているかと思います。

万一、締結時に説明を受けられなかった方については再確認してみてください。

 

(適用範囲)

これはどの「基本契約書」にも記載のある文面かと思います。

金融機関が想定している融資契約(手形貸付、手形割引、電子記録債権貸付、電子記録債権割引、証書貸付、当座貸越、支払承諾、外国為替、デリバティブ取引など)を、本契約の適用範囲とします、という条文です。

また、契約当事者としての甲乙や第三者の範囲なども書かれています。

 

(利息、遅延損害金等)

借入の利息や遅延損害金(いわゆる延滞利息)について、基本的な取り決めが示してあります。

遅延損害金を何%に定めるのか。

利息は日割りなのか月割なのかなどが記載されています。

 

(担保)

既に差し入れている(提供している)担保の評価が目減りした際や、債務者の財務内容・業況が悪化した場合には、追加で担保や保証人を差し入れるという文面が記載されている場合があります。

金融機関と取引を始める最初の段階から、既にこの文面に同意させられているということです。

冷静に考えれば、結構怖い条文ですね、(実効性があるかは別として、、、)

 

(期限の利益の喪失)

「銀行取引約定書」において、この項目が最も大事になります。

融資を担当した銀行員がこの項目すら説明してくれなかったら、少なくとも説明責任を果たしていないのではないかと私は思います

ですので、この項目については次回に少し詳しめに解説したいと思います。

ざっくり言ってしまえば、「この条件に当てはまったら、一括で返済してくださいね」という条文になります。

5年返済で借入をしたとしても、この条件に該当したら一括での返済を求められます。

そのため、この項目を軽視し、いつの間にか条件に該当してしまい「一括返済」を余儀なくされるケースもあり得ます。

一括返済を求められれば、事業の資金繰りに重大な影響を及ぼすのは言うまでもありません。

 

(相殺)

上記の「期限の利益の喪失」に関連しますが、条件に該当した場合に金融機関はその債務者の借入金と預金・出資金を「相殺」することができます。

具体的には、届得出ている住所に相殺通知が送られ、その後一定期間を置いて預金残高・出資金と借入金(及び利息・遅延損害金)と相殺します。

 

(報告、調査等)

金融機関に対し、財務状況(決算書や確定申告書など)を定期的に提出することを求める条文です。

また、期中でも財務状況や経営状況に重大な変化があった場合には報告するように求める場合もあります。

この段階で「自発的に決算書類や状況の変化を報告する」ように約束させられていると考えてください。

経営者の中には、「決算書類は融資を受けるときにだけ提出するもの」と考える方もいらっしゃいますが、「銀行取引約定書」を再確認し、定時報告の義務を負っているかを確認してみてください。

また、提出した決算書類に「重大な虚偽」があると認められた場合は、上記の「期限の利益の喪失」に該当する危険性は極めて高いと思ってください。

 

(反社会的勢力の排除)

こちらの文言は今となっては「銀行取引約定書」以外のあらゆる契約書に記載されています。

改めての説明は不要かと思いますが、契約締結時だけではなく、締結後にこの条文に該当した場合でも適用されます。

該当した場合は上記の「期限の利益の喪失」条文や「預金取引約款」などに基づき、取引の解消を求められます。

また、現在の金融機関は定期的(1年や6ヶ月に一度)に反社会的勢力に該当するかのチェックをしていることが多く、「言わなければバレない」と軽視するのは危険です。

 

(届出事項の変更)

債務者や保証人の氏名、住所、商号、本社登記地、各種印鑑などに変更があった場合には、直ちに金融機関へ「変更の届出」をするように求めています

届出を怠ると、やや拡大解釈になりますが「期限の利益の喪失」に繋がるケースもあり得ます。

変更があった際には、まずは口頭で申し出をし、金融機関の手続きに基づいた変更届出を行うようにしてください。

 

 

どこまで細かく説明してくれるかは、金融機関の担当者により様々です。

しかし、銀行員側に「説明責任」があるといっても、署名・押印した契約書には責任が伴います。

「聞いてない」「憶えていない」は基本的に通じません。

 

契約書というのは、小さな字で小難しく書いてあることが多く、軽視してしまいがちです。

自分を守る意味でも「契約をしっかりと把握する」必要があるでしょう。

 

内容の把握に自信がない場合は、今すぐに確認してみてください。

 

 

V-Spirits経営戦略研究所株式会社

有本 毅

関連記事

「起業コンサルタント®」「副業コンサルタント®」「まるごと起業支援®」「まるごと経営顧問®」は
V-Spiritsグループの登録商標です。 無断での使用は固くお断りします。

新着コラム

  1. 【融資面接のポイント!】誠実・的確な対応を心掛けよう!!公庫へ申...
  2. どうもV-Spiritsの有本です。
  3. みなさんこんにちは。V-Spiritsの三浦です。
  4. どうもV-Spiritsの有本です。
  5. どうもV-Spiritsの有本です。
ダウンロードはこちら
イノベーションズアイ
資金調達支援サービス
All Aboutガイドの原点
多胡藤夫ブログ
中野裕哲ブログ
渋田貴正ブログ
三浦高ブログ
有本毅ブログ
岩楯大輔ブログ
 V-Spirits┃ストーリー
起業成功事例.jp
起業応援成功サプリ
採用情報
業務提携先募集情報
消費税??軽減税率??まるごとQ&A