
いまさら聞けない「マーケティング」と「営業」の違い──戦略と実行の役割を整理して成果につなげよう
ビジネスに携わると、「マーケティング」と「営業」という言葉が頻出します。でも、その違いをはっきり説明できる人は実は少ないもの。これらは似て非なる役割で、相互につながりながら成果に直結する大切なパートです。今回はそれぞれの定義と具体的な違いを、実務視点で整理してみました。
① マーケティングって何?
マーケティングは、「顧客ニーズを見つけ、そのニーズを満たす仕組みと価値を設計・届ける」活動全般を指します。
具体的には:
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ターゲット(ペルソナ)の設定
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市場調査(市場規模・競合・傾向など)
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ブランディング・USPの設計
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広告やプロモーション施策
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Webサイト・ブログ・SNSの運用
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戦略設計(STP、AIDMA、AISASなど)
全体の設計図をつくる役割であり、「お客様との接点」を生み出すための活動と捉えることが重要です。
② 営業って何?
一方、営業は、実際にお客様と向き合い、商品やサービスを紹介し、契約や成約を取っていく現場のアクション担当者です。
具体的な役割としては:
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初回の打合せ・商談
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提案資料・見積書の作成
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クライアントニーズの聞き取り
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契約・クロージング交渉
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納品・アフターフォロー
お客様と直接つながる場面の実行力を担う人とも言えます。
③ 両者の違いをカンタン比較
視点 | マーケティング | 営業 |
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主な仕事内容 | 市場・顧客調査、ブランディング、集客導線設計 | 商談・提案・契約・クロージング |
タイミング | 事前設計〜興味段階 | 関心→購入に向かう場面 |
成果指標 | リード数、サイト流入、資料請求、問合せ数など | 商談数、成約率、契約金額など |
必要スキル | 分析・仮説立案・メディア・文章力 | 説明力・説得力・人間関係構築・交渉力 |
役割 | 顧客との出会いをつくる | 顧客の信頼を勝ち取り、成約に導く |
④ 両者はどうつながる?
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マーケ→「興味ある人(リード)」を集める
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営業→その人に「会って」「話して」「成約」に導く
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フィードバック→営業が得た顧客の声をマーケティングに活かす
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改良→また、集客設計を精度高くブラッシュアップ
このように両者は循環的につながる仕組みなのです。
⑤ 共通ポイントと違いを意識した連携の重要性
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相互理解がないとずれが生まれる:「集めたリードが質の低いものだった」「営業が使いにくい資料になっている」といったズレにつながります。
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定期の連携会議が有効:月1でCVRや離脱率、商談内容を共有し、改善につなげる場づくりが成果を高めます。
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PDCAサイクルで伴走する関係を:マーケティング施策を打ち→営業が反応を確認→マーケにフィードバック→改善…と戦略→実行→改善を回していく姿勢がポイントです。
⑥ 特に起業・中小フェーズでの連携ポイント
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資料請求〜商談までのリード育成フローをつくる:メール・電話・SNSフォローなどタイミング設計が重要。
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リードの温度感と接点を可視化する:例:問い合わせ→資料送付→フォロー電話→商談→提案…と段階管理しやすく。
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現場営業の声をマーケに活かす:実際、お客さまが躊躇する理由等は改善案の宝。マーケ側に即共有したい情報です。
■まとめ:それぞれの役割を意識しながら「成果の輪」をつくろう
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マーケティングは「出会いの設計図」を創る
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営業は「信頼と契約を形にする」現場力を発揮する
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両者が連携することで質の高いリードを育て、成約へつなぐ強力な仕組みができる
「マーケも営業も全部やらなきゃ…」という起業家さんは多いですが、感覚だけでなく、それぞれが得意なフェーズを明確化し、連携を自分で設計するだけでも成果は大きく変わります。
もし「自社のリード設計と商談導線を一緒に整理したい」「現場の反応をマーケ戦略に活かす方法を知りたい」などありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの「届けたい」を「届けた」に変えるお手伝いを、心を込めてサポートします。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。