
いまさら聞けない「提供価値」ってなに?──お客様が“買ってよかった”と心から思う理由
「提供価値」という言葉を聞くと、なんだか難しそうに感じられるかもしれません。でも、ビジネスをするうえで本質的に大切なのは、お客様に何をどれだけ喜んでもらえるかという点です。提供価値は、商品やサービスを通じてお客様が得られる「良さ」や「成果」のこと。起業家や経営者にとって、その価値をいかに明確にし、磨き、届け、伝えるかが成功の鍵となります。今回は提供価値の意味と整理法、実務に活かす方法を、やさしく整理してお伝えします。
① 提供価値ってなに?わかりやすい定義から
提供価値とは、「お客様が商品やサービスを通じて感じる『幸せ』『便利さ』『安心感』『成果』など」のこと。
具体的には:
- 問題解決:家事時間が1時間減る、売上が10%伸びる
- 心理的メリット:安心感、信頼性、ステータス
- 利便性:すぐ使える、いつでも相談可能、複数の機能が詰まっている
② なぜ提供価値が大切なの?
- 競合との差別化につながる:「何を得られるか」が明確だと共感されやすくなる。
- 集客やコミュニケーションがシンプルになる:価値の伝え方に一貫性が生まれる。
- 顧客満足とリピートにつながる:価値を届けられると自然に「また頼みたい」となる。
③ 提供価値の分け方:4つの視点で整理しよう
- 機能的価値:具体的な機能・効果(例:「15分で食洗機が完了」「月額固定で安心」)
- 情緒的価値:感情的な要素(例:「店内の雰囲気に癒された」)
- 自己表現価値:利用による他者からの見え方(例:「信頼されるツール」)
- 社会的価値:社会貢献性(例:「環境に優しい商品」)
④ 提供価値を実務で設計する3ステップ
- ステップ①:お客様の課題や願望を明確にする(ヒアリングやアンケート)
- ステップ②:提供する価値を洗い出す(4つの視点に分類)
- ステップ③:言葉にして伝わる形にする(キャッチコピーや説明文に)
⑤ 提供価値を伝えるときの注意点
- 「お客様の言葉」で語る:悩みに寄り添った表現に
- 数字や根拠で裏付けをする:例「◯%時短」「▲▲件の導入実績」
- 多すぎず、一つに絞る:「これだけは絶対」に絞って訴求
- 実体験や事例を活用する:共感と信頼を深める
⑥ 提供価値を磨き続ける方法
- 実際の利用者の声を集める:レビューやインタビューを活用
- 比較調査して精度を高める:競合との差異を磨く
- 効果測定する:反応率などを見て表現を改善
- 提供価値に応じた価格・チャネル設定:価値と入口を一致させる
■まとめ:提供価値は「あなたの商品が届く力」
「提供価値」は、単なる特徴以上に、お客様の心を動かし、行動に導く根本の力です。
価値を言葉にできると、集客導線が明確になり、信頼が育ち、ビジネスは自然と強くなります。
ご自身の提供価値を磨きたい方、言葉で伝えきれていないと感じる方は、いつでもご相談ください。あなたの事業の「届けたい」が届けられるよう、伴走してまいります!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。