
士業に値引き要求してもろくなことが無い理由とは?
ズバリ言います。
士業に対して「安くしてもらえませんか?」という交渉、やめておいたほうが無難です。その理由を、これからわかりやすく、実例を交えてご説明しますね。
1. 士業の仕事は「時間の切り売り」ではない
まず理解していただきたいのは、士業(税理士、司法書士、行政書士、社労士など)の報酬は、単なる“作業の対価”ではなく、専門知識と経験に裏打ちされた「問題解決力」や「リスク回避力」に対して支払うものなのです。
たとえば、会社設立の登記申請。自分でやれば時間もかかり、ミスすれば受理されず、修正に追われることも。士業に頼めばスムーズに進み、かつミスのリスクも激減します。これが“安心”という価値なのです。
2. 値引きを要求すると「優先順位」が下がる
これ、実務現場ではよくあることですが、値引き交渉をしてきたお客様は、無意識のうちに「安く済ませたい人」と見られます。そうするとどうなるかというと…
他の大多数の「正規の料金を払ってくれているお客様」よりも、対応が後回しになってしまう可能性があるのです。
もちろん、士業もプロですから、仕事そのものに手を抜くことはありません。でも、「スピード感」「親身なアドバイス」「タイミングを見ての連絡」など、細かい配慮に差が出てしまうのは、どうしても避けられません。
3. 値段より「成果」で見るべき
たとえば、補助金申請のサポート。成功報酬型で20万円と言われたとしても、そのサポートがあることで100万円以上の補助金が受け取れたら…それって、めちゃくちゃ“得”ですよね?
つまり、料金が高いか安いかではなく、「何を得られるか」で判断することが、賢い依頼の仕方です。
4. 本音を言えなくなる関係は損
「この人には値引きしてもらったから、あまり面倒はかけられないな…」
「これも聞いたら迷惑かな…」
そんな気持ちが芽生えてしまったら、それは大きな損失です。士業との関係は、経営者にとって“お金の相談を正直に話せる”数少ない相手です。気兼ねなく、安心して相談できる関係こそ、経営を支える土台になります。
値引きしてもらったせいで、何かを相談しづらくなる…そんなの本末転倒ですよね。正規の値段を気持ちよく支払ったうえで、思いきり元を取るのが賢い経営者です。
5. 信頼関係が築ける士業が最強の味方に
逆に、きちんと報酬を払い、その分しっかりと信頼関係を築いた士業は、あなたの経営にとって最強の味方になります。
・ちょっとした経費の考え方
・タイミングを見た節税アドバイス
・補助金や融資情報の早期提供
こういった「プラスアルファ」の価値は、数字に見えないけれど、結果としてあなたのビジネスを支え、守ってくれる力となります。
経営者は“信頼”にお金を払う
最後に。
士業は「安いから頼む」ものではなく、「信頼できるからお願いする」存在であるべきです。
報酬に見合う価値をしっかり見極め、自分のビジネスの味方になってくれる専門家と付き合うことが、結果的に一番のコストパフォーマンスになるんですよ。
多方面の専門分野で頼るべき「腕のいい士業やコンサルタント」を味方につけておく。これができる経営者が成功していきます。たくさんの事例を見ているので、これは断言できることですよ。
士業との関係づくり、ぜひ大切にしてくださいね。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。